2011年12月31日

ありがとうございました

今年最後の日になりました。
今年もいろんな人に力を貸してもらいながらやってこれた1年でした。
多分来年はもっといろんな人に助けてもらうことになるでしょうね。
決して楽をしようと考えているわけではなく、
保育というものがそうやって成り立つものだと思うからです。
世の中の仕組みも同じで
他者と助け合いながら進んでいくシステムなんでしょう。

さて、
来年もあさり保育所ではいろんな取り組みを行っていきます。
実現できるかどうかは今の段階ではまだわかりませんが、
水を使った遊び場とか、石の遊び場とか、
cafeとか、情報収集&発信の場作りとか、
とにかくいろんな場づくりを考えています。
子どもたちが関わり合う場はもちろん、
保護者や地域の方、それ以外のいろんな立場の人が
関わることのできる場です。
子どもたちにとっての大事な社会として、
もっと多くの人が自発的に関わることのできる場になるように、
思い描いているものを少しずつ形にしていきます。

というわけで、
来年もいろいろと変化し続けることになると思います。
子どもたち一人ひとりが確実に力をつけていく
そのために必要なことは迷わず実行していきます。
それを“関わる人全て”と楽しむことができればいいなあ。

今年1年、ありがとうございました。

2011年12月23日

子どもの食事のあり方③

おむすび通信に食事に対しての思いを書かせてもらっている3回目の文章、これが最後です。ほんとにくどくどとわかりにくい文章だなあと思いますが、どうやらこれが限界のようです。今回も修正が入ると思いますが、せっかくなのでここに全文を。


保育所の仕事に関わるようになって不思議に思っていることの1つに、子どもたちが集団で食事をとることの意味についてあまり語られないことがあります。保育所の食事について、栄養指導、料理活動、栽培活動などが取り上げられることは多いのですが、どんな環境で誰と食べるかについては意外と少なかったりします。「子どもの食事のあり方」ということで書かせてもらっていますが、そのことについて考えるとき、やはりどんな環境で誰と食べるかについても大事にしたいと思っています。

人間は昔から集団で食物を分け合いながら食べていました。もちろん旅先とか単身で生活している場合は1人で食べるケースもありますが、他者とともに食事をとる「共食」というスタイルが基本です。まず他者がいること、つまり自分とは違う嗜好の人の食事の様子も見ながら食べること、そして楽しく食べること、嫌々食べるのではなく会話を交わしながら食べたり、気の合う友だちと一緒に食べるといったことは、食を考えるうえで大事にしたいことです。

保育所にはいろんな発達段階の子どもがいます。そのいろんな発達段階の子どもが様々にかかわり合いながら食事をしています。0歳児が保育者に食べさせてもらっているところを5歳児がじーっと見ていたり、0,1歳児同士でもスプーンで上手に食べることができるようになった子を見ながら自分もスプーンで食べることに挑戦してみたり、5歳児が食べる様子を見ながら2歳児が食事のルールを覚えていったり、自分の苦手なものを美味しそうに食べる子の様子を見て食べてみようという気持ちが起こったり。子どもたちは食事において「他者を見る」という関わりから様々なことを学びます。そして食事のルールだけでなく、他者理解や社会的ルールを学ぶ機会があふれていると思っています。特に食の基本が形成される乳児期に、いろんな発達過程が見える関係の中で食事をすることによって、食の自立、スプーンなどの道具の使用の発達、社会認知的発達においてとても重要だと考えています。

また、言うまでもないですが、現在問題視されている好きな時間に一人で食べる「孤食」、一緒にいてもみんな別々のものを食べる「個食」、決まったものしか食べない「固食」というようなことは、集団で食事をとる性格上、よほどのことがなければありません。これもすごく重要な点だと思っています。

