2012年6月30日

7月はイギリス!

6月のフィリピン月間が終わり、7月からはイギリスを取り上げます。
どんな取り組みになるんだろうと考えながら園舎内をウロウロしていると、
さっそく部屋の壁にイギリスの国旗が飾られているのを見つけました。














華やかでいいなあなんて思って近づいて見てみると、
周りの木は英字新聞を印刷した画用紙で作られていました。
いいですよね、こういう細かなところのこだわりって。














べつに英字新聞を使わなくてもいいんだけど
”楽しさ”を大事にしていることが
こうしたところにも表れるんだろうと思っています。
イギリスということからイメージを膨らませて
あんなことをしてみたらどうなるだろう…とか
こんなことをやってみてもおもしろいんじゃないか…とか
そんなことをいろいろ考えてくれたんでしょうね。
この”楽しさ”が、また次の月につながっていくといいなあと思っています。

さて明日から7月、
どんな月になっていくのか楽しみです。

2012年6月29日

No.250  活動を見て刺激を受けること

プール遊びや水遊びが始まっています。あさり保育園のプール遊びについてはすでに理解してもらっていると思いますが、念のため簡単に。

ぞう・きりん・くま組のプール遊びは、まず『選ぶ』ことから始まります。「水遊びは大好きだけど、顔に水がかかるのはちょっと…」という“かにグループ”、「顔に水がかかってもいいけど、でも潜ったりするのは苦手」という“さかなグループ”、「しっかり泳いで遊びたい」という“いるかグループ”の3つのグループから、今日はどのグループでプールに入るかを選びます。

例えば水との親しみ方なんかは一人ひとり違っています。水に対しての興味関心も年齢に関係なく様々です。そんな個々の違いに丁寧に対応するために、自分で選ぶことを取り入れているわけです。そのことによって一人ひとりが意欲的に活動に取り組みますし、意欲的に取り組むことで活動に対して自信を持ち、次の課題への挑戦意欲へとつながっていきます。水と親しみ、そして楽しめる活動にするためにも、「自発的な活動によって自信を深める」ことによる情緒の安定を大切にしています。

そんなプール活動の横に目を向けてみると、プールに入っていない子がプールで遊んでいる子をじっと見ている姿があります。当然その中にはぱんだ・うさぎ・りす組の子どもたちもいます。私はこの下の子が上の子の活動を見ることも大切にしたいと思っています。欧米の保育園や幼稚園では年齢別ではなく異年齢で活動することが基本です。そしてドイツでは0歳から6歳までが同じ部屋で、ということも珍しくありません。その異年齢の関わりのメリットについては、ドイツのバイエルン州では「上の子が下の子に関わる際の思いやり、援助の気持ち、寛容さの育ち」と言っています。そしてもう1つ、「下の子が上の子の活動を見ることで刺激を受ける」ことも大事にしているようです。

自分より発達段階の上の子が活動している様子を見て刺激を受けるというのは大切なことなのですが、少子時代の今、家庭や地域では体験しにくくなっています。様々な年齢の子どもが集まった子ども集団を持っている保育園がその異年齢の活動のメリットを生かしていくことは、これからますます重要になってきます。そんなわけで、ぱんだ・うさぎ・りす組の子どもたちの水遊びも少しずつ変わってくるはずです。その変化を見るのも楽しいんですよね。

毎日忙しく過ごしているあなたへ。

11月10日(土)に島根県保育協議会という団体の県大会が行われます。今年もそこで人材育成分科会という分科会を担当することになりました。その案内文を書いたのでここにも載せておきます。多くの保育士さんに参加してもらいたいのですが、果たしてこんな案内文でどれだけ参加してもらえるんでしょうか…。



人材育成分科会のごあんない

「毎日忙しく過ごしているあなたへ。」
このように書くと、ほとんどの人が「自分のことだ!」と思うのではないでしょうか。でも、その忙しさの中にありながらも「保育を楽しみたい!」「生き生きと保育をしたい!」と思っているのがほとんどの保育士の現状でもあると思います。

