2010年8月27日

No.157 食事ガイドが完成しました

あさり保育所では食事についても様々なこだわりを持っています。まず、噛むことが自然と増え、油や砂糖の使用量を自然と減らすことのできる「ごはんと味噌汁」を中心としたメニューがそうです。また、子どもの小さな胃袋では成長や運動に見合うだけの食事を3回でとることができないため、「おやつは第4の食事」と考えて、おにぎりなどの穀類を主としています。食材についても、味噌・醤油・酢などはできるだけ添加物の入っていないものを使用していますし、お米は毎朝保育所で精米したものを使用しています。

それ以外にも、味付けなどの調理方法の改善などを試みて工夫することを目的とした「2週間サイクルメニュー」や、自分の食べる適量を理解することを目的とした「バイキング方式」などがあります。実際に食材を扱うことで食に対しての関心を深めることを目的とした、味噌汁クッキングやカレークッキングなどもあります。

細かく言えばまだまだあります。0,1歳児については、ある程度自分で食べられるようになると、もっと上手に食べることができる子の姿を見ながら真似することができるように、座る場所にも配慮しています。食器に関しても、スプーンで食べる段階ではすくいやすいように深い皿を、箸を使うようになると持ちやすい皿をといったように、段階に応じて変えています。これは全体にいえることですが、友達と楽しい雰囲気で食べることを大事にしたいので、雰囲気作りのためにテーブルクロスを敷いたり花を飾ったりもしています。

平成17年に食育基本法という法律が成立しました。行政からも「食育に取り組みなさい」といった話を頻繁に聞かされます。でも、人間にとってごくごく自然な行為である「食べること」を、法律や行政の指導のもとに動くというあり方はどうなんだろう?と、今でも思ってしまいます。睡眠基本法なんてなくても、睡眠の大切さについて考えるのが普通のあり方ですよね?
何か屁理屈みたいですが、私は子どもの食がどうあるべきかを、(食育という言葉抜きで)ごく当然のこととして深く考えていきたいという思いでいます。

で、何が言いたいかというと、このたび調理担当者による「食事ガイド」という冊子ができましたというお知らせがしたかったわけです。あさり保育所の食に対しての取り組みをまとめているので、またみなさんにお配りします。

2010年8月20日

No.156 今年のぞう組ときりん組のリレーは

夏祭りが終わり、プールの活動も終わり、今度は9月18日(土)に運動会があります。あさり保育所では運動会を「子どもの運動能力の発達を保護者に伝える」「親子のふれあいを提案する」「保育を厚くする」という3つの目的で行います。まず前半は「運動能力の発達」を伝える内容のもの、後半は「親子のふれあい」を楽しんでもらう内容のものを予定しています。

当然、今年のテーマ「自分たちの住んでいるところを知る」も、種目の様々な部分に取り入れていくことを計画しています。例えばぞう組ときりん組のリレーはこんな内容です。リレーのコースは1周が60m。ぞう組ときりん組は27名いるので、1回リレーをすると全員で60m×27=1620m走ることになります。リレーを10回行うと16.2kmとなり、だいたいあさり保育所からアクアスまで行ける距離になります。ということで、1回リレーをするたびに江津市内のどの辺りまで進んだかが分かる表を用意し、運動会当日にはアクアスに辿りつけるようにしよう!と楽しみながら取り組めるように計画されています。















実際は園庭内を走るだけなのですが、浅利→渡津→江津→嘉久志→和木→都野津→二宮→敬川→波子と市内の9号線を進んでいくイメージを持つことで、居ながらにして江津市内を散策している気分になる子もいるかもしれません。そうしたことで、リレーの取り組みに楽しさを感じてもらいたい、その楽しさによって自発的に体を動かすことに取り組んでもらいたいという願いを持っています。また、運動会という行事自体が十分に園での生活にメリハリを与えてくれますが、更にこうした取り組みを通じて生活にも子どもの気持ちにも変化が生まれます。このような工夫は「保育を厚くする」ことにつながる大事な点でもあると思っています。

他の種目の内容についても取り上げたかったのですが、まずはリレーの取り組みについての紹介です。上の写真の表はランチルームに貼ってあります。今はどの辺まで進んだのかなど、お子さんといろいろお話をしてみてください。

2010年8月6日

No.155 両立ではなく調和を

次世代育成行動計画というものがあるのを知っていますか。これは「次代を担う子どもたちを育てるための教育と子どもを生み育てやすい保育環境」を充実させるための計画で、江津市の計画を審議する会に私も参加させてもらっています。この会に参加するたびにいつも気になっていることに、「仕事と子育ての両立」という言葉があります。目的については十分に理解できるのですが、目指す形が“両立”でいいんだろうか?と疑問を感じ、その思いをその会でも投げかけています。

「両立」という言葉はいろんなところで使われていますが、とても難しいことではないかと思っています。「あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たず。」という言葉がありますが、果たして「あちらもこちらも立つ(=両立)」というケースが世の中にどれだけあるでしょうか。そんなものはほとんどなく、「あちらを立てればこちらが立たず」のケースがほとんどだということを、私たちは経験を通して知っていますよね。

話を仕事と子育てに戻すと、例えば仕事がたくさんあって忙しいときに子どもが熱を出したらどうするか。まだまだ仕事が残っているときに、子どもが本を読んでとねだってきたらどうするか。こんなときに両立なんて恐らく無理だろうと思います。残念ながら、どんな時でも1日は24時間しかありません。これはどんな立場にあっても、どんな人でも平等です。こんなときこそ両立させようと考えるのではなく、調和とかバランスという考え方にならなければいけないのではないかと思います。

何でもかんでも欲しがるとか、すべてをパーフェクトにしようとか、すべてを欲しがっても、どこかで無理がきてしまいます。そうではなく、限られた24時間をどう使うか、どう子育てと仕事のバランスをとるかが大事なのではないでしょうか。その時々に子育てと仕事をてんびんにかけて、どちらをどのくらい選択するか。その優先順位のつけ方のセンスを磨きたいと、私はいつも思っています。子育ては決して楽なことではありません。でもその時期はあっという間に過ぎてしまい、二度と戻っては来ません。だからこそ「今」を大切にしたい、みなさんと一緒に楽しみたいと思っています。

「両立」ではなく「調和、バランス」を、私は大事にします。