2015年3月27日

No.388  26年度の終わりに




積み木ゾーンに素敵な作品が出来上がっていました。これは記録に残しておかなければ!と思い写真を撮ったのですが、その作品は上だけでなく横にも大きく展開されていてうまく写真に収めることができませんでした。いろんな角度から試してみたんですがダメです。そんなことをしながら作品を眺めていて、あらためて子どもたちの成長を感じることができました。

積み木遊びについては何度か書いていますが、様々な発達段階の子どもが遊ぶことができる積み木は成長を感じ取りやすい遊びだと思っています。赤ちゃんのうちは積み木を見たり触ったり舐めたりすることでそのものを把握しようとし、そのうち掴んでは放ったりして手先だけでなく腕全体を使った遊びにもなっていきます。そして積むことも覚え、積んだ積み木を崩して楽しむこともします。そこから並べたり積んだりして何かを作り始めますが、まだ1人で楽しむことが中心です。それがだんだんと友達と協力して作ることへと発展していき、互いに作ったものがつながっていき、大きく複雑な作品が出来上がっていきます。

そのように子どもの成長とともに変化していく積み木遊びなので、一番成長の進んだ年度末はビックリするような作品を見ることができる楽しい時期でもあります。写真の作品はぞう組の子が中心になって作っていましたが、その様子を見ながら真似をするきりん・くま組、そしてその真似の真似をしようとしているぱんだ組の姿なんかを見ていると、子どもってすごい!と思います。もうすぐ今のぞう組はいなくなりますが、こうやって遊びはちゃんと受け継がれていき、1年後にはまた違った姿や作品を見ることができるでしょう。こうしたことを楽しみにできるのが保育園の特徴でもあります。

そんなわけで26年度もあとわずか。27年度の園児も職員体制も決まっているので、あとは4月1日になるのを待つだけです。いろんな変化がありますが、その変化を前向きに受け止めて柔軟に対応していくつもりです。そうそう、変化といえばようやく暖かい日が増え、春も本番といった感じになってきました。来年度のあさり保育園のテーマは『四季』です。春夏秋冬それぞれの季節を、また春から夏、夏から秋といった季節の変化を、いろんな角度から子どもたちと一緒に楽しみたいと思います。「四季といえば○○なんかどう?」といったアイデアをお待ちしています。



2015年3月22日

卒園式

卒園式が終わりました。



卒園式ってどうあるべきなのか、数年前から考えていました。厳かにするべきか、それとも楽しい場にするべきか。



でも今日の卒園式を見ていて、あんまり難しく考えなくてもいいのかなと。



どんな形をとったとしても、行ってきた保育や築いてきた子どもや保護者との関係は間違いなくにじみ出てきます。目指す保育、目指す関係さえ明確になっていれば、形なんてあれこれ考える必要はないのかもしれません。



ちょっとスッキリしました。



今日の卒園式では子どもたちの姿に感動し、そして個々の特徴的な姿が微笑ましくて笑ってしまう場面もありました。



卒園式で泣きそうになったり笑ってしまったりが場面が同居していることはあまりないことなのかもしれないけど、心地よさを感じる式でした。もしかするとこんな卒園式を目指していたのかもしれません。





2015年3月21日

春分

二十四節気

春分…昼と夜との時間が等しくなる。本格的な春の始まり。
春分(しゅんぶん)とは昼と夜が同じ長さになる日であり、自然をたたえ、生物をいつくしむ日とされています。多くの出会いや別れがあり、新生活の始まりなど変化が多いのもこの時期です。

七十二候

2015/03/21
初候 雀始巣(すずめはじめてすくう)
雀が巣を作り始める頃。俳句や民話、童謡にも用いられ、日本人にとって古くから身近な存在である雀ですが、最近では生息数が少なく、貴重な存在になっています。

2015/03/26
次候 桜始開(さくらはじめてひらく)
全国各地から桜の開花が聞こえてくる頃。本格的な春の到来です。きれいな桜の木の下で、自然に感謝し春を祝福しましょう。

2015/03/31
末候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
春の訪れとともに、恵みの雨を呼ぶ雷が遠くの空で鳴りはじめる頃。季節の変わり目であり大気が不安定であることから、雪や雹を降らせることもあります。

「暦生活」より

2015年3月20日

No.387 環境が人に与える影響

明日は卒園式。その練習を水曜日に行いました。この練習では当日と同じように1人ひとりに証書を手渡すわけですが、証書を受け取るときの子どもたちの表情を見るのが毎年の楽しみになっています。ちょっと恥ずかしいんだけど、でも特別な感じがするからか、すごく誇らしげな表情を見せてくれます。そんな表情を真正面からじっくりと見ることのできる、うれしいやり取りの時間です。

