2016年1月29日

No.430 移行の時期

あっという間に1月も終わろうとしています。保育園の今年度の行事もあと少しとなり、年長児の卒園と新年度のことを考える時間が増えてきました。もう少しすると各クラスの移行が始まります。大きな変化としては、ぞう組がぱんだ組の部屋へ移り、単独の活動が増えることになります。それに伴ってぱんだ組がきりん組・くま組と生活することになり、来年度からの活動に向けて緩やかに移っていきます。

こうした移行には“次の活動に慣れる”という意味もありますが、大事にしたいことは“次の活動への期待感を高める”ことです。例えばぱんだ組については、新しい生活の流れを覚えていくことももちろん大切です。でも「このゾーンではこんな遊びができるんだ!」「きりん組やくま組の友だちのようにこんなことができるようになりたい!」と期待感を持てることがより大切で、そこにつながる移行を心がけたいと思っています。

そしてぞう組についてですが、新たな取り組みも考えています。毎年2月に行っている江津東小学校の5年生との交流の場で、年長児が「小学校について聞きたいこと」を質問して5年生に答えてもらうことを計画しています。これは園内研修の講師として来てもらったことのある中川綾さんが書かれた本みんなのきょうしつに書かれていたことで、なるほど!と思って真似させてもらうことにしました。質問は事前に送っておいて5年生にはじっくりと考えてもらうつもりです。小学校入学が近づいてきたことで感じていることを質問し、それに対して小学校生活を体験中の5年生から話してもらうことは、小学校との距離を縮めることにもつながるでしょうし、期待感を持つきっかけにもなると思います(逆の立場の5年生にとってもこの取り組みはいい経験になると思っています)。ぞう組の数名に「5年生に聞きたいことはある?」と質問すると、「小学校では何をして遊んでいるのか?」「箸の持ち方が上手じゃないけどどうしたらいいか?」ということを聞きたいと返ってきました。時間をかけて話を聞けばもっと本質な質問も出てくると思います。さてこの取り組みから子どもたちはどんなことを感じるでしょうか?交流後にはその内容を報告しようと思いますが、園内での移行だけでなく、移行の意味を幅広く捉えるとまだまだできることはありそうです。

最後に1つお知らせを。1月1日に「日本2百名山ひと筆書き」を無事踏破された田中陽希さんの挑戦の様子が、NHK BSプレミアムで放送されます。番組名は「グレートトラバース2」、放送は1月30日(土)午後9時からの予定です。昨年12月6日にあさり保育園へ来てくれたときの様子も放送されるという情報もありますので、お楽しみに。

2016年1月22日

No.429 雪が降りました

ようやく冬らしい天気になってきましたね。突然の雪+かなりの寒さになりましたが、子どもたちは待ってましたと言わんばかりに元気に園庭へ飛び出し、冬を楽しんでくれたようです。そのときのことを「上手くいかなかったこと」も含めて少し紹介します。



雪の楽しさをしっかりと感じながら楽しんでいた子どもたちの様子を見ていて、「子どもたちにもっと冬の不思議さを感じさせてあげたい!」と保育者たちは考えました。そこで帰りの会の中で「瓶に入れた水や濡れた雑巾を外に出しておいたらどうなるだろう?」と投げかけ、実験してみることにしました。もちろん水が冷やされると氷になることを知っている子はいます。でも分かっていることでも実際に体験するは大切です。知らない子は「こうなるのか!」という驚きがあるでしょうし、知っていた子でも凍った雑巾の固さとか氷のふくれ具合の言葉では言い表しにくい状態を再確認したり、自分の知っていたこととのちょっとした違いに気づくこともあると思います。こうした実体験を大切にしていきたいと考えているので、次の日の朝に子どもたちがどんな体験をすることになるかワクワクしていました。でも残念ながら気温が上がってしまい、何も凍ることなく終わりとなりました。変化を見せられなかったのは残念でしたが、天気予報に注意しながらチャンスがあれば再度挑戦してみたいと思います。





雪のキャンドル作っていた子もいました。以前田中陽希さんに2百名山ひと筆書き踏破のお祝いとして「山型キャンドル」を作って送ったんですが、その時の工程を真似して雪でキャンドルを作ったようです。過去の体験を思い浮かべながら違う素材でも再現してみようとするのはさすがだなあと思います。雪が降らなかったらこうした再現遊びは起きていなかったかもしれません。雪に好奇心を持って雪を使って遊びだしたことから製作意欲が湧いてきて、過去の体験を活用しながら…とつながっていったことが想像されます。様々な体験をしてもらいたい、意欲的に活動してもらいたいと思う時、まずそこに好奇心の芽が育っていることが必要だと再確認することができました。残念ながら雪はなくなってしまいましたが、まだ降ることはあると思います。その時は今回上手くいかなかったことの反省は活かしたいですし、日々の活動においてもこの日の気づきは活かしていきたいと思っています。

