2013年1月31日

No.280 おもちゃの話

今回はおもちゃの話を。これは私自身が感じていることでもありますが、子どもにどんなおもちゃを買ってあげたらいいかって、結構難しいことですよね。子どもが小さいうちは、何に興味があるかを行動から予想するしかありません。しかも成長が早く、興味のある対象も変わりやすいので、長く使ってくれる可能性も少ないです。兄弟がいれば上の子が使っていたおもちゃが再登場することもありますが、興味のあるものが違っていたらどうにもなりません。かといってあれもこれも用意してあげることも難しいのが現実だと思います。

子どもがおもしろそう!と思うおもちゃは、ほとんどの場合が自分の発達段階に合ったものです。簡単すぎたらおもしろくないし、難しすぎるものも興味をもてません。遊びを通して成長していくことを考えると、その時その時に合ったおもちゃを用意してあげたいと思うのですが、なかなかそうはいかないものです。では保育園ではどう考えているかというと、たくさんの子どもがいて、しかも発達も興味も様々なため、様々な段階や分野のおもちゃを用意するようにしています。既製品がない場合は手作りもします。子どもが望んだタイミングにそのモノがある、例えば手の使い方を身につけようとする段階の子どもがいたら、握ったりつまんだりすることのできるものをすぐに用意してあげる、といった感じです。こんなことができるのも保育園の特徴の1つだと思います。

そしてそのおもちゃをどこに置くかということの工夫もあります。寝返りの頃はそのモノを取ろうと思うように赤ちゃんの周りに興味を持ちそうなものを散らばらせて置き、はいはいの頃はその目線の高さ(例えば棚の一番下)に、つかまり立ちの頃はその目線の高さ(例えば棚の上の方)に興味のありそうなものを置いておきます。そして歩けるようになったら歩いていける場所に遊びのスペース(ゾーン)を用意しておきます。そんな環境作りを意識しているわけですが、そんなことも保育園の特徴だと思っています。

ここまで書いていて思うのは、やっぱり家庭ではなかなかできないことだよなぁということです。少なくとも我が家では無理ですね。でも、家庭ではできなくてもいいと思っています。家庭は安心できる家族との大事な生活の場で、その体験があるからこそ保育園での様々な体験が生きてくるわけで、役割が違っているだけのことです。どちらの環境も役割も大事なんだ、という話でした。

2013年1月28日

うどん その3

保育園のうどん作りに関わった2日間、美味しいうどんを作るにはどうすればいいかをずっと考えてました。考えてると最高に美味しいうどんが食べたくなるもんですよね。ということで、美味しいうどん作りを研究するために瀬戸大橋を渡って行ってきました、うどん県へ!




目指したのは三豊市にある「須崎」というお店。噂通り、うどん屋さんとは気づかないくらいのあっさりとした店構えです。そんなお店ですが、午前8時30分過ぎにお店に着いたときには既に先客が8名くらい。その後団体さんも来たりして、あっという間に20名くらいになってました。




「うどん」なんてどこにも書いてません。あったのは「食料品店」の張り紙のみ。




どうやら食料品店の一角で麺も作っていて、その場でも食べられるようにしているというスタイルみたいです。お店の中はまさに製麺所。作業場所があるくらいで、食べるためのテーブルやイスは見当たりません。中で立って食べるか、外の駐車場に置いてあるベンチで食べるかのどちらかのようです。やっぱり一般的なうどん屋さんのイメージとはずいぶん違ってました。




ここにあるメニューは「温」「冷」「大」「小」のみ。最初は「温、小」を選びました。それにしても安い!




茹であがったうどんがやってきました。




テーブルにはダシ、玉子、ねぎ、ショウガが置いてあるので




それらを自分で入れて




あとはしっかりかき混ぜてからいただきます。




味はというと、ほんとに最高でした!麺はコシは適度だし、ダシと玉子との相性も抜群で、あっという間に食べ切ってしまいました。せっかくなのでおかわりもすることに。もちろん次は「冷、小」です。冷の方は温よりもぷりぷりとした食感が強く、うどんとダシの味はそれぞれがはっきりと感じられ、全く違ううどんのように感じました。個人的には冷の方が好みですね。でもどちらも感動的な美味しさでした。