先日行われた「保育者のつどい」では、明治大学教授の諸富祥彦先生がこのようなことを話されています。「保育士の多くが感じているのが多忙感。この多忙感からストレスを感じている保育士は多い。この多忙感を自分の中でどう処理するかによってストレスの感じ方はずいぶん変わってくる。」

ポイントは「忙しいこと」と「多忙であると感じること」は違うというところだと思います。生き生きと保育するために、忙しさをどう捉え、どう向き合うか。難しいことではあると思いますが、そのことによってかかってくるストレスの度合いが変わってくると考えると、ぜひとも取り上げたいテーマです。

ということで、今年度の島根県保育研究大会の人材育成分科会では『生き生きと保育をするために、忙しさについて考える』ことに挑戦してみることにしました。なんだか大きなテーマですし、借りていた猫の手が必要なくなるような素晴らしい方法が見つかる…なんてこともないでしょう。でも、みんなで多忙感の正体について意見を交わすことで、自分ひとりでは気づくことのできなかった考え方に出会えるんじゃないかと、そんなことは期待しています。忙しいみんなが、生き生きと保育をするために知恵を出し合えば、一人で悩んでいるのとは違って、それはもう楽しい話ができるんじゃないかと思っています。

そんなわけで、今回は保育士のみなさんを主な対象者として開催することにしています。現状はなかなかしんどいけれど、でも保育を楽しみたい!と思っている方、ぜひ人材育成分科会へ集まってください。

異年齢児保育の長所・目的

ドイツのバイエルン州の保育カリキュラム(←もちろん公的拘束力あり!)には
異年齢児保育の長所・目的がはっきりと書かれています。
内容もいかにもドイツといった感じですが、参考になることが多いです。

「年少児は年長児から刺激を受ける 」
「年長児は年少児に教えてあげることで、自分の能力を定着させる 」なんかは
日本でももっと理解が深まってほしいと思っている部分でもあります。


異年齢児保育の長所

年少児は年長児から刺激を受ける

年長児は年少児に教えてあげることで、自分の能力を定着させる
小さい子のお手本となることで、自信をつけることができる
乳児に対する静の環境や、逆に年長に対する刺激の不足についての仮説については証明されず
慣らし保育期間がスムーズにいく(すでに、園のリズムを知っている子どもの存在により)

異年齢児保育の目的


思いやり、援助の気持ち、寛容さの育ち
年齢の違う子供に対して自分の言い分を主張する力
経験豊富な子から援助を受けることと、まだ経験不足の子を助けること
自分をお手本ととらえて、自分の行動を振り返ってみる力
違いについて興味をもつ
異年齢の子どもとの葛藤の中で自分の立場を守ることができること
異なる要望や行動様式をお互いに調整しなければならないという基本姿勢を学ぶ
異年齢の子どもの欲求や興味を知り、共感することができる


バイエルン州の保育カリキュラムより

2012年6月23日

「あさり保育園ですが、木をたくさんもらえませんか?」
「別にいいけど、保育園に木を持って帰って何に使うんだい?」
「いやその…、たき火をしたり、料理をしたり…」
「わざわざ薪で料理をするのか。手間のかかることをするんだな。」
「手間はかかりませんよ。しかもそれを子どもたちがするんです。」
「へー、子どもたちが?最近の保育園は変わったことをするんだな。」


木をもらいに行くたびにこんな会話をしています。
大量に木が必要な保育園って珍しいんでしょうか。


あさり保育園では2年前くらいから薪を大量に使っています。
毎月のカレークッキングや飯ごうでのごはん炊きに始まり、
誰かが畑から野菜をとってきたらその場で茹でて食べたり、
寒い季節になったら毎日の様にたき火をしたり、
とにかく薪をたくさん使うようになりました。

火を使う体験を、私たちは大事にしています。
使い方を間違えなければ、火はとても便利なものです。
料理には火が欠かせませんし、身体を温めてくれる優れものです。
火の危険性を伝え、その上で扱い方や便利さを体験することで、
そこから子どもたちは火の特性を学んでくれています。
ごく限られた子どもではありますが、
今ではマッチを使って上手に最初の火をつけてくれる子まで出てきました。
近づきすぎると熱いということを体験から知っている子は
むやみに火に近づくこともありません。何事も体験が大事です。
まずは興味を持つこと。そして興味を持った子から丁寧に教えていくこと。
そんな活動はこれからも続いていきます。

