2017年7月28日

No.504 「どうせ無理」をなくしたい

最近のお気に入りは植松努さんの話を聞くことです。ネット上で聞くことができるものを手に入れては聞き続けています。
きっかけは下記の動画を見たことです。とにかく感動してしまいました。





植松さんは植松電機を経営しておられ、リサイクルのためのマグネットを作る仕事をしながら宇宙開発(ロケットや人工衛星を丸ごと全部作ったり、NASAとドイツの研究所と植松電機の世界に3つしかない無重力実験装置を作ってしまったり)も行っているとんでもない方です。この方の考え方については動画を見てもらうとよく分かると思います。

世の中から「どうせ無理」という言葉をなくしたい、「だったらこうしてみたら」とみんなが言い合うことで夢を叶えてほしい、そんなことを訴えておられます。動画の中に何度も出てきますが、「子どもの夢を奪っているのはそれをやったことがない大人の無責任な発言だ」という部分に、ドキッとする人は少なくないんじゃないでしょうか。私も今までの自分の発言を振り返り、子どもに対してだけでなく、大人に対してもそんなことをしてきたことを改めて反省しました。子どもたちは何でも試したがり、恐れずにいろんな夢を抱きます。大人はそれをジャマすることなく、更に夢が広がるように、夢に向かっていく力を無くしてしまわないように関わらなければいけない。そんな当たり前のことを深く考えさせてくれたのが、植松さんの言葉の言葉でした。

そして、別のところではこんなことも言っておられます。「大きな夢を持つと自分1人では叶えることが無理な場合もある。それでも叶えようとすると仲間が必要になる。一緒にやってくれる人、自分の後を引き継いでやってくれる人。自分以外の人と協力しなければいけない事に気づかされる。だから大きな夢を持つことは大事なんだ。」そんな話だったと思います。

これも大事なことですよね。あさりこども園では子どもたちに協働する楽しさを知ってもらいたい、体験してもらいたいと考えています。1人でやるよりも友達とやった方が楽しい。1人ではできないけれど友達と協力したらできるようになった。そのことで遊びがより楽しくなり、好奇心が満たされ、そのことで対象に対して更に深い関心を持つようになる。そんなことの楽しさを知ってもらいたいと思っています。そして、自分の得意なところと友達の苦手なところを比べて友達をバカにしたりするのではなく、自分の苦手なところと友達の得意なところを比べて自分に自信を持てなくなったりするのではなく、自分の得意なところで友達の苦手なところを補ってあげ、自分の苦手なところを友達の得意なところで補ってもらえればもっともっといろんなことができるようになる、そうやって社会を楽しいものにしていくことを遊びや生活を通して十分に体験してもらいたいと思っています。そうなるためには植松さんが言われるように大きな夢を持つこと、何としてでもやってみたいという強い関心を自ら持つことが必要で、あさりこども園でもそのことを大事にしています。

他にも興味深い話をたくさんされているのですが、大きな夢、簡単には叶えられそうにない夢を持つからこそ仲間が必要になる、他者と協働することが必要になるという話が、あさりこども園の思いと重なる部分は多いと感じたので、ここで紹介させてもらいました。

植松電機で行われていること、そこで働いている人たちの関係性、そして植松さんの強くて深い思い、そんなことを実際に北海道へ行って肌で感じてみたくなっています。

2017/7/27【花の村で楽しむ】ひうたのウクレレレッスン in あさりこども園&花の村温泉 レポート

よしととひうたの紙芝居」、音楽ユニット「マイトリー」と様々な活動をされているひうたさんによるウクレレレッスン第2回目が、あさりこども園ホールと花の村温泉ホールで行われました。

(第1回レッスンのレポートはこちら

前回は初心者向けのレッスンのみでしたが、今回は初心者向けと2回目の方向けの2クラスを開催。初めての方にはウクレレの楽しさを、2回目の方にはウクレレの楽しさだけでなく、できることが増えていく楽しさもレッスン時間をフルに使って伝えてくれました。

参加者は午前の部と午後の部を合わせて21名。今回もたくさんの方に参加していただきました。

午前の部は前回と同じくあさりこども園で。



そして午後の部では初めて花の村温泉のホールを使って。



花の村温泉ホールはウクレレの音がキレイに響き渡るなかなかの環境でした。社会福祉法人花の村には他にも施設があり、それぞれが独特の雰囲気を持っているので、いろんな施設で開催するのも楽しいかもしれません。



今回は夏休みということもあり、小学生が4名も参加してくれました。それぞれに楽しんでくれていたようなので、保護者と一緒に参加してもらうという条件はありますが、ぜひ小学生の参加もおすすめしたいです。



また、18時からの初心者向けクラスに参加し、続けて19時からの2回目の方向けクラスに参加された方もいました。一気にいろんなことを吸収し、一気にできることが増えていくのも楽しそうでした。そんな参加もできるので、興味のある方はご相談ください。



レッスンが全て終わった後にひうたさんと相談をし、近いうちに第3回を開催する方向で調整することになりました。今度は初心者向け、2回目の方向け、3回目の方向けの3クラスの開催になると思います。詳細が決まり次第お知らせしますので、ご参加お待ちしています!