子どもたちが保育所でとる食事は1日3食のうちの1食です。「その1食の食事がどうあるべきかを考えることも大事だけど、家庭で食べる2/3の方がはるかに大事なんじゃないか?」という意見を聞くことがあります。確かに食べる回数を考えても、ましてや家族と食べる意味を考えても、そこを軽視することはできません。でも、例え1日のうちの1/3であっても、そこには私たちの思いを目一杯込めることができます。もちろん食事については家族の方と一緒に考えたいことですが、保育所で食事をとることの良さを十分に考え、その良さをしっかりと生かせるようにしたいと思っています。

幕内先生と出会えたことで、子どもの食事において何を軸にすべきかを考えるきっかけをいただきました。ごはんを中心とした食事を大事にし、保育所ならではの環境を生かしながら、子どもたちを支えていきたいと思います。

2011年12月22日

No.225 2011年の終わりに

来週になるとお休みに入られる方が増えると思いますので、今年のひとりごとは今週で最後にします。毎年のことですが、年末になるとなんとなく1年を振り返ってみたくなります。そんなことを勝手に考えてしまう時期があることはいいことだなあとあらためて思います。

今年はいろんなことがありました。今までなんとなくしか考えてこなかったことを、真剣に見つめ直す年でした。例えば震災を機に「つながり」の大切さについて考え、一つのテーマとしていろんな活動を行ってきたわけですが、これがどのように子どもたちの中に消化されたのかは、正直わかりません。「子どもたちが何を得たかはちゃんとわかってます!」と言った方がいいのかもしれませんが、そんな簡単にわかってしまうものじゃあないだろうというのが本音です。ただ、「つながり」について考え、「つながり」について話し、「つながり」に触れる1年であったことは、そんな1年であったことは意味があったと「信じて」います。もちろんこれで終わりではありません。人にとって「つながる」とか「むすぶ」といったことがどれだけ大事なことか、あさり保育所の生活の中にそれを自然と感じられる場を当たり前のように取り入れていきたいと思っています。

そして、何度も何度も書いていますが、夏には「もくもくの日」がスタートしました。今までとは少し違う形で浅利町の自然の中に身を置き、その中で子どもたちの力をどう引き出すかを考えるいいきっかけになった活動です。保育所内ではなかなか見ることのできない子ども同士の関わりが生まれています。この活動はまだ始まったばかり。保育者は「子どもたちにとって少しでも学びの多い活動にするためにはどうすればいいか?」話し合いを続けています。子どもたちの学びがもっと深くなる活動になっていくだろうと思います。この活動に関心をもち、意義を理解し、協力していただいていることに感謝します。

それ以外にも新しい課題がたくさん生まれています。先週も書いた「文字・数・科学」について。「0歳から始まる子ども同士の関わり」について。そんなことがテーマとして出てきています。テーマとして掲げているだけでなく、少しずつでも保護者のみなさんと共有できるようにしていきます。そんなことで今年は最後にしておきます。来年もよろしくお願いします。

2011年12月21日

「食ってすごい力を持ってるんやと思う」

こんなことも全部ひっくるめて食。
栄養だけじゃない。


「食ってすごい力を持ってるんやと思う」




よしととひうた

今日のお昼のできごと。
益田でライブを終えたよしととひうたが遊びに来てくれました。
突然の訪問だったのでみんな大喜びです。














なんと新しくできた絵本「あらいけのしょくたく」をプレゼントしてくれました。


















ザンパンダーが登場する、あのお話です。


















素敵なポストカードもいただきました。



















11月に放送された「キズナのチカラ」という番組で
取り上げられたよしととひうた。
放送後は全国各地からたくさんの講演依頼が来ているらしいです。
また来年もよしととひうたのライブを計画しようかな。






