2007年12月21日

No.25 冬至の過ごし方を提案します

今日は新しい試みとしてキャンドルナイトを計画しました。このことについては少し前にお知らせでも書きましたが、ここでももう少しだけ書いてみたいと思います。

このキャンドルナイトの活動は夏至と冬至の日に各地で行われてきたイベントで、環境のために電気を消してろうそくの明かりで過ごそうという目的があります。当然環境問題は大切なことなのですが、保育所として子どもを巻き込むにはテーマが少し大きすぎます。ということで、保護者の皆さんに、冬至の日の夜のひと時をろうそくの明かりで過ごすことを提案してみてはどうかと考えました。いつもとは少し違った家族の関わりが見えてくるかもしれませんし、もしかするとこの先子どもたちが、自分以外の人のことや周りの環境のことに思いをめぐらすきっかけにもなるかも知れないと思ったりもします。

また、夜にろうそくの明かりで過ごすというのは違う意味もあります。人間は電気がなかった大昔、太陽の光と月や星の光の中で生活をしていました。昼間は頭の上からの太陽の光のもとで活動します。夜は家の中でろうそくであったり燭台であったりと、床に置いた明かりに照らされます。囲炉裏なども同じで、下からの光です。そんなことからも分かるように、明るさの違いと同時にどこから光を浴びるかということからも、人は1日の流れを感じていたようです。それが電気の発明によって変わってきて、基本的には常に頭の上からの光を浴びるようになりました。また照度が増したおかげで夜でも昼間の明るさを浴びます。そう考えると、現代の生活はどこか体にはよくない影響がある気もしてきます。だからこそ、ろうそくの明かりは見直されてもいいのかもしれません。

そんなことをいろいろ考えているうちに、昼は明るく夜は暗い方が体にとっていいとなると、昼寝のときに部屋を暗くするのはどういう意味があるんだろうという疑問が湧いてきましたが、話の終わりが見えないのでやめておきます。とにかく冬至の日(22日)にろうそくの明かりをお子さんと楽しんでみてください(火の始末は忘れずに)。そして、できれば感想も聞かせてください。

2007年12月14日

No.24 自主性の育ちを考える

昨日、ケーブルテレビの撮影がおこなわれました。子どもたちはカメラを意識しすぎることなく普段の姿を見せてくれていたので、ありのままの保育所の様子を見てもらうことができるのではないかと楽しみにしています(編集にもよるとは思いますが)。放送の中ではこの保育所がどんなところかを説明するシーンがあり、その取材を受けながら改めて考えたことがあります。

あさり保育所では、子どもたちに自発的に活動する力をつけてもらいたいと考えています。保育理念に「人生の基礎づくりのお手伝い」とありますが、人生の基礎づくりにこの力は欠かせないと考えるからです。ではそのために何が大切かというと、やはり自主性を育てるためには0歳児からの発達をきちんと捉えるということです。

子どもは、乳児の頃に愛情豊かな大人から愛され守られ信頼されることによって、情緒的に安定し大人の期待に自らこたえようという気持ちが芽生えてきます。これが主体的な活動の始まりであり、発達するにつれて自発的な興味や関心を示して周りのものに働きかけたり、人と関わろうとする気持ちになっていきます。こうして自分が主体となることで、他者への働きかけに自信を持ち、言葉や思考力、自分をコントロールする力をつけていきます。このようなことの積み重ねで子どもは自主性を育てていきます。さらにはその結果として、新たな態度や知識、能力をつけていこうとするわけです。

ややこしい内容になったので簡単にまとめると、子どもの自主性(道徳性も同じだと思っています)は、きちんとした発達を遂げていく過程で生まれてくるということです。教えれば身につくというものではないのが難しいところです。そしてその発達(自主性の芽生え)をきちんと保障するためには、1人ひとりの成長の違いを把握し、その違いに丁寧に対応しなければいけません。多様な子どもたちに対して私たちも多様に関わり、そして子どもたちがそれぞれに持っている素晴らしい力を信じて子どもたちの成長を支えていきたいと、今回のケーブルテレビの撮影を機に改めて思いました。