2017年7月21日

No.503 Yさんの企画

先日、ぞう組ときりん組が地域の農家の方に農業の話を聞かせてもらったり、そこでトウモロコシの収穫をさせてもらったりと、貴重な経験をさせてもらいました。



この活動を企画してくれたのは保護者のYさん。Yさんが農家の方と話をしているとき、「そういえばあさりこども園の今年のテーマは『地域』だから、園の近くで農業をされている方の話を聞かせてもらったりするのはテーマにもつながるし、自分たちが食べている食材について考えるきっかけにもなるんじゃないか」と考えてくれたようで、その場でこの企画について農家の方に相談をしてくださり、承諾までもらってくれ、実現に至ったわけです。 園としては当然テーマである『地域』を子どもたちにどう伝えていけばいいか、そのことを考えながら取り組みを計画しているのですが、保護者も同じように考えてくれ、しかも今回のように企画から提案までしてくれるのはすごいことだと思っています。

保護者と園が一緒になって子どもたちの体験を豊かにしようと考えてくれると、当然出てくるアイデアの幅は広がりますし、体験はより豊かなものになります。そして、その大人の姿勢はしっかりと子どもたちに伝わるわけで、子どもの育ちに与える影響がいかに大きいかは容易に想像できます。以前からもう少し小さな提案はありましたが、今回の提案には本当に驚かされ、改めてこうした保護者の思いをありがたく感じています。

先日の園庭整備作業では、保護者の協力のおかげでより遊びが展開しやすい状態にしていただきました。明日は夏祭りが行われますが、その際もたくさんの保護者に協力していただきます。役員さんを中心に、園庭改修の計画も動き出しています。保護者が率先して動いてくれていること、この流れを毎年次の保護者につないでくれていることは、当たり前のことではありません。ここまで動いてもらえているのはすごいことです。今の保護者にはもちろん、この流れを作ってくれたこれまでの保護者にも感謝です。

2017年7月15日

2017年7月

【オープンにする】
10年以上も前のことになりますが、オープンであることの大切について教えてもらったことがあります。オープンにすればするほど、より大きなものが自分に返ってくるという話です。例えば何かアイデアを思いついたとします。それを自分の中にしまっておくだけだと、大きくなることも増えることもありません。でも、「こんなアイデアを思いついたんだけど」と誰かに伝えるために自分の外に出そうとすると、言葉にする過程で整理が行われアイデアが変化することがあります。また、外に出して自分以外のいろいろな人を通ることでアイデアが違った形に変化することもありますし、自分だけでは決して思いつかなかった全く別のアイデアが新たに生まれることもあります。

【自分に返ってくる】
面白いのは、そうしたアイデアたちが自分に返ってくるところです。アイデアを自分だけのものにせずオープンにするのは恥ずかしいから…とためらってしまうこともあるかもしれません。時には自分だけのものとして守っておきたいと思うこともあるかもしれません。でもオープンにすることでもっと大きなものが自分に返ってきます。不思議ですが、そういうものなんです。だから職場内で、部署を超えてアイデアを共有し合えたら、どんなに面白いことが生まれるんだろうとワクワクしてきます。積極的にオープンにしていく姿勢を、花の村では当たり前のことにしていきたいと考えています。

【巻き込む・巻き込まれる】
アイデアの共有もそうですが、私たちの仕事は1人では成り立ちません。常に誰かと協力して行う必要のあることばかりです。でも「ちょっと手伝って」「一緒にこんなことをやってみない?」と誰かを巻き込むのはちょっと勇気のいることだったりします。みんな忙しいだろうし…なんて考えてしまうと、お互い様であるはずなのに言い出せなくなってしまいます。両こども園ではそんな現状を変えていくために「巻き込み・巻き込まれプロジェクト」というものを定期的に行っています。
35歳以下の職員グループ(巻き込む側)が企画者となり、36歳以上の職員グループ(巻き込まれ側)を講師として招く研修を企画します。今までに行ったのは「保育士の心構え」「保護者対応」を教えてもらう研修などです。意欲的に講師を受けてもらえるよう「巻き込み側」には工夫が求められますし、より楽しく、より学びが深くなる研修になるよう、上手に盛り上げる「巻き込まれ側」の姿勢も重要です。この取り組みを通して、両方の立場の重要性を感じてくれていると思っています。
物事を動かそうとするとき、巻き込む側(リーダー)はもちろん重要ですが、それについていき盛り上げる巻き込まれ側(フォロワー)の存在も重要です。花の村の仕事は、どちらの役割が欠けても上手く進んでいかないことを知っておいてください。