その活動を支えてくれているのが薪です。
火を使うとき、子どもたちは薪を用意するところから始めます。
今までは近いところには少しの薪しか置いてなくて、
たくさん使う時には遠いところへ取りに行く必要がありました。
なんとか火を使う場所の近くに大きな薪小屋が作りたい、
ずーっとそう思っていました。

で、今日ようやく完成しました。
保護者の協力のおかげで望んでいたサイズの薪小屋と、
そこにストックしておく大量の薪も準備できました。
今回作った薪は十分に乾燥させないといけないので
使えるのはまだまだ先になりますが、
積み上げられた薪を見ているとこの先の活動が楽しみになります。
協力してくれたみなさん、本当にありがとうございました。































実はまだまだ企んでいることはたくさんあります。
全部いっぺんにやってしまいたい気持ちはあるんですが、
できるところから少しずつやっていくことにしています。
「えー、またぁー?」とあきれないでくださいね。

2012年6月22日

No.249 ジグソーパズルのはなし

火曜日のことですが、世界地図のジグソーパズルをしている子たちがいました。なぜ世界地図なのかというと、もちろんテーマが「世界を知る」だからです。そうです、私たちは結構しつこいので、こうやっていろんなところに“世界”が登場してきます。

ところでジグソーパズルって面白いですよね。私も大好きな遊びの1つです。ピース数を変えることで難易度を自由に調整することができるのでちょうどいいレベルのものに挑戦できますし、自分に合ったレベルを選べるからこそ夢中になり、完成の写真と小さなピースを何度も見比べながら「ここかな? いや、あそこかな?」と考え続けていると時間を忘れてしまいます。そんなジグソーパズルですが、ピース数が多くなると1回の遊びの時間では完成させることが出来ず、何回かに分けて取り組む必要が出てきます。その際に苦労するのが、やりかけのパズルの保管方法です。崩れないように、しかもピースが無くならないように。では、今回はどう対処していたんでしょうか?

写真が小さいので見えませんが、左上の紙には「つづきは ゆうがた しようね」と書いてあります。午前中に取り組んだ後、その紙と一緒にゲームゾーンのテーブルの上にパズルが置かれていました。結構無造作に置いてあったのですが、誰も崩したりしません。置いてあるピースを触ってみたり、ちょっと動かしてみたりする子はいましたが、でもちゃんと元に戻してくれます。続きは夕方…という約束はもちろん、友だちが作っている作品を壊したりしないという約束も、積木ゾーンの約束などからよーく理解しているんでしょう。

でもそれは、単に「そういうキマリだから」と言ってもなかなかできることではありません。やはり、完成を待ちわびる気持ちとか、パズルに夢中になって楽しんでいる友だちの気持ちとか、そんなことをみんなで共感することがってはじめてできることだと思います。こんな体験は集団の中だからこそできることです。友だちの気持ちに共感することもですが、分け合ったり、譲り合ったり、あきらめたりという経験も集団があるからこそできる大事な体験です。集団の中で学ぶことって、大事なことがほんとに多いです。作っている子も、作っているのを見ている子も、みんないい体験をしていました。

2012年6月19日

イギリスから!

ある荷物があさり保育園に届きました。


















何だろう?と開けてみると…
なんとイギリスからのプレゼントでした!


















