2015年9月25日

No.413 運動会と天気の話

明日は運動会。毎度のことですが、行事前には天気が気になります。秋の天気はころころ変わるので特に心配ですね。晴れの場合は園庭で、雨の場合は浅利地域コミュニティ交流センターで行うことになっていて、どちらの準備もできてはいるんですが、なんとか園庭で行いたいという思いの方が強いです。運動面の発達を見てもらう目的を考えると場所にこだわる必要はないのかもしれませんが、普段どのように活動し、どのように力をつけてきているかを見て「感じて」もらうためには、この園庭で行う運動会の方が伝わりやすいんじゃないかと思っています。種目に取り組んでいる姿だけでなく、自分の出番を待っている間の姿や、その際の友だちとの関わりなどの何気ない“いつもの様子”から伝わるものも大事だと思うんですよね。



昨日の天気は良くなかったため、予行練習は交流センターで行いました。実際にマットや平均台などを使って交流センター内で行うのは初めてで、しかも園庭で行う場合とはコースも内容も少し違います。そのことに子どもたちは戸惑うのではないかとも思っていましたが、ほとんど問題なく行うことができました。みんなとてもいい表情で、いつもとは違う場所での運動を楽しんでいることも伝わってきました。このように変化に対して柔軟に対応している姿を見ていると、頼もしさを感じてうれしくなってきます。

急な予定の変更は運動会などの行事以外でもたくさんあり、そんな時にどう振る舞うかはとても大事なことだと思っています。残念ながら私たちには天気を変えることはできません。いくら晴れを望んでいても、雨が降ったらその天気に合わせて活動するしかありません。仕方のないことをどれだけ前向きに受け止めることができるか。その中でどう行動することを選んでいけばいいのか。運動会はそうしたことを身をもって学んでいく絶好の機会でもあると捉えると、明日の天気の心配があることはむしろ好ましいことなのかもしれないと思えてきます(もちろん晴れて欲しいことには変わりはないのですが)。

以前からお伝えしているように、明日の運動会では子どもたちができるようになったことを見てもらい、共に子どもたちの成長を喜びたいと思っています。そしてもし雨になったとしても、「雨が降ったけど楽しもうね」といった柔軟な受け止め方をみなさんと共に子どもたちに示していく機会にできたらと思っています。
デモハレマスヨウニ。

2015年9月23日

秋分

二十四節気

秋分…昼と夜との時間が等しくなる。本格的な秋の始まり。
秋分(しゅうぶん)とは、春分と同じように、太陽が真東から昇り真西に沈む、昼と夜の長さが同じになる日のこと。秋分の日を中心とした一週間が秋のお彼岸です。これから次第に秋が深まっていきます。

七十二候

2015/09/23
初候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
夏の間に鳴り響いた雷が収まる頃。空にはもこもことした鱗雲があらわれます。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉の通り、残暑も落ち着き、秋の気候へと変わっていきます。

2015/09/28
次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
外で活動していた虫たちが冬ごもりの支度をはじめる頃。虫たちは秋冬が終わるのを、約半年間も土の中で静かに待ちます。そして、啓蟄の頃に再び姿を現します。

2015/10/03
末候 水始涸(みずはじめてかる)
田の水を落として、稲穂の刈り入れを始める頃。収穫の秋まっただなかで、大忙しですが、黄金に色づいた稲穂が輝き、風がなびく風景はとても美しいです。

「暦生活」より

2015年9月21日

岡山顔マラソン

今日は岡山顔マラソンの日。43km、5時間50分。岡山の地をグルグル走り回ってきました。



スタート後すぐ、昨日岡山顔マラソンを走られたお二人に声をかけられました。スタート時間を公開していたのでそれに合わせてわざわざ会いに来てくださったそうで、うまい棒をいただいたり、おすすめスポットなんかも教えてもらったりしました。



しかもお一人はワラーチ!



