2014年8月29日

No.359 運動会で見てもらいたいこと




来月は運動会が行われます。毎年この時期には運動会の目的について書いていますが、今年も書かせてもらいます。今回だけではなく何回か続くかもしれません。運動会の目的について知ってもらい、注目してもらいたいところ、競技の趣旨をしっかりと掴んだ上で楽しんでもらいたいという思いです。よろしくお願いします。

昨年もそうでしたが、今年も「走る」ことの発達を見てもらう内容を計画しています。運動会の大きな目的は「子どもの運動面の発達を保護者に伝える」ことで、幅広い運動面の発達の中の「走る」にまずは注目してもらいます。といっても全員が走るのを見てもらうわけではありません。「走る」ことの発達を、順に見てもらおうというものです。

ご存じの通り、子どもの発達は連続しています。赤ちゃんがある日突然走り始めるのではなく、寝返り→ハイハイ→つかまり立ち→よちよち歩き→歩くといった「走る」ことにつながっていく体験をそれぞれの時期に十分行うことが、後の「走る」ことの大事な土台となっていきます。その発達の様子を見てもらえるよう、りす組のハイハイ・つかまり立ち・よちよち歩き、うさぎ組の歩くこと・走ることからスタートします。その後は「友だちと一緒に」とか「競い合って」といった走る姿を見てもらうわけですが、「こうやって走れるようになっていくんだなあ」と先のことを想像したり、「あんな頃もあったなあ」と小さい頃を思いだしたりと、子どもの発達の道筋を楽しんでもらいたいと思っています。

 そして個人競技では、飛ぶ・転がる・またぐ・越える・渡るといった、走ること以外の運動の発達を見てもらいます。“あさり富士関”から手紙が届き、そこに書かれている「どすこいパワーアップメニュー」に挑戦しているところですが、そのメニューの内容が飛ぶ・転がる・またぐ・越える・渡るなどの運動になっています。個人差を保障するためそれぞれの運動ごとに段階が設けられていて、今できること、今挑戦しようとしていることを子どもたちが選択できるようになっています。運動会当日はそのメニューに沿って子どもたちが取り組む姿を見てもらいますが、練習の成果を披露するものではなく、その時の発達過程を紹介するものです。子どもたちがどのような選択をし、どんな姿を見せてくれるか、今から楽しみですね。クラスからの運動会のお便りも楽しみにしていてください。



2014年8月26日

眠りの3要素




「子どもの眠りの発達」について、熊本大学名誉教授・兵庫県子どもの睡眠と発達医療センターの三池輝久さんのお話を聞く機会がありました。

子どもの睡眠と発達は大きくつながっているのでは?という思いから子どもの睡眠について研究されている方で、その話の内容は興味深いモノでした。

その中にあった一番のポイントが「眠りの3要素」。仕事の関係でなかなか難しい家庭が多くなっていることは承知の上で、でも子どもの発達を考えると言わずにはいられない、という内容です。詳しいことはまたの機会で触れようと思いますが、まずはその3要素をここに載せておきます。



眠りの3要素
総睡眠時間(一日睡眠時間)が十分であればよいと言うものではない!

1.夜間基本睡眠時間(10時間)
総睡眠時間よりも夜間睡眠時間が大事

2.眠りの時間帯
夜7時から朝7時までの間に眠る

3.持続的・規則的眠り
分断されず、リズムの良い眠り

2014年8月25日

6つの提案




久しぶりに幕内秀夫先生の研修会「じょうぶな子どもを作る基本食」に参加してきました。
「子どもの食事は主食をごはんにしよう」
このことをずっと提案されています。そして少しずつ周りが動き出しています。新潟県三条市は完全米飯給食に変わりました。この変化はあちこちに影響を与え、そして完全米飯給食へと動き出した自治体が増えてきているそうです。そしていよいよ「学校給食と子どもの健康を考える会・島根支部」が発足するかも、という話まで出てきています。今後の動きが楽しみです。

その幕内先生がいつも言われている「6つの提案」の資料を久しぶりに読ませてもらいました。大事なことが書かれているので、ここにも載せておきます。「6つの提案」といいながら項目は10あります。でも大事なのは①〜⑥。7以降は⑥までできてから。①から順に見直してみることをオススメします。