今年の3月に小惑星探査機「はやぶさ」のお話をしてくださった方が
イギリスで手に入れたものを送ってくださいました。
あさり保育園のHPで「世界を知る」というテーマを知り、
そして7月にはイギリスを取り上げる予定だと知り、
「イギリス特集に何かあれば…」と考えてくださったようです。

こんな風にして周りの方からも関心をもってもらうのは
私たちとしてはとてもありがたいことです。
今年度のテーマからずいぶんと輪が広がってきていることで
私たちもワクワクしています。
このワクワクを子どもたちに伝えていきたいですね。
7月になったらしっかりと活用させてもらいます。

2012年6月15日

No.248 フリー参観が終わりました

新しい保育参観の形がスタートし、4月と5月の2回、そして6月のフリー参観が終わりました。各月の保育参観は誕生会を一緒に行うものなので少し特殊な場ではあるのですが、6月と1月に行うフリー参観はできる限り保育園の日常を、その中で過ごす子どもたちの日常を見ていただけるように計画をしています。というのも、保育参観の目的に「保育の方法を伝える」ということがあり、そのために常日頃私たちが何を考え、何を大事にし、だからどんな保育の方法をとっているかを見てもらう必要があるからです。

子どもたちは保護者のみなさんが来られると、そりゃあもう、いつもと同じようになんていきません。いつもだったら友達との遊びに没頭する子も、やはりできるようになったことをお父さんお母さんに見てもらいたい!という気持ちからか、いつもとは少し違った遊び方になったり、甘えてみたい気持ちが顔を出したりして積極的に遊び込むことできなかったり…。まあそれも子どもの当然の姿だと思うので、そこは仕方がないと思っています。でも、そうだったとしても、保育園の日常や思いは感じ取ってもらえたのではないでしょうか。

例えば昼ごはん。参加された方は分かってもらえたと思いますが、みんなで一斉に「いただきます」をするため、子どもたちは全員がそろうまで待ちます。早く準備を済ませた子は隣の子とおしゃべりをしながら15分くらいは待っているんじゃないでしょうか。待たせるのはいけないというイメージがあったりしますが、待つことは社会の中で生きていくためにはとても大切なことです。しかも、みんなと一緒だと楽しいから待つとか、みんなと一緒に食べるとより美味しく感じられるから待つといった集団のもつ楽しさを体験するための「待つ」は、できる限り多く体験させてあげたいことでもあります。そのように一斉に始まり、でも食べる早さなどの個人差に対応するために終わりはそれぞれのペースで終わっていきます。昼ごはんの時間を通して、子ども集団の楽しさを感じたり、個人差を当然のことと受け止める大事な場とも捉えています。

そうしたことを知っていただくには、実際に見てもらうことがやはり一番だと思っています。お子さんがどのように過ごしているか、どのように成長しているかはもちろん、あさり保育園の思いなんかも是非直接感じてもらいたいと思います。来年1月のフリー参観もお待ちしています。

2012年6月14日

美月横穴墓

先日会議のためお邪魔した、松江市のみつき保育園。
この保育園で駐車場を作る工事をしていたところ、
そこでなんと横穴墓が発見されたそうです。

美月横穴墓といって古墳時代(約1400年前)の豪族のお墓だそうです。
お墓には2つの石棺があり、
そこからイヤリングや勾玉などの装身具、太刀や鉄のひじりなどの武器、
須恵器などが見つかったそうです。

園長先生がそのことを淡々と説明してくれたわけですが、
これってすごいことですよね?
保育園から横穴墓、しかも勾玉とか太刀が出てくるって…。
とにかくそれらをしっかりと見させてもらいました。
1400年前なんてなかなか想像もつかない話ですが、
でもこんなのがあさり保育園の近くで発見されたとしたら
それはもう大騒ぎになるでしょうね。
子どもたちも大興奮で。もちろん大人も。
園のテーマを「古代の人の暮らしを知ろう!」なんて設定してみたりして。
勝手に想像が膨らんでしまいます。

いや、別にそこの須恵器を1つもらってきたとか、そんな話ではないですよ。
ただそんなものを見ることができたので
うれしくて書いておくことにしただけです。
はい、それだけの話です。









2012年6月8日

No.247 今年のテーマの目的は?

