2014年10月31日

No.368 水曜日の話

水曜日は年中児交流。きりん組とさくら保育園のゆり組が汽車を使ってアクアスへ出かけました。この行事、以前は2月に行っていました。ぞう組になると年長児交流が頻繁に行われるので、そこに向けて少しずつきりん組のときから交流し始めていこうという趣旨で始まった行事です。ですが、2月はまだまだ寒さが厳しく、波子駅からアクアスまで歩くのには結構大変です。そこで今年度から時期を秋に変更しました。現在あさり保育園で行っている行事はそれぞれに目的があります。ですが、決めた当時からは状況が変わり、あり方を見直した方がいい行事も出てきます。見直しによって多少バタバタすることも出てくるかもしれませんが、その状況も楽しんでしまうことをあさり保育園では目指しています。みなさんとも楽しさを共有しながら進んでいきたいと思います。



さて年中児交流ですが、汽車に乗る体験もなかなかいいものでした。乗り物の楽しさを味わえたこともありますが、公共の場を体験することの大切さも感じました。汽車に乗っているときの子どもたちの様子を見ていたんですが、周りの人への配慮の思いがそれぞれの子どもなりに感じられました。例えば自分がいくら楽しくて歓声をあげたくても、周りの人に迷惑をかけてしまうような状況であれば、その思いは抑えなくてはいけません。自分に思いがあるように、他人にも思いがあります。自分の思いをきちんと持ちつつ、どこまで他人の思いにも気を配れるか。難しいことですが、これは関わりの中で学んでいくしかありません。普段は家庭や保育園の関係の中で。時にはちょっと広い公共の場で。いろんな機会を体験することは、今後も大事にしていきたいと思います。



続いて水曜日の夜のこと。知っている方も多いと思いますが、今年の発表会でも役員のみなさんが出し物をする計画があります。先月から毎週水曜日の夜に集まり、あーでもないこーでもないと話し合いが続いて、内容が固まりいよいよ本格的に仕上げていく段階に入ったようです。この出し物をするかどうかは毎年役員会で話し合われていて、子どもたちに楽しんでもらうためにやろう!と決まって動き出しています。こうした思いはすごくありがたいことですし、子どもたちにも思いは伝わるはずです。詳細は当日まで明かすことはできませんが、役員さんのみなさんが楽しみながら作り上げている雰囲気を、ぜひ発表会当日に感じてもらいたいと思っています。

2014年10月26日

第36回一畑薬師マラソン




一畑薬師マラソンを走ってきました。
噂通り結構激しいコースで、でも楽しませてもらいました。


スタートしてから3km近く下りが続きます。そして3kmは平坦な道が続き、3kmは緩やかに上っていきます。そして最後の1kmは1,138段の石段を上るコース。 裸足で下りを走るときは、ブレーキを掛けながらだと足裏の負担が大きいので坂に身を任せるように進みます。ストライドを広げるのではなく、ひたすら回転数を上げる感じで。それを3km近く続けたことはなかったので、結構きつかったです。下りで体力を奪われ、石段まではひたすらガマンの時間。気温も高かったので想像以上にバテてしまいました。


そして最後の石段。これを見たときはあまりの長さに思わず笑ってしまいました。まあ石段はキツくはあったんですが、日が当たっていないため冷たく、しかも苔に覆われているところを踏むとしっとりと湿っています。裸足で9km走ってきた足裏には最高の路面でした。











1,138段を上りきって後はゴールゲートをくぐるだけなんですが、これが以外と長かった。商店街の前ということもあり人がたくさんいて応援もしてもらったんですが、それに応える余裕はありませんでした。



結果は50分38秒。50分以内を目標にしていたので残念でしたが、また挑戦して今度は余裕をもって50分以内でゴールしてみたいものです。
足は無傷、元気です。





帰宅してからはある場所へ行きたくなり、再び走ってきました。向かったのはこんなところ。











バーッと走って海を見てきました。



特別な何かがあるわけではないんですが、気持ちのいい場所です。

田中陽希さん、遂にゴール!!

日本百名山ひと筆書きに挑戦されていた田中陽希さん。
10月26日(日)、ついに100座目の利尻岳に登頂されました!
4月1日に屋久島をスタートしてから208日と11時間。7,800キロの旅だったようです。
おめでとうございます!!そして、お疲れ様でした!!