2016年1月21日

大寒

二十四節気

大寒…一年の内で最も寒い。
大寒(だいかん)とは一年で一番寒さが厳しくなる頃。「三寒四温」という言葉のように、寒い日が三日続くと、その後の四日は暖かくなり、寒い中にも少しだけ春の気配を感じられます。

七十二候

2016/01/21
初候 款冬華(ふきのはなさく)
凍てついた地面に蕗の花が咲き始める頃。地面には雪が積もり、強い寒さが襲ってくる時期ですが、草花は春に向けて着実に動き出しています。

2016/01/25
次候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
沢の水が氷となり、厚く張りつめる頃。この時期に、一年での最低気温の記録がでることが多く、氷点下に達する地域も多くみられます。

2016/01/30
末候 鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
鶏が春の気を感じ、たまごを産み始める頃。自然な状態の鶏は、日照時間が長くなるにつれ、産卵率が上がっていくため、春から夏にかけてたくさん卵を産みます。

「暦生活」より

2016年1月15日

手でも味わう

先日保育園で味噌開きが行われました。
4月に仕込み、途中経過も楽しみながら大事に大事に育ててきたみんなの味噌。
その完成を味噌尽くしで楽しもうというイベントです。

味噌の味くらべ、田楽味噌を作ってのふろふき大根、そして味噌汁クッキング。
味噌っていろんな味わい方があるんだなあと、改めて感じました。

その時の様子を見ていて思ったこと。
味噌を味わう時に指にちょっとつけてペロッと舐めるんですが、その時の子どもたちはほんとに嬉しそうな表情を見せてくれます。
自分たちが作った味噌を味わっているという嬉しさもあると思いますが、指につけて舐めるという行為の楽しさも感じていたと思います。

インドを訪れた時にカレーを手で食べた経験がありますが、スプーンを使って食べるのとは違って何とも言えない心地よさ、美味しさがありました。
食は五感を使って味わうものとどこかで聞いたことがありますが、あれは本当だと思います。
舌だけでなく手の感触とともに味わうことは、あまり行儀のいい食べ方ではありませんが、子どもたちにはしっかり体験させたいことでもあります。

目、鼻、耳、口、手の感触と五感全てを使って食を楽しむ。
そんな体験も大事にしていきたいと思った味噌開きのイベントでした。

No.428 無理をしない子どもの食事

来月のことですが、子育てサポートセンターで食育講座が開かれます。そこで私とT調理師であさり保育園の食事や、食に対する考え方などを紹介してくることになっています。どのようなことを伝えるか、細かなことはまだ決まっていないのですが、テーマだけは決まりました。『無理をしない子どもの食事』です。保育園では子どもの食について様々なことを考え、毎日の食事を作っています。栄養面では定められた栄養が摂取できるよう細かく考え、そのチェックも受けていますし、その上でどんな食材を使いどんな料理にするか、それをどう工夫して子どもたちの前に届けるかといったことを、丁寧に考え試行錯誤を繰り返してくれています。

でもそうしたことを家庭でも行おうとすると、それはもう大変だと思います。仕事をしているとどうしても時間に追われることが多くなります。その中で毎日の子どもの食事も完璧にしようとすると、かなり難易度は高くなるはずです。できるのであればできた方がいいのは間違いありません。でもそのことで疲れ果ててしまうのであれば、「無理をしない」方法を見つけ、それを続けていける方がいいと考えています。その「無理をしない」考え方を少しでも紹介できればというのが私の思いです。

では「無理をしない」ためにはどうすればいいか。このことはあさり保育園の献立指導をしてくださった管理栄養士の幕内秀夫さんから教わったことで、とにかく優先度の高いことを大事にしていく、手を抜くときは優先順位を間違えないというものです。そのことを幕内さんは次のように説明されています。

『食生活は家を建てることと同じです。家には土台や柱があり、ジュータンやカーテンもあります。どれもが大切ですが、予算や手間には限界があります。だとすれば、土台や柱には手間もお金もかけ、装飾品は手を抜くのが現実だと思います。土台さえじょうぶにできていれば、地震や台風で倒れることはありません。食生活もそれと同じです。』