誰でもそうだと思うのですが、私も考え方や生き方を参考にしている人がいます。何人かいる中の一人が糸井重里さんで、影響を受けているものですからいつも文章を拝借しています。ということで今回も少しだけ。

『中学生くらいのときだったっけなぁ。学校の成績が気持ちよく下がっていたときに、父が、ぼんやりした口調で言いました。「馬を水のところに連れてっても、のどが渇いてなきゃ飲まないからなぁ」と。中学生のぼくは、「そう。その通りだ」と思いました。……父の、ぼくへの教育は、うまくいったのでしょうか。それとも、失敗したんでしょうか。ぼくには、いまだにわかりません。ただ、「勉強しろ」にしても「仕事しろ」にしても、似たようなところがあるなぁと思うんです。それが、「したいこと」になったら、「やめろ」と言われてもしちゃうんですよね。それが、つらかろうが、危なかろうが、苦しかろうが、やっちゃうものなんだよなぁ。そういうことだけは、感じています。』

今週の火曜日に行われたフィリピンデーのことをブログに書いたとき、一緒にこんなことも書きました。

『世界を知るというテーマで活動する目的は何?こんなことを時々質問されます。……世界のことを知識として教えることが目的なのではなく、知りたいとか不思議だなあといった「探究心」「好奇心」やってみようという「意欲」を身につけることが目的です。どちらも乳幼児期に身につけてもらいたいことです。  8歳くらいまでに「探求心」「好奇心」「意欲」を身につけておくと、それ以降はスポンジが水を吸うように知識を自分のものにし始める、この考え方が世界の乳幼児教育の大きな流れになっています。乳幼児期に大事なのは“知識”ではなく「探求心」「好奇心」「意欲」です。』

まずは「不思議だなあ」「どうなってるんだろう」「もっと知りたい」と思うことが大事です。のどがカラカラに渇くように、知りたくてたまらない、ウズウズしてしまう、そんな体験を目一杯しておくことが乳幼児期に大切なことです。「世界を知る」というテーマの活動を通して、子どもたちのやってみたい、もっと知りたいという意欲が増すように、私たちも子どもたちと一緒になって不思議がろうと思っています。いろんな国の人、文化に触れることを、一緒に楽しもうと思っています。外国のことに限らず身のまわりのことに関しても、「何でだろうね」「不思議だね」といった会話が増えることを期待しています。

2012年6月7日

上海とあさり保育園

そういえば昨日のことを書くのを忘れてました。

3月まであさり保育園のスタッフだったSさんが
6月6日にドイツへ向けて出発しました。
上海経由、しかも上海では12時間も滞在するとのことだったので
上海とあさり保育園でスカイプ通話をしてみることに。

13時前にスカイプの準備ができたとメールが届いたので
慌ててスタンバイしました。
少し待ってるとディスプレイにはSさんの笑顔が!!

ディスプレイにうつるSさんに向かって
あれこれと話しかける子どもたち。
みんなとってもうれしそうでした。
ドイツでの生活が落ち着いた頃に
またこうやって通話ができるといいなあ。

Sさん、連絡を待ってますよ〜!!

2012年6月6日

「待つ」ということ

保育園では「待つ」場面が割と頻繁にあります。ごはんを食べるときや何かの会をするときは、みんなが揃うのを待ちます。待たせることにはよくないイメージがあるかもしれないけど、社会の中で生きていく上で「待つ」ことはとても大切です。そして子どもたちが待てるのはみんなが一緒だと楽しいと感じられるから、です。ここが一番大事なポイントだと思っています。

以前「ごはんの時に全員が揃うまで待たせると、せっかくの温かいごはんが冷めてしまう。温かいうちに食べさせてあげるべきでは?」と他園の保育士さんから言われたことがあります。それはもちろんそうだと思います。でも私たちは「待つ」ことを体験する大事な場であることを優先したいと考えてますし、そう答えました。保育園という場は様々な子ども集団を持っている貴重な場です。他の子どもと一緒に過ごすことを楽しいと感じる体験のできる、貴重な場です。だからそれを優先しているわけです。意見が少し違っているのは、単に優先順位の問題だと思っています。

「 子どもにとってどうか」ということ、そして「どんな力をつけたいか」が定まっていることは重要だと思います。そのことを軸として優先順位をつけて活動していくことが保育を行う上での大事なポイントではないかと思うわけです。「待つ」ということから話は目一杯それましたが、楽しみを感じながら「待つ」体験ができる場の良さを、私たちはしっかりと生かしたいと思います。