2017年7月14日

No.502 フラフラすることを楽しむ

2008年にノーベル物理学賞を受賞された益川敏英の言葉が、毎日勉強させてもらっている「折々のことば」の中で紹介されていました。
夢中になる対象はそのときそのときで変わっていいから、なんにでも首を突っこんでフラフラしてください。(益川敏英)

■鷲田さんのことば
人生にはいろんなことが待ち受けていて、どの方向に一歩踏みだすべきか、誰にもわからない。楽しく、そして惜しみなく努力を注ぎ込める何かに出会うまで、とことんさまよえばいいのだと、物理学者は言う。「フラフラする」というのは、何でもがむしゃらにやって「フラフラになる」ことでもあろう。
『「フラフラ」のすすめ』から。(鷲田清一)

身軽な人ほど成長する、という話もよく聞きます。身軽であることは、フラフラすることとと本質は近いと思っています。身軽な人は活動的で、しかも活動に飛びつく動きが速いです。積極的にチャレンジし、そこで多くの成功や失敗を経験するため、学びの機会が非常に多い=成長が促されるという流れを自ら生み出しています。

でも、人は経験を積んでいくと事前にリスクを考慮することが増え、気づいたら非常に動きが鈍くなっていきます。これは自分のことでもあるのでよくわかります。最近新しいことに挑戦していないなとか、新たなことを思いついても「失敗したらどうしよう」「もう少し様子を見てから…」と、結局何もしないことを選択していたりします。いつまでもリスクを顧みず行動するのは立場上よくないことも多いので仕方ないことでもあるんですが、自分自身としてはもうちょっと積極的に動くべきなんじゃないかと思ったりするわけです。

何につながるかわからない、でも興味があるからやってみる。するとやってみたことで視野がパッと広がったり、そこで生まれた縁から挑戦したこととは関係のない別の学びが得られたりします。挑戦すること、フラフラすることの面白さの1つには、想像を超えたものとの偶然の出会いがあると思っています。

話を子どものことに移します。子どもは行動力の塊で、フラフラすることこそ子どもの本質だと言ってもいいくらいです。どこかにおもしろいことがないかいつも探していますし、興味を持ったら即行動です。もちろん失敗することも多いですが、でもその体験こそが成長の種となっていきます。そんな成長の原点でもある子どもの「フラフラする」ことを、大人はちゃんと認めてあげないといけませんよね。

興味を持てる様々な要素を周りに用意すること。
興味を持てる場や様々な人との出会いを用意すること。
やりたい!と思うことを見つけたら、それに十分に取り組める時間を用意すること。
失敗しても、また次に進んでいけるよう、受け止める存在としてそこにいること。
フラフラすることの楽しさを伝えるために、時にはフラフラのモデルとなること。

大人の役割は例えばこんな感じでしょうか。

大事なことは《「自ら」フラフラする》こと。
あれもこれも面白いからやりなさい!と強制してしまうと意味がありません。自分の興味関心にしたがってフラフラすることがポイントです。

子どものフラフラを認めつつ、時には大人もフラフラすることを楽しむ。
子どもも大人も、失敗を恐れずフラフラすることを大事にしたいですね。

2017年7月7日

さざなみの森へ

東広島市にある「認定こども園さざなみの森」へ行ってきました。
今回は県内で作っている勉強会グループで企画した見学研修です。
私自身は何度も訪問させてもらっているんですが、
他の方々は訪問したことがありませんでした。
園長は元建築家、大きな幼稚園からスタート、その後認定こども園へ。
そんなところなので、発する言葉や環境に対する見方、保育への思いも独特です。
訪れるたびに、お話をさせてもらうたびに刺激をもらっています。
これから保育園・認定こども園を取り巻く状況はまだまだ変わっていくことが予想され、
その変化に柔軟に対応していくためには
自分たちの思考の枠を超えた刺激を受ける体験も必要だと考え、
今回の見学を企画したわけです。





参加されたみなさんがどのように感じられたか分かりませんが、
こういう機会も必要だなあと私は感じました。
じーっと待っていて勝手に刺激がやってくることも無くはないですが、
でも自分で動いて得るのが正しいあり方だと思います。
動いてみて「思ったような学びはなかった」と感じたとしたら、
自分の動き方を見直すきっかけにすればいいだけです。
現状の認識が正しくできているかを確認するために、
現状に簡単に満足してしまわないために、
現状を思い切って変えるために、
そのためにどう動けばいいか、
動くために何を考えなければいけないか、
そんなめんどくさいことをずっと続ける必要があるんでしょうね。