この後に優先度の高いものから順に10の提案が続くわけですが、なんとそのⅠ番目は『しっかり外遊びをさせましょう』です。空腹は最大のごちそうというわけです。これだけで肩の力がちょっと抜けませんか?何をどんな風に食べさせようかを考える前に、ちょっと視野を広げてしっかり遊んでお腹をすかせることを考えてみる。この「ちょっと視野を広げてみる」ことが、無理をしないためには大切なことだと思っています。こんな感じのことを紹介したいと思い、講座の準備をしているところです。書きながら思ったんですが、保護者講演会で幕内秀夫さんをお呼びするのもいいかもしれませんね。

2016年1月8日

No.427 体験する

2016年がスタートしました。年が明けた頃には冬らしい気候になっているだろうと想像していたんですが、「これぞ冬!」といった感じの天気にはなかなかなってくれません。今冬がたまたま暖冬なだけかもしれませんが、もしかすると私たちが子どもの頃に体験していた冬の遊びを体験することが段々と難しくなってくるのかもしれません。実際に見て体験して感じたことから得たものがその人の感覚を作っていくので、子どもたちは私たちとは少し違った冬のイメージを作り上げていたりするんでしょうね。

さて、せっかく新年最初の文章なので「今年はこんなことを大事にしていきますよ」という思いを書いておきます。今年特に大事にしたいのは『体験する』ことです。わざわざ書くようなことでも、そして今まで大事にしていなかったわけでもないのですが、それでもやはり大切さを確認しておこうと思いました。上にも書きましたが、実際に体験して感じたこと、分かったことが自分の感覚や知識となっていきます。例えば知識については、今はインターネット上にたくさんの情報が散らばっていて、知らないことでも調べれば5分くらいである程度の知識を集めることができる時代です。ネット上の情報を上手く使いこなす力はこれからますます重要になってくるでしょうが、実際に見たり体験したり感じたりする過程で掴むことのできる知識が不要になるわけではありません。特に乳幼児期はこの「実際の体験」が非常に重要です。

今は便利なものがたくさんあります。例えば掃除をする場合、掃除機どころか勝手に掃除をしておいてくれるものまであります。あれはあれで技術の進歩を感じることのできるすごいものですが、ほうきやちりとり、雑巾などを使った掃除にはちゃんと意味があり、掃除の過程で道具の使い方だけでなく身体の使い方、きれいになっていく理屈なんかも学ぶことができます。そして火を使う場合、ライターで簡単に火はつきますし、コンロなどはスイッチ1つで便利に使えます。反対にマッチで薪に火をつけるのはかなり大変な作業です。でもその作業の過程には火の不思議さがたくさん詰まっていますし、怖さと便利さをきちんと学ぶことができます。そしてこうした具体的な体験は小学校以降の学習にちゃんとつながっていきます。

というわけで『体験する』ことを大事にしていくわけですが、これは子どもたちだけではありません。私たち保育者も実際に見たり聞いたりという体験に力を入れていこうと考えています。私たちも子どもたちと共に成長していくために、体験から学び、それを保育に活かしていく1年にしたいと思います。今年もよろしくお願いします。

2016年1月6日

小寒

二十四節気

小寒…寒さが本格的になる。
小寒(しょうかん)とは「寒の入り」と言われ、これから更に寒さが厳しくなる頃。小寒から節分までの30日間のことを「寒の内」といいます。寒が明けると立春になります。

七十二候

2016/01/06
初候 芹乃栄(せりすなわちさかう)
芹が生え始める頃。芹は春の七草のひとつで、冷たい水辺で育ちます。一箇所から競り合って生えていることから、芹(セリ)という名前になりました。

2016/01/11
次候 水泉動(しみずあたたかをふくむ)
地中で凍った泉の水が溶け、動き始める頃。まだまだ空気は冷たく、寒い時期ですが、春に向けて少しずつ動き出しています。

2016/01/16
末候 雉始雊(きじはじめてなく)
雉が鳴き始める頃。雄が雌への求愛のしるしとして「ケーンケーン」と甲高い声で鳴きます。足の裏で震動を敏感に察知することができ、数秒早く地震を知らせることができます。

「暦生活」より

2016年1月2日

日本2百名山ひと筆書き踏破!

日本2百名山ひと筆書きを無事踏破された陽希さんのもとに、子どもたちと作った山型キャンドルが無事届いたようです。
届けてくださった事務局のみなさん、ありがとうございました!

さぁ~日本2百名山ひと筆書き最後の撮影です!先ほど2時間話とおしでしたが、無事に終わりました~♪これにて、クランクアップです✌これから、東京まで車で帰りま~す!

Posted by Great Traverse - 田中陽希 プロジェクト on 2016年1月1日


届けたのはこんなキャンドルです。