子どもの食生活 6つの提案  フーズ&ヘルス研究所 幕内秀夫


食生活は家を建てることと同じです。家には土台や柱があり、ジュータンやカーテンもあります。どれもが大切ですが、予算や手間には限界があります。だとすれば、土台や柱には手間もお金もかけ、装飾品は手を抜くのが現実だと思います。土台さえじょうぶにできていれば、地震や台風で倒れることはありません。食生活もそれと同じです。以下の「提案」は、土台から順に並べてあります。6つまでが見直せたら、充分です!優先順位をまちがわないようにして参考にしてください。


①しっかり、外遊びをさせましょう
「空腹」は最大のごちそうです。しっかり遊んだ子どもは、胃袋で食べるのであっさりした食事でも満足します。遊ばないと、「目」で食べるようになり、手の込んだ料理でないと満足しなくなってしまいます。きちんと遊ばせるだけで、食事はかなり良くなります。


②子どものための食事は作らない
お子さんだけの食事を作ることはやめましょう。大人の食事では食べられない料理もあるかもしれません。それは、たいがい子どもが食べる必要のない料理です。ごはんでお腹一杯にしてあげれば充分です。子どもの喜ぶものを考えると、必ず砂糖と油脂類だらけの「お子様ランチ」に近づくだけです。


③子どもの飲み物は 水・麦茶・ほうじ茶
成長期の子どもは、代謝が激しい(水分の入れ替えが大きい)ため、水分欲求が大きいのが特徴です。したがって、飲み物の選択はもっとも大切になります。飲み物は水分を補給するものであって、熱量(カロリー)をとるものではありません。飲み物で熱量をとってしまうと、きちんと食事をしなくなってしまいます。飲み物は、熱量のない水、麦茶、ほうじ茶などにしましょう。


④朝ごはんをしっかり食べさせる
朝食は「ごはんとみそ汁」を食べさせてください。忙しい場合は、前夜のごはんとみそ汁を温め直せば充分です。副食は焼きのり、納豆、佃煮、梅干し、ふりかけなど常備食を利用しましょう。食事を作る時間、食べる時間がないときはパンも仕方ありません。食べさせないよりはいいでしょう。ただし、パンはお菓子を食べさせているようなものです。常食は好ましくありません。


⑤子どものおやつは食事
子どものおやつは、4回目の食事です。ただし、4回も食事を作るのが大変ですから簡単な食事と考えましょう。おにぎりやのり巻きなどがベスト。あるいは、うどん、そば、さつまいも、トウモロコシ、せんべいなど「穀類」、「いも類」を中心にしましょう。砂糖の入ったお菓子や油脂類の多いお菓子は極力ひかえたいものです。スナック菓子は買わないようにしたいものです。


⑥カタカナ主食は日曜日
ラーメン、パン、シリアル、パスタ、ピザ、ハンバーガー、焼きそば、お好み焼きなど「油型」の主食は週に2、3回までにしてください。カタカナ主食は副食もよくなりません。


7.副食は季節の野菜、いも類、海草類を中心に
野菜料理は、煮物、和え物、お浸しなど油の少ないものを中心にしましょう。お子さんが食べられない料理になっても気にすることはありません。親が美味しそうに食べていれば、必ず食べるようになります。

8.動物性食品は魚介類を中心にする
肉や食肉加工品、乳製品などは多くならないようにしましょう。

9.米は未精製のものを食べたい
可能であれば、米は未精製の「ご飯」を常食したいものです。一番のおすすめは5分づき米です。栄養素は充分に残っているにも関わらず、比較的白く、一般の電気炊飯器で炊くことができます。あるいは、7分づき米や胚芽米などもいいでしょう。いずれにしても、家族全員が食べられるものにしたいものです。

10.食品の安全性にも配慮する
無理のない範囲で、食品添加物、農薬、ポストハーベスト農薬などに配慮したいものです。あくまでも、9番目までを見直してから検討しましょう。



子どものおやつは4回目の「食事」

・おすすめ→ おにぎり、水、麦茶、ほうじ茶、もち、うどん、そば、さつまいも、じゃがいも、トウモロコシ

・ややおすすめ→ せんべい(塩味、しょうゆ味)、栗、甘栗、くるみ、いり豆、ぎんなん、松の実、じゃこ

・たまには→ 季節のくだもの、ドライフルーツ、緑茶

・まれにしましょう→ 和菓子(まんじゅう、団子、アメ、ガムなど)