ちなみにこの園の園長先生は園に対しても地域に対してもとっても思いが深い方で、ずっと話をしていたいと思わされます。
柔らかいけど強い芯をしっかりと持っておられる、そんな姿勢にも憧れています。

2017年7月6日

思考方法

まちの保育園を作られた「松本理寿輝」さんのお話を聞いてみたいなーと思い、講演情報なんかを調べていました。そうすると、ある本屋さんでお話をされるらしいとの情報があったので調べてみると、残念ながら既に終わっているものでした。もっと早くこの情報を掴んでいれば……と悔やみながらその本屋のサイトを眺めていると、なんだかよくある本屋とは違ってることに気づきました。ビールを飲みながら本を選べたり、毎日イベントが開催されていたりと、それを聞いただけで行ってみたくなります。で、その本屋が採用しているのが文脈棚。へぇーと思いながらその本屋について書かれた記事を読んでいるうちに、こども園はもっと文脈棚を取り入れるべきなんじゃないか、そんなことを強く思うようになりました。で、ある場所に、そのあるものに関する文脈棚を作ってみることから始めることに。

考えていることが他の何かにつながって、それがまた自分の考えに影響を与えてくれて。そんなことをずーっと繰り返してきました。1つのことだけを考え続けていくのではなく、その1つに関連する他のことにどんどん手を広げていき、その過程で何かピーンとくるものを見つける。この思考方法がどうやら自分は好きなようです。

No.501 気持ちを新たに

先週の金曜日に配布したものを最後に「園長のひとりごと」は終わりにしますとお知らせをしました。2007年7月に書き始めたときは、ちょうど保育の変革の時期で、保護者に対して園の考えを発信する必要性が通常よりも高い時期でした。「なぜ保育を変えるのか、その理由は…」「なぜこのような保育に変えるのか、その理由は…」そんなことを少しでも理解してもらいたい、その一心で書き続け、配布し続けました。続けているうちに違う思いも出てきました。園で行っていること、子どもたちが見せている姿、その意味を言葉にすることも私たちの役目だと認識していたんですが、それが結構難しいんです。園で取り組んでいることを「子どもたちのために○○をする」ではなく「こういう力をつけるために○○をする」と、子どもたちが見せている姿を「大きくなった」ではなく「こんな力をつけてきた」と、より具体的に、しかも保育関係者以外でも理解しやすい言葉で発信する必要があります。どこまでできるか分からないけど、それをしていくのが自分の仕事だと考え、拙いながらも言葉を探しながら文章を作ってきました。

それを辞めることにしたんですが、書きたいことがなくなったわけではありません。保護者が園の考えをかなり深く理解してくれている現状、保育の場で起きていることや子どもの姿について、その意味も含めて保育者がしっかりと発信してくれるようになった現状を考えると、自分が発信し続けなくてもいい段階がきたんじゃないかと判断したわけです。でも、書き続けてきたことが自分の学びになっていたこと、書くことで頭の中が整理されてきたのも事実です。ですから、印刷して園の保護者に直接配布することは辞めますが、ネット上では細々と続けていくことにしました。直接保護者に届けることを目的としていたのが今までですが、これからはちょっと力を抜いて、しかも字数もあまり気にせずに長かったり短かったりしながら、できるだけ素直に思ったことを書いていこうかと。

ということで、今考えていることの一部を紹介します。いっぱいある中の一部の、さらにその触りの部分のみですが。

①園庭遊具の無彩色化
園庭遊具で大事なのは色なのか、機能なのか。色がなければ遊具で遊ぶ意欲は生まれにくいのか。園庭に必要な色は何か。私たちの園の様な自然に囲まれた環境では遊具の色をどうとらえるのか。そんなことを考えていて、遊具は機能が大事、園庭ではまず自然の色を生かすことが大事ということで、無彩色というものを取り入れてみることを検討しています。無彩色(achromatic color)とは、白・灰・黒などの色みのない色のこと。無彩色の遊具が置かれた風景をまだ想像できていませんが、どうなるか楽しみです。

②文脈棚の意味合いを強めた絵本ゾーンへ
本を著者別や分野別でなく「意味」でつなげて並べてある棚を文脈棚と呼ぶことを知りました。そういえば文脈棚で展示している本屋を時々見かけます。ビールの棚を作り、ビールとタイトルが付いている書籍、例えばグルメ本、小説、ビールが取り上げられているマンガの8巻だけなどを揃えているところもあるようです。こども園の絵本棚にも文脈棚はあり、今なら夏に関する本を集めた棚、虫に興味を持ち始める時期なので虫関連の棚などがそうです。子どもの興味の広げ方を考えると、ある1つのこと中心に関連のあるものに興味を広げていくことが多いように思います。なので興味関心を広げやすいように文脈棚をもっと積極的に取り入れてはどうか、そんなことを考えています。どこから手をつけ始めるかはこれからのお楽しみということで。