2011年12月18日

父の想い

2006年度の公共広告機構の作品。
久しぶりに見ました。
久しぶりだったけど、いろいろ考えさせられますね。

父親はいるが、お父さんはいない時代と言われている。
私たちは、父親からお父さんに戻れと訴える。
父親になると、なぜ話をしなくなるのだろうか。
最初からそうだったわけではない。
この世に生まれておいでと、
10か月間心の中で子供に話しかけながら待ったのがお父さんだ。
子供の最初の一言を待った。最初の一歩を待った。
そのお父さんが、いつからか話をしなくなった。
子供には、無口な父親より対話をしてくれるお父さんが必要だ。
私たちは言う。
子供があなたの言葉を待っていると。あなたの一言を。



くにびきマラソン

来年の2月11日、出雲で行われるくにびきマラソンにエントリーしました。
出場者は園長とB保育士、そしてさくら保育所のM保育士です。
種目はハーフマラソン、それぞれの目標タイムは
園長:1時間50分
B保育士:1時間54分
M保育士:1時間55分

どんな結果になるか、お楽しみに。

2011年12月16日

No.224 数や文字について

以前から少し書いていることですが、数とか文字についてあらためて整理してみようと考えています。数とか文字というと、どうしても就学前教育とか早期教育と捉えてしまいがちなのですが、そうではなくて、乳幼児がどのように数を習得しているかとか、それぞれの発達の過程においてどのようなモデル(生活の中で数を使っているモデル)が必要なのかとか、そのためにどんな環境を用意すればよいかといったことを考えていきたいわけです。

何故こんなことを考えているかというと、これも以前書いたことですが、例えば子どもたちは散歩の中で「この葉っぱ赤くなってる!」「こっちにもっと大きな松ぼっくりがあるよ」「こっちの木の方がたくさん実がついてるよ」「黄色い葉っぱは上が二つに分かれているけど、赤い葉っぱはいっぱい分かれていて、手みたいだ!」など、楽しそうに会話をしながら歩いています。子どもたちは、色や形の違いを知り、多い少ない、切れ込みの数を知っていきます。この会話の中には、色、形、数などが当然含まれています。

世界で最初に幼稚園を創ったフレーベルという人は「子どもは自分で感じたことや内面的なものを、外に表現しようとする力をもっている」と言っています。子どもたちは見たことや感じたことを自由に表現したいという欲求をもっているというわけです。では自由に表現するためには何が必要かというと、まずは遊びの中で興味をもったものを正しく理解することです。身のまわりのものの色や形に興味を持ち、それらの違いがあることに気づくことが大切になってきます。それと同じように、数や文字にも興味を持ち、違いに気づく大切です。そして色・形・数・文字などを理解できるようになることで、分けたり集めたりと、それを生かした体験ができるようになります。そうやって生活の中で様々に生かされていくというわけなんですね。そしてそれが結果的にその先の「さんすう」や「こくご」に結びついていくのです。

色や形だとそうは思わないけど、数や文字となるとどうも私たちは早期教育と思ってしまいがちです。でもそうではなく、遊びの中で葉っぱの形の違いを知っていくように、また、町の中やテレビ、様々な情報から文字の違いを知っていくように、子どもにとって数や文字は生活の中の一部だということです。と、ここまで書いていて本当にややこしくてわかりにくい話だとつくづく思いますが、とにかくじっくり整理していこうと思います。

2011年12月8日

No.223 楽しいと感じること、楽しむこと

お知らせしていたように、6日(火)には50名近くの方があさり保育所を見学に来られました。お集まりの様子や遊びの様子、そして食事の様子など、子どもたちが活動している姿をじっくりと見ていただきました。見学者からは「子どもたちが生き生きと活動している」「子ども同士が関わりながら楽しそうに積極的に活動している」といった、うれしい言葉をたくさん聞かせてもらいました。そして、手前味噌ではありますが、「保育者がとても楽しそうに保育をしている」という言葉もいただきました。前回も書きましたが、この楽しさは意欲的な活動の原点でもありますし、子どもたちが保育所で楽しく生活するためには、子どもたちに関わる保育者も楽しく保育を行うべきだと思っているので、この言葉もうれしかったですね。