7座目の大山へ向かう途中で声をかけたところ保育園に立ち寄ってくれ、子どもたちに装備を見せてくれたり旅の話をしてくれた陽希さん。あれから6ヶ月も経ったんですね。

陽希さんのブログ「ちびっことたわむれて。」

それだけでなく、旅の途中から何度もハガキを書いて送ってくれました。そんな陽希さんに子どもたちからお祝いのメッセージを送れないものかと考えていたところ、ゴールに設置する横断幕にメッセージを書きませんか?と嬉しい提案を受け、喜んで書かせてもらうことにしました。

立派な横断幕に一番最初に書かせてもらえることになり何を書くかかなり迷った結果、陽希さんが保育園に来てくれたときに一番たくさん関わってもらった年長児に任せることにしました。「何を書きたい?」と子どもたちに質問するといろいろと意見が出て、その中の「いちからひゃくまでがんばったね」に決まりました。その言葉の周りには自分の顔や陽希さんの顔をたくさん描いて、それをお祝いのメッセージとさせてもらいました。







そして、それとは別にゴールのお祝いメダルも2つ作り、それも応援事務局の方にお願いをして、届けていただきました。











陽希さんと偶然出会うことができてから約半年間、陽希さんが1座クリアするたびに登った山にシールを貼って子どもたちと共に応援してきたわけですが、これでおしまいかと思うとちょっとだけ寂しい気もします。陽希さんとの出会いが子どもたちの中でどう育ち、そしてこれからどこにつながっていくのか。大きくなったときにこの半年間のことを少しでも思い出してくれたらいいなあ。









そして最後にもう1つ。
今回の横断幕のメッセージとお祝いのメダルを陽希さんに届けることができたのは、グレートトラバースの応援事務局をされていたハタケスタジオのみなさんのおかげです。8月の終わりに電話でこの提案を受けたとき、「なんとかお祝いのメッセージを送りたいと思っていたので、この提案はすごくうれしいです!ありがとうございます!」と感謝の気持ちを伝えたところ、「ゴールに横断幕を設置してお祝いをしようと考えたとき、まずあさり保育園の子どもたちに書いてもらおうと決めていたんです。」と言ってくださいました。その気持ちがとてもうれしく、お会いしたことのない方ではありましたが、陽希さんの挑戦を応援している思いがつながっていることを強く感じました。それだけに今回のお礼をきちんとお伝えすることができなかったのは残念ですし、そのことを思うと今でも寂しい気持ちになります。

あと1座!

100座登頂まであと1座と迫った田中陽希さん。
最後は利尻岳ですが、24日(金)は強風のため8合目から引き返すことを選択されました。




そして25日(土)は前日よりももっと天気が悪いようでさらに延期となりました。




26日(日)は朝の早い時間に登ることができるんでしょうか?




いよいよなのか、それとも27日(月)以降になるのか。
とにかく安全第一で登ってもらいたいと思います。
こちらまでドキドキしてきました。

2014年10月24日

No.367 後片付けの環境にはこんな意味も




以前このひとりごとで『保育園の活動と学校での学習とのつながり』について少しずつまとめていきますと書きましたが、ようやく第1弾が出来上がりました。『乳幼児期に手先を使う遊びなどを十分に行うことを通して随意筋(自分の意思で動かすことのできる筋肉)を育てておくことは、文字を書くための基礎となる。』といった、保育園で子どもたちがしていることが学校での学習の何につながっているかを整理したものです。今はランチルーム後ろの棚の上に置いてあるので、ぜひ一度見てもらいたいと思っています。

今回作成したものは第1弾。今後も少しずつ整理を続けていく予定で、その内容は国語、算数が中心になります。限られた授業時間数で多くのことを理解し進めていかなければいけない教科なので、乳幼児期にその基礎力をつけることは特に大事にしたいと考えています。その整理を進めていく途中でここでもその内容に触れていくことになると思います。今回はぱんだ組の部屋の環境から取り上げることにします。