初めてお会いしたわけですが、顔マラランナーというだけで親近感が湧き、結構いろいろお話をさせてもらいました。感謝です。

そんな出会いもありながらスタートした岡山顔マラソン、今回はコースを何度も間違えました。結構頻繁に曲がらされるコースということもあり、地味に苦戦しました。でも全体的にフラットなコースなので、走りやすかったです。

途中でいろんなものも発見できました。

島根では見ることのできない「出会頭!」。確かに危険な場所でした。



こんな道も。もちろん通りました。



30km過ぎにあった和菓子屋さん。桃太郎の地岡山なのに、なぜか浦志満(うらしま)本舗。



マスカットと白桃のゼリーを購入。美味しかった!



素敵な壁画も発見。どちらも味がありすぎます。





丸い歩道橋と五角形の歩道橋。





もちろんグルグルしときました。



今回の岡山顔マラソン完走で、中国地方の5顔全て完走しました!でもまだ5顔全て逆回りで完走&裸足でも完走することが残っています。まだまだ中国地方の顔マラソンコースを楽しませてもらいます。

岡山の顔



島根の顔



広島の顔



鳥取の顔



山口の顔



2015年9月18日

No.412 分けて食べる体験

保育園は子どもたちが様々な力をつけていく場です。ですから保育園での日々の遊びや生活には意味があるわけですが、その全てを丁寧に説明することが出来ているかというと、まだそこまではできていないのが現状です。これに関しては少しずつになるとは思いますが、今後もその意味を発信していくつもりです。そしてそのことと同時に進めていきたいと考えているのが、子どもの行動から持っている力を読み解くことと、保育の中の“教育活動”を深めていくことです。これらは丁寧な観察や記録が必要であるため、確実に進めていくためにこのことをテーマとした研究発表を行うことと結びつけて取り組んでいるところです。

前者については、10月24日(土)に行われる島根県保育研究大会においてK保育士が発表することになっています。コミュニケーションや関わりの基礎となる「共感する」力を、乳児がどのように獲得しているのか。そんなことをまとめてくれています。そして後者については、来年6月に行われる全国私立保育園連盟の全国大会においてI主任が発表してくれることになっています。そのために日々の取り組みの意味を整理し直したり、新たな取り組みを始めたりもしています。今回はI主任の書いたものを借りて新たな取り組みの1つを紹介します。今後の取り組みも楽しみにしていてください。



『分けて食べる体験』
兄弟も少なかったり、物が日常的にあふれていたり、という今日。「1つの物を数人で分けて食べる」という体験が少なくなってきているのではないでしょうか?でも、子ども集団のある保育園ならできます!そこで、毎月1回「分けて食べる」ことを体験できるメニューを昼食で出してみることにしました。初回はお好み焼き。1枚のお好み焼きを5,6人で分けて食べました。各グループでいろいろと智恵を出し合って分ける姿が見られました。人数と同じ数に切り分けることを想像していたのですが、おかわりのことを考えて分ける子もいました。例えば、ある5人のグループでは全員におかわりがあった方がいいから10個に切ったらどうかと考えたり、6人のグループでは8つに切り分けて残った2つをおかわりにしようと考えたりもしていました。均等に切り分けるのは難しい子もいて、切り分けたお好み焼きを見て「こっちが小さいね」「こっちは大きいよ」と大きさを比べる声も聞こえました。これらは小学校以降の学習、特に算数につながっていく大事な体験です。



2015年9月11日

No.411 秋との関わり

今週も運動会に向けての取り組みが盛んに行われていて、子どもたちの気持ちも盛り上がってきていることを感じています。その取り組みの中で取り上げてお伝えしたいことはいくつかあるんですが、今回はそこからちょっと離れて、今年度のテーマ「季節」の中の『秋』について書くことにします。

保育園の生活において、子どもたちに季節を感じてもらいたいという思いは今までもずっと持って活動を考えてきました。ですから今年度だけ特別な季節の取り組みがあるわけではありません。ただ、今までと同じ取り組みだとしても、その中からより季節を意識できるようにと考えてきました。その結果、いろんなところで季節により焦点を当てた活動が行われるようになっています。



例えば今ちょっとしたブームになっている音探し。秋の虫の鳴き声を探していた子どもたちが、絵本に載っていた「スズムシの鳴き声作り」をやってみたいから釘が欲しいと言ってきました。できた音がスズムシの鳴き声に近いかどうかは、ぜひ実際に聞いて判断してもらいたいのですが、このように音を通して秋を体験している様子を見ていて、季節への触れ方はいろいろあることを学ばせてもらいました。