保護者講演会に来られた藤森平司氏はよくこんなことを言われます。
『子どもたちは日常の園での生活と遊びのなかから自ら発達していくもので、大人が「させよう」「教え込もう」ということからは発達というものはしていかないのです。また、自ら発達していくためには、生活や遊びに対して興味・関心を持ち、自ら働きかけていかなければ始まりません。子どもたちが興味・関心を持つのは、もちろんそのことが楽しいからです。楽しいと感じるからこそそのことに取り組もうとしますし、いろいろな働きかけをしようとするのです。』

私たちが最も大切にしなければいけないことは、子ども一人ひとりの発達をきちんと保障することです。そのためには子どもたちが「楽しい」と感じられる活動や環境を用意する必要があります。子どもが様々なものに楽しさを感じて自発的に環境に働きかけることができるように、保育者は楽しみながら保育の活動や環境を考える。そしてそれだけではなく、保護者の皆さんも子どもの成長を感じながら楽しく子育てをしていく。そんな風に、子どもと子どもを取り巻く大人が楽しさを感じることができればいいなあというのが私の思いです。

保育には絶対の正解なんてありません。いろんな取り組みを考えては実践し、そして子どもの姿を見て改善する。その繰り返しだと思っています。なので、今後もいろいろ新しい取り組みが登場すると思います。どんな保育が展開されていくか、楽しみにしておいてください。

2011年12月2日

No.222 笑顔ってやっぱりいいなあ

発表会が終わりました。それぞれの子がそれぞれの場面で自分を表現している姿を見ていて、「この場でこんなことも披露できるようになったんだ」とか「友だちとこんなやりとりもできるようになってすごい!」といった、うれしい発見もたくさんありました。発表会のことを全部挙げるわけにはいかないので、ここでは最後の3,4,5歳児の歌のことについて書いてみます。

「手のひらを太陽に」「こどもがいっぱいわらってる」の2曲を歌ったわけですが、特に印象に残ったのは後者の歌です。「ワッハッハ イッヒッヒ エッヘッヘホ」と大きな声で笑いを表現する歌なんですが、みんながみんな違った笑顔を見せてくれていたんですよね。歌に合わせて笑っているのか本当に笑ってるのかわからないくらい楽しそうな笑顔を見せてくれていた子。歌っているうちに楽しくなったのか、隣の子と笑い合っていた子。周りにいる友だちの表情を、笑顔のままでぐるーっと見まわしていた子。様々な笑顔がありました。そんな子どもたちの様子を見ていて、ありきたりの感想ではあるけど、笑顔ってやっぱりいいなあと思わされました。

どんな時でも笑顔でいた方がいい、なんて言うつもりはありません。怒ったり悲しんだりといった感情も当然大事で、それを表現するいろんな表情もそれぞれに大事です。でも、やっぱり笑顔はいいと思うんですよね。皆さんも同じ思いだったんじゃないかなあと思っています。笑うことや楽しむこと、そうしたことを控えるべきではないかという空気が何となく漂っていた時期を経験したからこそ、余計に大事にしたいと今強く感じています。子どもたちだけでなく私たちも、目の前のことに精一杯取り組むとき、原動力になるのは笑顔だったり楽しさだったりします。一人ひとりが笑顔や楽しさを大事にして目の前のことに取り組むことが、結果的に大きなつながりになっていくんじゃないでしょうか。そんなことを考えながら、子どもたちの歌を聞かせてもらいました。

話は変わって、火曜日には保護者のTさんが畑でとれた野菜だけで美味しいスープを作ってくれました。いろんな職業があり、いろんな特技をもった人がいることを子どもたちに感じてもらう活動でもあります。子どもたちに仕事や特技を見せてくれる方、まだまだ募集しています。例えばコマとかけん玉などの伝統的な遊びが得意な方とか…。子どもたちと一緒に楽しんでみませんか?