ということで今回食べたうどんを参考に、来年度のうどんクッキングの計画を(勝手に)立てていこうと思います。やっぱり茹でたものをすぐに、そしてできるだけシンプルな食べ方で、といったところポイントでしょうね。来年度が楽しみです。

そうそう、うどんの味には関係ないですが、香川のSAでうどん用のお箸を見かけました。うどん県の意気込みはすごいですね。




2013年1月24日

No.279 ごっこ遊びと移行の話

前回ごっこ遊びゾーンを変えていくことを書きました。ゾーンの一角に病院ができ、そこで病院ごっこが繰り広げられるようにもなりました。まだまだ遊び方が変わっていく余地はたっぷりあるように思いますが、少しずつこのゾーンでできることを見つけていってくれたらいいと思っています。火曜日にはこんなことがありました。人形の腕がとれてしまったので「病院で手術してほしい」という申し出があり、F保育士が子どもたちの見ている前で白衣を着て人形の腕を縫ってあげました。子どもたちはとても興味をもち、真剣に見ていたようです。このように、ごっこ遊びゾーンはごっこ遊びだけをするところと限定してしまうのではなく、いろんな広がりを楽しむ場であってほしいと思います。

まだごっこ遊びゾーンの話は続きます。これは水曜日のことですが、子どもたちが「たこ焼き屋さん」を始めていると聞いたので見に行ってみると、とても興味深い遊び方をしていました。たこ焼き器(卵の容器)でたこ焼き(トチの実)を焼いているところから「たこ焼き屋さんごっこをしよう!」ということになったらしく、テーブルを拭く布巾を用意したり、看板を書いたり、だんだんと本格的な遊びになっていきました。




電話注文も受け付ける店のようで、電話の応対に追われる姿も見られたほどです。当然周りの子も興味を持ち始め、お店はどんどん賑やかになっていきます。




「お金はドングリで、たこ焼きは100円だからドングリ1個にしよう!」といった風にルールも決まりました。このドングリ通貨は以前の買い物ごっこの体験が生かされているようです。過去の体験が生かされるシーンを見ると嬉しくなりますね。

それともう1つ。いよいよ3,4,5歳児の部屋へ移行してくるぱんだ組さんが、その遊びに加わるところまではいきませんでしたが、上の子たちの遊ぶ姿をジーッと見ていました。




複雑に役割分担をし、ルールを決め、必要なものを次々に作って用意していくダイナミックさは、あまり体験していないことだと思います。今はしっかりと「見て」、それを次の「真似る」につなげてくれることでしょう。ごっこ遊びも移行も、ポイントは「見て」「真似る」です。

うどん その2

さて、うどんクッキング当日です。
「一晩寝かし」によって生地がどうなったかというと…

ドーーン!




こんな感じになりました。
昨日の生地とどう変わったのか、イマイチよく分かりませんが、「一晩寝かし」が効いてるはずです。きっと。

昨日の生地はこれ。↓↓




やっぱり違いはよくわかりません。

では作業を始めます。




生地を昨日と同じように踏みます。グイグイ踏んでいきます。




次は麺棒を使って延ばします。




延ばした生地を切っていきます。子どもの力では薄くなるまで延ばしていくのはちょっとむずかしいようです。




そしてどんな幅に切るかも重要なのですが、子どもたちにとって微妙な調整はなかなか難しいんですよね。

そんな作業をしている間、園庭では茹でる準備が着々と進んでいます。




バーーン!切り終えました!どこからどう見てもうどんです。すごい!




さっそく茹でます。今回茹でる時間は約10分。昨年までは10分も茹でてなかったのですが、今回はかなり気合いを入れて茹でました。




茹であがったら冷たい水でしめてやります。




ジャーーン!完成です!




