2011年3月25日

No.186 23年度の職員体制を発表します

『自分のために行動する人は1人分のパワーしか出せない。でも、他者のために行動できる人は何人分ものパワーを出すことができる。』と、脳科学者の茂木健一郎さんはよく言われます。ほんとかどうか、私には証明することはできませんが、そういうもんなんだろうなぁと納得している言葉です。

自分の考えを持って自分で決断し行動していく主体性は大事です。でもその行動が自分のためだけに向けられるとしたら、社会はうまく機能しなくなり住みにくい社会になってしまうでしょう。社会が豊かで強いものになっていくためには、やはり他者への視点をもって行動する主体性が必要だと思っています。

私たちが保育を行う上で大事にしていることは「共生と貢献」です。子どもたちには保育所での体験を通じて、この「共生と貢献」を大事にした社会を築くための土台となる力をつけてもらいたいと思っています。様々な人がいて、様々な価値観があることを大切にできる人になってもらいたい、自分は社会に対して何ができるのかを考えて行動できる人になってもらいたい、他者への視点を持って大きなパワーを発揮できる人になってもらいたい、そんな思いです。そのためにも、いろんな価値観をもった様々な人(友だち、大人、地域の人など)との関わりや、様々な役割を経験して役割の重要性を感じることのできる活動などを、今まで同様に大切にしていきます。

最後になりましたが、23年度の職員体制を発表します。手前味噌で申し訳ないのですが、自分の個性を発揮しつつ、全体のために大きなパワーも発揮してくれる人たちだと思っています。子どもたちがより生き生きと活動できる場をこのチームで作り上げていきますので、23年度もよろしくお願いします。

2011年3月11日

No.184 ちょっとだけ来年度の話を

初めての成長展が終わり、多くの方から感想をいただきました。「楽しかった」とか「子どもが成長していることを実感できた」とか、私たちがみなさんに感じてもらいたいと思っていたことを感じてもらえたようで、本当に嬉しく思っています。ありがとうございました。また、「ここはこんな風にしてほしい」といった意見もいただきましたし、私たち自身も改善すべき点やもっと工夫できそうなところたくさん見つけることができたので、確実に次回につなげていくことにしています。これは正式な“来年度も成長展をやります!”宣言ですので、来年度末を楽しみにしておいて下さい。

成長展を通して改めて感じたことは、「 子どもの成長を知ることはとても嬉しい」ということです。そんな当たり前のことをわざわざ言わなくてもと思われるかもしれませんが、わざわざ言わなければ日々の忙しさに埋もれてしまうことでもある、と気づかされたんです。「子育てを楽しみたい」というのはみんなに共通する思いでしょうが、そんなにシンプルには楽しめない大変なことでもあるのが現実だと思います。そんな中で楽しさを感じるのは、“子どもの成長を感じられたとき”だったりします。そう考えると、子どもの成長を感じるための場に身を置くという行為は、子育てを楽しむためにはとても大事なことだと改めて感じたわけです。みなさんに子育ては楽しい!と感じてもらえるように、そしてそれを私たちも一緒に喜べるように、今後も成長展という行事を大事にしていきたいと思っています。

水曜日には今年度最後の役員会が行われ、 少し時間をいただいて来年度の構想を簡単にお話させてもらいました。いくつかあるのですが、その一つは来年度も引き続き行う園庭の改修です。内容は、木を増やしたり遊びの要素をふやしたり、大きな事から小さな事まであれこれです。何を目的にこうした改修を行うかというと、子どもの成長に必要な要素を、周りの自然とは少し違う形で用意をしていきたいという思いがあるからです。振動・落下・平衡・重力といった感覚を獲得できるように、揺する・走る・バランスを保つ・よじ登るといった要素を用意していきたいなどとちょっとややこしいことも考えていますが、要はもっともっと楽しい園庭にしたいということなんです。こんなことを目指し、少しずつではありますが園庭の姿を変えていくことを計画しています。「また工事か…」と思わず、期待感をもってお付き合い下さい。

2011年3月4日

No.183 3月になりました

3月になり、今年度もあと1ヶ月となりました。この時期になると一斉にバタバタと慌ただしくなるシステムはどうかと思うのですが、そんなことを言っても仕方ありません。でも子どもたちの生活は、工夫次第で必要以上に負担がかからないようにすることができるので、そこにはしっかりと力を注いでいます。

例えば、4月からクラスが変わることがあります。 このことについてはずいぶん前から取り組んできているのでずいぶんスムーズになりましたが、5年くらい前までは3月の終わりにバタバタと新クラスへの移行を始め、4月になってもしばらく子どもたちは落ち着かない生活が続くという状態でした。子どもの発達は言うまでもなく連続性の中にあります。しかし一般的には制度上、4月1日には年齢別のクラスを設けて一気に進級が行われます。月齢差があるのにも関わらず一気に進級するこのシステムは子どもたちにとってかなり負担が大きいというのが、子どもたちの姿を見てきて実感していることです。

そんなこともあり、早いクラスでは昨年の12月頃から、 子どもたちの成長に応じて移行を始めています。ぱんだ組(2歳児)さんは、すでに来年度の活動スペースでの生活にずいぶん慣れてきています。子どもたちの生活が成長とはあまり関係のないところでブツッと途切れてしまうことのないよう、そして新しい環境での意欲的な活動ができるだけスムーズに行われるように、残り1ヶ月はじっくりと子どもたちを観察し、丁寧な移行が行われるようにしていきます。

いよいよ明日は成長展です。成長展の目的や内容について、 十分にお伝えできていないことは反省しなければいけませんが、参加してもらえればその意味は感じ取ってもらえるはず、と思っています。この行事は子どもの成長を感じてもらうことが大きな目的です。子どもの成長に気づかされるのは、例えば「こんなに重たくなった」といった身体面の変化や、「こんな言葉を使えるようになった」といった言葉の変化などを感じたときだと思います。しかし、常に目の前の子どもの“今”に向き合わなければいけない子育ての中では、過去との比較は意外と難しかったりするのではないでしょうか。成長展では子どもの成長の過程を感じる要素を、私たちなりに様々な視点から用意しています。その視点を通して、1年間の成長の様子を親子で楽しんでいただきたいと思います。そしていろんな意見や感想を聞かせて下さい。