稲刈りも行いました。少ししか収穫はできませんでしたが、それでもお米はお米です。自分たちで育てたお米なので、少量でも大切に扱っていきます。籾殻をとるために、今回はすり鉢とボールを使いました。今ではこのような手間のかかる作業を体験する機会が減ってしまいましたが、だからこそあさり保育園ではあえて取り入れます。春から育ててきたお米を通して季節が移り変わってきていることを感じたり、そして実際に自分たちの手を使って仕上げていく作業と秋を関連づけたりと、お米という1つのものから様々に季節と関わっています。大事な体験だと思っています。



最後にちょっとだけ運動会のことを。運動会でもあちこちに四季が取り入れているんですが、その1つがプログラムです。全てを見てもらうのは当日までとっておくとして、ここでは少しだけお見せしておきます。季節を意識することで、子どもたちだけでなく私たち大人も楽しませてもらっています。

2015年9月8日

白露

二十四節気

白露…陰気ようやく重なり露凝って白し。
白露(はくろ)とは、夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が宿りはじめる頃。降りた露は光り、白い粒のように見えます。日中の暑さも和らぎはじめ、だんだんと秋の気配が深まっていきます。

七十二候

2015/09/08
初候 草露白(くさのつゆしろし)
草花の上に降りた朝露が、白く涼しく見える頃。夏から秋への変わり目です。「露が降りると晴れ」という言葉があり、朝霧は1日の天気を伝えてくれます。

2015/09/13
次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
鶺鴒が鳴きはじめる頃。鶺鴒は水辺を好む鳥のため、川の上流域に行くほど多く見られます。町なかでは、あまり見かけられないかもしれませんが、民家の軒下などにも巣を作ります。

2015/09/18
末候 玄鳥去(つばめさる)
暖かくなる春先に日本にやってきたツバメが、暖かい南の地域へと帰っていく頃。また来年の春先には戻ってくるので、しばしの別れとなります。

「暦生活」より

2015年9月4日

No.410 保育園の生活にリズムを

すっかり秋の気候になりましたね。今年のテーマ「四季」に沿って子どもたちにどんな風に秋を感じてもらおうかと、改めてみんなで智恵を絞っているところです。さて、前回は運動会の目的について書きました。運動能力の発達をどのように見てもらうか、そしてそのために今どんな取り組みを行っているかを紹介したわけですが、今回は3,4,5歳児が行っている取り組みを下の子達が見て、そこから刺激を受けてどう動き出しているかを紹介します。



これは運動会に限ったことではなく、日々の保育の中でも他者の行動を見て刺激されることを大事にしています。そのために閉じた環境ではなく、できるだけ多くの子が見ることのできるオープンな場で活動するようにしています。今回も様々な運動遊びを楽しそうに行っている姿を日常的に見ることで、そこから刺激を受けた0,1,2歳児も少しずつ動き出しました。大きい子がやっていることを真似しようと、最初は慎重に、出来るようになると少しずつ大胆に挑戦する姿が見られています。このように、刺激を受けて自分から「やってみたい!」と思って行動することが、新しい力を身につけ発達していくためには大事なことです。



そして、真似をして挑戦している下の子の姿を上の子はちゃんと見ています。その姿を見ることで上の子も刺激を受けます。時には手本を見せたり、励ましたりといった行動も見られます。様々な動きを身につけていくことだけが目的であれば、このようなことは必要ないかもしれません。でも運動会も保育の1つです。この行事を通して意欲を高めたり、関わる力をつけていったりと、総合的な体験の場でなければいけないと思っています。

運動会という行事があることで、子どもたちの保育園での生活にリズムが生まれます。毎日同じことの繰り返しではなく、定期的に行われる行事があることで生活に変化が生まれ、そこでの経験がその後の活動の幅を広げてことになります。これが行事の目的の1つ「保育を厚くする」の意味でもあります。普段にはない賑やかさであったり、勢いであったりを経験することで、その後の静かで穏やかな日々が豊かになります。1日の中でも、1年の中でも、減り張り(メリハリ)って大事なんですよね。