・特別な日のお楽しみ→ 洋菓子(ケーキ、クッキー、アイスクリームなど)、せんべい(揚げ)、牛乳

・買わないようにしましよう→ スナック菓子、清涼飲料水、炭酸飲料水、乳酸菌飲料、スポーツ飲料



♥お母さんへの内緒話♥
アルコールとタバコをやらないお母さん(お父さん)は、甘いお菓子が恋人になっている場合があります。そのような方は、パン(砂糖)も大好きなことが多いでしょう。それらを食べると、ほっとしたり、幸せを感じたり、精神的に安定することもあるかもしれません。まさに、大人にとっては、家庭平和な「精神安定剤」ということができるかもしれません。大人には、そういうものも必要なのかもしれません。
子どもは本能的に、甘い物が大好きです。それは悪いことではありません。したがって、トウモロコシやさつまいもなども大好きです。ただし、お母さんの精神安定剤になっているのは、甘い物ではなく「砂糖」の入った菓子類です。子どもの好む甘い物と、お母さんの精神安定剤は別物です。そこをまちがわないようにしたいものです。お菓子を食べる際は、子どもに見つからないように、子どもが寝てからにしましょうね。


幕内先生のブログ『幕内秀夫の食生活日記

2014年8月22日

陽希さんからのハガキ(4通目)

日本百名山ひと筆書きに挑戦中の田中陽希さんから、4通目のハガキが届きました。



今回は尾瀬の写真。




Facebookをチェックしてみたら……、ありました。
陽希さんと尾瀬。
ハガキはこの日に書いてくれたようです。








もちろんすぐに子どもたちに紹介しました。みんなこのハガキをとっても楽しみにしているんです。



陽希さんのいる場所を感じられる切手や風景印、スタンプもとっても素敵です。子どもたちのために選んでくれているんだと思うと、すごく温かい気持ちにさせてもらえます。陽希さん、いつもありがとうございます!









8月6日 陽希さんからのハガキ(3通目)
7月4日 陽希さんからのハガキ

2014年8月21日

No.358 目的と方法6

前回書いたのが6月の初めだったので、2ヶ月以上も間が空いてしまいました。久しぶりに、あさり保育園の保育の目的と方法についての6番目の説明です。

6.子どもは、職員のチームによって、多様な社会とのかかわりを学習すること。

あさり保育園ではチーム保育という考え方を大事にしています。一人の保育者がずっと同じ子どもと関わるのではなく、複数の保育者がチームを組んで関わっています。保育園の生活は子ども同士の関わりだけでなく、大人と関わる中で社会に触れることも大切なところです。いろんな特性をもった人、いろんな役割を持った人で社会は成り立っています。自分の特徴を生かして社会に貢献していくあり方が成熟した社会の姿で、そのための基礎の力を培うのが保育園であるとすると、保育者がそれぞれに違ういろんな特性を発揮している姿を見せていくことには大きな意味があります。

よく例えに使うんですが、あさり保育園の保育者はみんなで歌を歌う際に様々な楽器を使います。ある人は得意のピアノで、またある人は得意のギターで、といった感じです。得意なことは人それぞれに違っているという当たり前のことや、音楽の楽しみ方も様々であることも感じてくれるはずです。チーム保育を行うことで、子どもには保育者の姿を見ながら違いを感じてもらいたいですし、保育者は一人ひとりが自分の得意なことを切り口にして保育をすることで、子どもたちに多様な体験を提案できるというわけです。保育園での多様な体験や多様な人との関わりを通して、自分は何ができるか、何が得意か、何をするのが好きかといったことを見つけてもらいたいと思います。

そして、チームで保育することで子どもの見方が多様になるメリットもあります。例えばこんな話があります。子どもを見る時、ある人は「この子は丸い形をしている」と言い、別の人は「この子は四角い形をしている」と言いました。さてこの子はどんな形をしているでしょうか?これは、子どもの形は円柱だったという話なのですが、どちらの見方が正しくて、どちらが間違っているということではなく、上から見た人の「丸い」という意見と、横から見た人の「四角い」という意見の両方があったからこそ、円柱であることに気づくことができたわけです。一人の子どもに対して様々な見方をしていくことで、その子を立体的に見ていくことができます。「この子にはこんなところがあるよ」「いや、こんな面もあったよ」と子どもの姿を共有し一人ひとりを丁寧に見て保育を行っていくことが、私たちがチーム保育を行っている大事な目的でもあります。