ぱんだ組の部屋にはおもちゃを片づける箱が用意してあり、そこには何をどこに片づけるのかがきちんと示されています。例えば上の写真のように、ブロックを入れるところ、電車を入れるところといった感じです。様々なものがごちゃ混ぜになった状態の中から「これはブロック」「これは電車」と選び出してグループ分けすることを「集合づくり」といいます。大きさや形、色が違うなど様々なものがありますが、それでもブロックはブロック、電車は電車です。「同質の仲間を選別して選びだすこと」は算数のスタートにおいてとても大事です。



小学校1年の算数の教科書では最初に「なかまづくり」が取り上げられていて、上の写真はその中の1ページです。保育園で子どもたちが日常的に行っている遊んだ後の片づけも、こうして小学校の算数のこの部分につながっていくわけです。もちろん算数のためだけに片付けを行っているわけではありませんが、こうした意味があることも知っておいてもらいたいと思います。そしてここに数が加わっていって活動が豊かになっていくのですが、そのことはまた後日取り上げていきます。

2014年10月17日

No.366 みんなでごはんを食べる日




14日(火)は「みんなでごはんを食べる日」でした。「えっ?そんなの当たり前でしょ?」と思われるかもしれませんが、いつも一緒に食べている“みんな”とは少し違っています。今回はこの活動の話を。

この「みんなでごはんを食べる日」は0歳から大人まで、保育園にいる全員が一緒にごはんを食べる日です。以前から鍋料理の日にはこうした取り組みを行っていましたが、今回はごくごく普通のメニューの日でした。この活動の目的は①いろんな発達(食べ方)を知り、刺激を受ける・真似る②みんながそろうまで待つ③年上の子が年下の子のお世話をする思いやりの気持ち④おかずを分けて食べる→何個ずつ盛り付ければよいか考える(数の概念)といったことがあり、これは掲示板でもお伝えした通りです。



この日私は他の用事があって一緒に食べることができなかったのですが、特にぞう組さんは張り切って小さな子のお世話をしてくれたと保育士からたくさん話を聞かせてもらいました。4月から半年経ち、お手伝い保育などの活動もたくさん経験することで、小さな子に対しての関わり方がかなり変わってきているぞう組さん。普段の子ども同士の何気ない関わりの中でもそのことを感じさせてくれます。そんなぞう組さんの姿を見ているきりん組、くま組の子どもたちも、間違いなく刺激を受けています。そして少し驚いたこともありました。ぱんだ組のRちゃんがおかわりのごはんをよそっていたところに、同じくおかわりをしたいうさぎ組のKくんがやってきました。するとRちゃんはKくんの差し出した茶碗を無言で受け取り、ごはんをよそってあげたそうです。普段保育士のやっていることを見ていたこともあるでしょうし、この日の食事の場でぞう組さんの姿を見ていて真似をしたということもあると思います。このように、他者がやっていることを見て真似をするということは、子どもたちの成長には欠かせないことです。今回紹介したのは目的の①と③でしたが、今後この活動を行っていくことで、②や④についても興味深い姿が見られるのではないかと楽しみにしています。

11月末には発表会があり、それに向けた取り組みが始まっています。クラスに別れての取り組みが多くなりますが、その様子を他のクラスの子も見ることができるようにしています。“見ること”と“見られること”はどんな活動でも大切にしていきます。

2014年10月16日

陽希さんからのハガキ(7通目)




田中陽希さんから7通目のハガキが届きました。



いよいよあと1座となりましたね。

子どもたちは陽希さんの登った山にシールを貼って半年間応援してきたんですが、シールを貼ることができる山もあと1つ。地図を眺めていると、やっぱり陽希さんはすごい!と思わずにはいられません。





今回のハガキには熱が出たことや足を痛めていたことが初めて書かれていました。このハガキを読んでいると、ここまでいろんな思いを抱きながら進んでいたことや「遂にあと1座!」と感じておられることが伝わってきます。

苦しい場面が何度もあったけどそのたびに復活してきた陽希さん。最後の利尻岳を無事登り終えて、感動のゴールを迎えてもらいたいと思います。そしてその思いが綴られたハガキが届くのを楽しみに待ってます!