2012年6月5日

今日はフィリピンデー

今日はフィリピンデー。
フィリピン出身の保護者にフィリピン料理を作ってもらう日です。
お友達も連れて来てくれ、賑やかにクッキングが行われました。














作ってくれたのは2品。
最初はピニヤハン・バボイ(Piniyahang Baboy)
これはパイナップル入り豚肉のアドボ(煮込み)















2品目はメヌード(Menudo)
これは豚肉と野菜の煮込み















ピニヤハン・バボイはその場ですぐに、
メヌードは昼食と一緒にいただきました。
子どもたちは夢中で食べてましたよ。














料理を作ってくれたMさん、Hさん、Hさん、
ありがとうございました。














世界を知るというテーマで活動する目的は何?
こんなことを時々質問されます。
世界に関しての知識をつけたいのか?とか、
世界で活躍する人を育てたいのか?とか、
いろいろ想像されることでしょうね。

でもそんなことは全く考えていません。
世界のことを知識として教えることが目的なのではなく、
知りたいとか不思議だなあといった「探究心」「好奇心」
やってみようという「意欲」を身につけることが目的です。
どちらも乳幼児期に身につけてもらいたいことです。

8歳くらいまでに「探求心」「好奇心」「意欲」を身につけておくと
それ以降はスポンジが水を吸うように知識を自分のものにし始める、
この考え方が世界の乳幼児教育の大きな流れになっています。
乳幼児期に大事なのは“知識”ではなく
「探求心」「好奇心」「意欲」です。

さて今月の取り組みはどのように子どもたちに響くんでしょうか。

2012年6月1日

お泊まり保育

ただいまお泊まり保育の真っ最中。
といってももう全員寝てしまいましたが。
せっかくなので写真を何枚か載せておきます。


No.246 園庭の役割

園庭の植物がよく育ってくれています。新しくできたハーブ園ではいろんなハーブが順調に育っていますし、昨年度植えたジューンベリーは既に子どもたちも食べ始めていて、ブルーベリーももう少しするときれいに色づいてくるはずです。雲梯の横に植え替えたカキはグッと大きくなり、たくさんの花をつけています。同じときに一本橋の近くに植え替えたクルミはさっそく実をつけてくれました。園長のミスで剪定しすぎたサルスベリも夏にはたくさん花を咲かせてくれそうで安心しています。まだまだ木々や草花の変化はたくさんあるのですが、ここにはとても書ききれそうにありません。

子どもたちの自然との関わりを考えてみると、もくもくの日ができてからは浅利地区の豊かな自然に触れる機会がずいぶん増えました。森のような多種多様な自然に触れる機会があるなら、わざわざ園庭の植物はそんなに要らないんじゃないかと思われるかもしれませんが、園庭でも自然の変化に触れることができる、そんな環境はやはり必要と考えています。特に、なかなか広範囲の散歩を行うのが難しいうさぎ・りす組の子どもたちにとっては、園庭は貴重な体験の場となります。そんなわけで今後も植物はちょっとずつ増えるでしょうね。

とは言っても園庭は「自然に近い遊び場」であって、自然そのものではありません。その特徴を生かすためには、植物を増やすこと以外にも意図的に子どもの育ちに必要な要素を取り入れていく工夫が必要だと思っています。そのポイントは「運動」です。揺する、走る、バランスを保つ、よじ登る、といった基本的な運動を通して、子どもたちは振動、落下、平衡、重力といった感覚を獲得していきます。そうした遊びに熱中する中で自らの限界に達し、それにより耐久力、体力、忍耐力、反応や敏捷性、柔軟性や勇気が鍛えられていきます。そんな環境を作ることができることこそ「自然に近い遊び場」である園庭の大事な役割だと思います。

幼児は筋力がつかないので、筋力を鍛えるようなことは必要ありません。特に幼児にとってはただ走り回るだけのための広い空間よりも、様々な動きの要素があることの方が重要です。そのような視点で園庭を見ると、例えば乳児の段階から自分で少しずつ難易度をあげて挑戦できるような起伏があった方がいいとか、課題はいろいろとみえてきます。課題があるのは楽しいことです。