2014年8月11日

曖昧さ




子どもの持っている「曖昧さ」について考えています。

これは決してマイナスの意味ではなく、白でもなく黒でもない、単にグレーなものという意味です。そもそも日本はどっちともつかないグレーな文化を大切にしてきたように思います。白黒はっきりつけるのは欧米の文化が入ってきてからではないかと(根拠はないですが)。ケンカをしたとき、どちらが悪いかをはっきりさせて「ごめんなさい」を言わせるのが大人の考えるケンカのおさめ方ですが、子どもを見ていると互いに話をしている内に笑顔になって、そのうち一緒にどこかへ遊びにいってしまうという、何だかよく分からない仲直りの仕方をよく見かけます。「それでいいの?」と思ってしまいますが、おそらくそこには子どもにはわかる何か、つまり「曖昧さ」があるように思えるのです。その「曖昧さ」こそ日本の伝統的な文化の底辺にあったとしたら、また「曖昧さ」こそ子どもの世界の大事に要素であるとしたら、あらためて見直してみる必要があるかなあと。

そんなことを思いながら「曖昧さ」について考えていたら、おもしろい言葉に出会いました。子どものもつ「曖昧さ」ってこういう風にも言えるのかもしれません。河合隼雄さんが児童文学について書かれた本『「子どもの目」からの発想』の中の言葉です。この言葉についてもじっくりと考えることにします。



『現実は極めて多層であるのに、ともすると、われわれはそれを極めて単層的な構造に押しこめてしまって、それが現実そのものであると錯覚して暮らしている。大人たちは自分たちの「常識」を何ら疑うことなく、単層性の現実を唯一のものと信じている。しかし、子どもたちはもっと柔軟な心をもっている。彼らは一方では大人たちの「教育」に従おうと努力しつつ、一方ではそれをはねのけて、大人たちの知らない現実を露呈せしめるのである。』


『子どもの目は大人の目のように常識によって曇らされていないので、現実の多層性を見ぬく力をもっているのだ。そこ児童文学の存在意義がある。』

2014年8月8日

No.357 明日は川に遊びに来る?




金曜日に行われている「もくもくの日」。浅利町のあちこちに出かけて一日過ごしていますが、その活動が地域の方に少しずつ認知されてきて、いろんな形で力を貸してもらえることが増えてきました。例えば、木曜日の夕方になると「明日は川に遊びに来る?来るなら川を掃除しとくけど。」と舟津川の近くに住んでおられる方からよく電話がかかってきて、金曜日に行ってみるときれいで遊びやすい川になっていたりします。また、その舟津川を通って海へ抜けることができないものかと別の方に相談したところ、海へ近づくにつれて川が深くなるので無理と言われました。しかし次の日には「無理だと伝えた後に見に行ってみたんだけど、水が少ないときには問題なく海まで行けることが分かった。」と教えてくれました。わざわざ調べに行ってくれたようです。また、夏になって山に行くことは少なくなりましたが、よく使わせてもらっている山の遊び場の草刈りなどをしてくださっている方もいます。

それ以外にも「イヌビワがそろそろ食べ頃になってるから遊びにいくときに取りにいったら?」といった情報も届きます。ナツメ、ヒメリンゴ、アンズなども連絡をもらって取りに行かせてもらっています。また少し違ったものとして、「○○くん(園児)の絵が賞をもらってたよ」といった情報を教えてくれる電話もかかってきました。「保育園にお孫さんとかはいない人だけど、夏祭りに来てみたら?と声をかけておいたから」といった話もありました。もくもくの日の活動に対してのことが多くはありますが、保育園のことに関心を持ってもらえていることを感じます。

これからの保育園は地域にとって欠かすことのできない存在にならなければいけません。地域の方がいろんな形で保育園の活動に関わってくれ、そして関わることを自分たちの役割と感じてもらえるところまで進めていく必要があると思っています。そのためにも地域に開いていく姿勢を崩してはいけませんし、情報発信はますます重要になってくると考えています。その情報も単なる行事のお知らせで終わってしまうのではなく、「あさり保育園は保育をしている」とか、「こんなことを教えてほしい」「この部分で力を貸してもらえる人を探している」といった具体的なお願いなんかも必要なんだろうと思っています。ゲストではなく、スタッフとして関わってもらいたい、という思いです。