超極太のうどんも混ざっていましたが、とっても美味しいうどんでした。









今回使った技「一晩寝かし」ですが、これは来年も取り入れることに決まりました。冬限定の技のようですが、結構オススメです。小麦粉と水を混ぜるところから始めると意外と時間がかかるので、前日のうちにそこまで済ませておくと、その後の作業を余裕を持って進めることができますよ。

2013年1月23日

うどん その1

明日24日(木)は保育園のうどんクッキングの日。ここ何年かやってきた活動なのですが、今年は少しでも美味しいうどんを作れないかということで新しい今までやらなかったことを試してみることに。

その1つが「生地を一晩寝かせる」こと。

昨年までは、9時30分までに小麦粉と塩水を混ぜ、それから子どもたちが足でしっかりと踏み、すぐに延ばして切って茹でて…と、生地を寝かせる時間なんてありませんでした。そこで思い切って前日に足で踏むところまでやっておくことに。

ということで作業開始です。





まずは小麦粉を用意。使用する小麦粉は「緑あひる」です。





小麦粉に塩水を入れてよく混ぜます。




このとき少し塩水を入れては混ぜ、また少し入れては混ぜ…と、のんびりと進めていくのがコツのようです。でないと、なかなかスムーズに混ざってくれません。4つ目の生地を作る頃になってようやくそのことに気づきました。

後はひたすら生地をこねていきます。




ここまでやったら大人の役目は終了。今度は子どもたちの出番です。ビニール袋に入れた生地を子どもたちが足で踏んでいきます。




何をしてるか、よくわかりませんね。とにかく踏み続けます。




そして踏み終わった生地を丸めます。内側にどんどん折り込んでいって丸めていきます。キレイな丸になったら袋に入れて、今日の作業は終了です。




明日はこの生地を延ばして、適当な幅に切って、ババーッと茹でて、ずるずるーっといただきます。
さて、どんなうどんが出来上がるんでしょうか。楽しみですね。

2013年1月21日

エジプトのこと

少し前のことです。Twitterで保育園のドイツデーのことを書いてました。ついでに2月のエジプトのことも。







しばらくすると、昨年の11月に園内研修の講師として来てくれた中川綾さん(@aya_nakagawa)がそれをこうやって広めてくれたんです。





TwitterだけじゃなくFacebookでも広めてくれ、しばらくすると「こんな人がいるけど…」とか「あんなことしてる人がいるけどどう?」とか、いろんな返事がババーッと返ってきたんです。
で、そこで情報をくれた人に連絡をとっていき、エジプトに住んでいる方とかエジプトで発掘作業をしている人とかを紹介してもらうことができました。
人と人って、直接会ってコミュニケーションをとるつながりが大事なのはもちろんわかっているし、SNSのようなサービスが万能だなんてもちろん思ってはいないけど、今回のように自分の周りにエジプト関係の人がいない、なんていう特殊な状況のときなどはSNSの力ってすごいなって感じたわけです。
後はそこでのつながりをどう実際のつながりに変えていくことができるか、ということ難しいんですが。




エジプトのこと



エジプトに住んでおられる方にたくさんの写真を送ってもらいました。

例えばビルの向こうに何でもない感じでピラミッドが構えている写真とか




肉屋では肉が丸ごと、しかも外に吊り下げられていたりとか




自分が想像していたエジプトは少し違っていたことに気づかせてもらえた、そんな写真がたくさんありました。
2月のエジプトデーではこの写真を使わせてもらう予定にしています。
子どもたちはどんなことを感じるんでしょうね。

2013年1月17日

No.278  ごっこ遊びゾーンが変わっていきます

突然ですが、3,4,5歳児の「ごっこ遊びゾーン」を変化させていくことにしました。ロフトの下を中心に使っていた、あのゾーンです。どのように変化させていくかは、まだまだ始まったばかりなので全てを説明することはできませんが、どのような考えで、どのような方向に進んでいく予定か、そのことについて書かせてもらいます。

まずは0,1,2歳児のごっこ遊びゾーンの話から。ごっこ遊びとは英語でロールプレイング(role playing)といい、そのまま日本語に訳すと「役割演技」となります。子どもたちは何かになったつもりで遊ぶ、このごっこ遊びが大好きです。子どもは周りのものをよく見て、それを真似るということをしますが、そのことを通していろんなことを学んで成長していきます。まずこの時期に何を見て真似るかというと、家族の姿、特に食事を代表とする家庭の営みです。子どもたちが目にする大人の生活の中で最初に意識的に体験するものがみんなで食事をする場面であり、その次に料理でしょう。そんなことから、子どもたちは1つのテーブルを囲んでみんなで食事をする真似をし、それを料理する人の真似をします。これが「ままごと遊び」です。まずはこの遊びが十分に体験できるように環境を整えています。これが0,1,2歳児の環境です。