2014年10月13日

陽希さんからのハガキ(まとめ)


日本百名山ひと筆書きに挑戦中の田中陽希さんがあさり保育園の子どもたちに送ってくれたハガキ。
99座目の羅臼岳に登頂され、残すはあと1座。なんとなくハガキ読み返したくなったので、ここにもまとめておきます。

1通目





2通目





3通目





4通目





5通目





6通目



2014年10月10日

No.365 保育園の活動と教育とのつながり

11月になると来年度の入園申し込みが始まります。いろんなお知らせで既に知っている方は多いと思いますが、来年度から「子ども・子育て支援新制度」がスタートします。それによって入園の形態が少し変わることになるわけですが、市からのお知らせだけではよく分からないという方は遠慮なく聞いてください。また、今月行う入園説明会でも新制度の説明を少しさせてもらいますので、その機会もぜひご利用ください。

この新制度によって入園の形態以外にも変わることがあります。それは保育園における「教育」の意味です。保育園では教育を行っているのか?ということが、より具体的に問われることになると思っています。教育というと知識の伝達のようなことをイメージされるかもしれませんが、保育園で取り組むべき教育はそれとは違います。小学校での学習を早く始めるのではなく、小学校での勉強がより深まっていくような豊かな体験をさせていくこと、小学校での勉強の基礎を作っていくものでなければいけません。

例えばこんなことがあります。小学校1年生では、ひらがな・カタカナをそれぞれ48字(濁音等を入れるともう少し増えます)と漢字を80字、全部で約180字を習います。1年間で新しい文字を180字覚えるのは結構大変なことです。それでも覚えていけるのは、身の周りにその文字があり、いつも目にしているからです。大人でも「アラビア語を1年間で180字覚えなさい」と言われたら、かなり苦労するんじゃないでしょうか。小学校で文字をスムーズに覚えるためにも、まずは文字に日常的に触れておくことが大事です。あさり保育園では普段から文字をたくさん目にする環境をつくっていますが、これは小学校の国語の学習につながっていくことになります。

また、字を書くためには手を思い通りに動かす必要があります。自分の意思で動かすことの出来る筋肉を随意筋(ずいいきん)といいますが、この随意筋が育つ活動をしていくことが大切になります。例えばひも通しやパズルなどの微細運動がそうです。そして随意筋が育ち細かな動きができるようになると、その結果としてボタンをとめられるようになったり、ご飯をきちんと食べられるようになったりと、基本的生活習慣の自立が起きてきます。つまり、保育園で大事にしている「基本的生活習慣の自立」は、文字指導にもつながっているわけです。基本的生活習慣の自立に向けた活動を十分に体験させることや、更に細かな動きを必要とする迷路遊び・マンダラ塗り絵なども文字指導につながる大事なことです。こうした保育園の活動と学校での学習とのつながりについては、少しずつにはなりますが、具体的に説明できるようにしていきますね。

2014年10月7日

保育園の取り組みと学校教育との関係

保育園で取り組んでいることが学校での勉強にどうつながっていくか。そんなことをまとめてみました。まだ修正の必要な点はあるでしょうし、取り上げるべきこともまだあると思います。こうしたことを保護者だけでなく地域の人に対しても発信していく必要があるなあと考えたので、とりあえず現状で整理できていることのみ載せておきます。





















第31回松江城大茶会




以前から行きたかった松江城大茶会へ。





小雨の降るあいにくの天気でしたが、独特の雰囲気を楽しむことができました。





お茶についてほとんど知識は無いため、茶席を選ぶときにはとにかく知っている名前を探しました。



で、選んだ流派は不昧流・不昧会、お菓子は彩雲堂。



不昧とは江戸時代後期の大名茶人として知られている松平不昧公の名で、松江に茶の湯の文化に大きな影響を与えた方らしいです。





茶席では、使われている茶器の説明などを聞きながらお茶とお菓子をいただきました。







独特の雰囲気を味わいながらいただくお茶は美味しいですね。場を作ることの大切さを感じました。







掛け軸の字は「今日無事」。「みなさんのおかげで今日という日を迎えることができた」という意味だそうです。





松江城の隣の松江歴史館には武者小路千家の茶席が設けられていました。こちらもいい雰囲気です。







松江城大茶会は年に一度の開催ということなので、来年までこの雰囲気を味わうことができません。この「一期一会」感もなかなかいいもんですね。