保護者のみなさんにも、得意な分野で、または仕事の知識や技術などを生かして、できるところで力を貸してもらいたいと思っています。保育園をという場を通してたくさんの大人が子どもたちと関わっていく形を一緒に作っていきましょう。

2014年8月6日

陽希さんからのハガキ(3通目)




日本百名山ひと筆書きに挑戦中の田中陽希さんから、3通目のハガキが届きました。今回は群馬県から。消印を見ると8月1日となっていて、この日は体調を崩して休養されていたはずです。そんな中「笑って、泣いて、さけんで、毎日を楽しんで〜」と子どもたちへのメッセージを書いてもらったことを思うと、感謝の気持ちでいっぱいになります。





あさり保育園でできるのは、陽希さんの挑戦を子どもたちにも分かる形で示していくこと、そしてそれを共に楽しむことです。残りの30座もみんなでしっかりと応援させてもらいます。







7月4日 陽希さんからのハガキ

2014年8月3日

第1回園庭工事

保護者に手伝ってもらい、園庭工事を行いました。内容は、一本橋を新たにつくること、埋めてある丸太を別の場所に移動すること、ウッドデッキや小屋の塗装をすること。

こういう作業の得意な方々だったので、一本橋は計画よりもしっかりとしたものが出来上がりました。ウッドデッキや小屋の塗装もとてもきれいに仕上げてもらいました。こうやって保護者のみなさんに協力してもらえるのはありがたいことです。









今まではみなさんの力をお借りするのは申し訳ないと思って遠慮していました。でも私たちだけでは実現しにくいことがあるのも事実です。ここをこんな風にできたら子どもたちの遊びがもっと広がるのに…と思うことを形にできずに終わってしまうとしたら、その方が申し訳ないことだよなあと、最近は思うようになりました。

そんなわけで、今後はあまり遠慮をせずに、助けてほしい、力を貸してほしいとお願いすることにします。第2回、第3回も密かに計画中なので、都合のつく方はご協力をお願いします。

2014年8月1日

No.356 服装やあいさつのこと

まだ整理できている話ではないのでややこしいですが、じっくりと考えていきたいと思うことについて書いてみます。服装やあいさつのことについて。

あさり保育園では、保育者の服装について、例えば「ジャージでないといけない」とか「エプロンをつけないといけない」などと具体的に決めているものはありません。あるとすれば、例えば「子どもの鼻水とかをすぐに拭いてあげるためのティッシュなどを入れておけること」「嘔吐物がかかったりした際にすぐに着替えられること」といったことです。それができるのであれば、どんなに高価なドレス(表現が古いかも)とかでも構いません。また、プール遊びの際は保育者も一緒に入るのですが、その時の服装も水着着用と決めているわけではありません。ただ「子どもが水をかけてきたときに、楽しさを共有するためにすぐに水をかけ返せること」「子どもが溺れたときにはすぐに水に飛び込んで助けることができること」といった条件を満たせるものでなければいけません。それらが問題なくできるのであれば、スーツでも構わないわけです。

以上のことでわかってもらえると思いますが、具体的に○○でないといけないと決められたことに従うのではなく、その場面で大事なことは何かを考え、その上で自分はどんな服装をすべきかを決めてもらえばいいと考えています。これは保育者に限ったことではなく、子どもたちに対しても同じ思いでいます。例えばあいさつについて。あいさつは大事なのですが、例えば登園してきたときに「おはようございます!」ときちんとした姿勢で元気に大きな声で、といった形を求めるのではなく、「登園した喜びを表現できること」を求めたいと考えています。言葉の話せない子であれば「あー」とか「うー」でもいいですし、ニコッと笑顔を見せてくれるだけでも構いません。恥ずかしがり屋の子であれば保護者の後ろに隠れてしまったり下を向いてしまったりするかもしれませんが、それも表現だと思っています。大事なのは「登園してきたことを喜び、それを自分の方法で表現する」ことです。

形も大事なのは承知しています。でも形だけを強制されてできるようになっても、強制されない場面ではあいさつができないのであれば意味はありません。朝保育園にやって来て友だちや保育者を見て、今日は何をして遊ぼうかといった期待から沸き上がってくる感情を、その子なりに表現してくれるようになればいいなあと思っています。そのためにも、明日への期待を持って帰れるようにすることや、登園した喜びを表現してくれた子の気持ちを受け止めることなども大事なんですよね。