そして3,4,5歳児は次の段階として、自分の体験する世界の広がりに合わせて、外の世界の真似するようになります。家から外に出ていき、いろいろと地域の人と出会い、そして様々な仕事があることを知っていきます。そして外の世界の大人の姿を真似して遊ぶようになります。これが「ごっこ遊び」です。もちろん「ままごと遊び」も「ごっこ遊び」の一部ですが、今までの3,4,5歳児のごっこ遊びゾーンに置かれていたモノは「ままごと遊び」のためのものが中心で、外の世界の様々な仕事を真似して遊ぶには十分な環境ではなかったと気づきました。そこでみんなで話し合い、変えていくことにしたわけです。

子どもたちにも話し合ってもらった結果、病院と美容院をやってみたい!ということ声があがり、今そのために必要な道具などを子どもたちが製作ゾーンで作っているところです。0,1,2歳児で十分にままごと遊びを楽しみ、そして3,4,5歳児でグッと広がった世界のごっこ遊びが楽しめるような、そんな環境へ変化させていく予定です。この様子はまたお知らせしていきますね。

2013年1月14日

第1回島根顔マラソン開催!!

1月14日(月)、記念すべき第1回島根顔マラソンが開催されました。
参加者は自分を含めて7名も!



もしかすると2名で走ることになるかもと心配していたので、
この参加者数にはびっくりです。

今回のランのお供は顔マラソン公式補給食のマーラーカオ、
同じく公式ドリンクのモンスターカオスです。



スタートは松江駅北口。
10時過ぎに静かにスタートしました。



ほんとは「スタート!」「おーーー!」とか言って盛り上がりたかったんですが、
周りの人に不審がられてもいけませんので。
顔マラソンは礼儀正しい大会なのです。



顔マラソンは走った軌跡で顔を描いていくマラソンです。
島根顔マラソンの場合は右目→鼻→左目→と描いていくわけですが
そのためにも道を間違えたら大変です。








しかも狭い路地とかもたくさんあるので
分かれ道が出てくるたびにこうやってみんなで次の道を探します。



地図とかコースの説明書を何度も確認しました。



これが結構大変なんですが、みんなでワイワイ言いながら楽しく道探しをしてました。



途中でおもしろいものも発見できました。
「だから何丁目なの?」と言いたくなるような場所や



競馬場跡地のためコースがそのまま道として残っている場所なんかも。



ここは松江競馬場(通称:浜乃木競馬場)跡地で、
昭和4年から昭和12年まで使われていたようです。
1周1,000mのキレイな楕円形だったためにぐるーっと回りたかったんですが、
残念ながらここを走るのはほんの一部だけ。



とにかくいろんな道を走りました。



こんな道をウロウロしたり、



こんなところも登ったり、



顔マラソンでなければ走らないようなところばかりです。



そうそう、今日は途中から雨がざーっと降ってきたりして結構大変でした。
雨宿りできる場所もないですし、するつもりもそんなになかったので
気にせず走り続けましたんですが。
もちろんいい天気がよかったんですが、これは仕方ないですね。
なので写真はすべて暗い感じです。

ということで、エイド(コンビニ)で食べたり飲んだりしながら
どんどん顔を描いていきました。


左耳→口→右頬→







右頬は宍道湖沿いの道路です。



今回の顔の右耳は宍道湖の中という設定なので、
夏あたりにでも右耳つきの顔にも挑戦するかもしれません。



最後は長ーい道をたんたんと走って髪の毛を描きます。



終盤の疲れが溜まってきた頃のこの単調な道が結構ききました。
そんなに簡単にゴールはさせてもらえませんね。
そのへんもよく考えられたコースです。



そんな単調な道を抜けると、もうちょっとでゴールです。



そして16時30分頃に松江駅に帰ってきました。



感動のゴールです。

距離は約43km、時間は6時間20分でした。



道探しで何度も立ち止まる必要がありましたし、
エイド(コンビニ・スーパー)にも何度も立ち寄って休憩しました。
ほんとにのんびりのんびり、みなさんといろんなお話をしながら走ったので、
けっこうあっという間の6時間20分でした。
一緒に走った6人の方々とは、また別の機会でも一緒に走りたいなあと思ってます。
そんな楽しい出会いもある顔マラソン、第2回大会もおたのしみに。