毎年感じることですが、ぞう組さんはこの時期にグンと成長します。自分たちで考え行動する姿に頼もしさを感じることも増えてきていますし、不思議な落ち着きから自律心の育ちを感じることもあります。この時期の発達の特徴でもあるのでしょうし、卒園して小学生になるという新たなステップへの意識も影響しているんじゃないかと考えています。「人には“優しい人”“優しくない人”がいるのではない。誰もがもともと両面を持っていて、環境によって優しさが強く出たり、優しくない面が強く出たりするだけだ。」と、誰かがどこかで(曖昧すぎてすみません)言っているのを聞いたことがありますが、環境が人に与える影響は大きいと私も思っています。子どもたちはもともと“育つ力”を持っています。それがどんな風に引き出されるかは環境次第で、私たちは「子ども同士の関係」という環境を特に大事にして、自主性や自律心の芽がどのように伸びていくかに注目してきました。卒園式の練習を見ていても、最近の子どもたちの様子を見ていても、自発的に活動する姿が見られますし、他者と折り合いをつけながら活動がより自由に展開されるようになった(自律心の育ち)ことを感じています。成長展でも成長を感じることができましたが、また少し違った成長を実感しているところです。

火曜日にはぞう組からきりん組への和太鼓の活動の引き継ぎ式が行われました。今年度から「あさり太鼓」という曲を引き継いでいくことになったため、そのための式です。残念ながら見ることができなかったのですが、報告を聞いていてとてもうれしくなりました。和太鼓の活動に対する期待が高まっていたきりん組に対して、太鼓の名称やバチの持ち方だけでなく、和太鼓を扱うときの約束事もぞう組が全て伝えてくれたようです。今回の式を見事に仕切ってくれたのは今まで取り組んできたという自信があったからでしょうし、きりん組に伝授することでこれまでの体験はより定着したと思います。また、きりん組の子どもたちもぞう組の活動に刺激を受けてきたからこそ期待が大きかったんでしょうし、それによって今後は自発的に取り組む姿が見られると思います。「子ども同士の関係」から自発性を促すこと。「見て」「見られて」、「教えて」「教わって」力をつけていくこと。そのための環境も引き続き大事にしていきたいと思っています。

2015年3月15日

まつえレディースハーフマラソン

今日はまつえレディースハーフマラソン10kmの部にエントリーしてたので、朝から松江へ。2時間かけて松江へ行き、10km走って終わるのはなんかもったいないなーと思い、受付を済ませた後ウォームアップを兼ねて島根顔マラソンのコースの輪郭のみ(15km)を走ることに。



10時過ぎに輪郭を描き終え、松江駅へ戻ってきました。



ちなみにちゃんと走りきるとこんな感じ。



輪郭のみを走って次へというのは予定通りではあるんですが、やっぱり顔マラソンは全てを描き切ってこそだよなーと若干の物足りなさを感じつつ本番のスタート地点へ急ぎました。

到着してしばらくするとレーススタート。



快調に走っていたんですが、4kmくらい走った頃からバテ始め、辛い時間に入りました。

でも最もキツかった8km付近で顔マラソン仲間のみみさんを発見。



みみさんの応援でかなり復活しました。

さらに9km付近で大学の友人ハッセンと子どもたちを発見。



いっぱい応援してもらいました。

そんなこんなで無事完走。長い直線がメインで、しかも後半にいやーな坂があったりする、ちょっといじわるなコースをしっかりと楽しませてもらいました。





その後もまだ体力が余っている感じだったので旅伏山を駆け巡りに。久しぶりの山だったので、それはもうしんどかったです。



でも山頂から見える出雲平野はとてもきれいで、これがあるからまた来たくなります。





下山するとさすがに足もガクガクしていて、これ以上はやめておくことに。というわけで、あちこちを走り回った1日でした。

2015年3月12日

No.386 場を共有する




先週のことですが、「ああ、そうなんだよなあ」と思わされることがあったので書いてみます。それは保育園では日常のようなもので、何も特別な出来事ではありません。どんなことかというと、写真のようにただ友達と一緒に絵本を読んでいる場面を見ただけです。でもこういう姿が保育園の特徴でもあると再確認するきっかけをもらいました。

普通「本を読む」と聞くと「1人静かに」読んでいる姿を思い浮かべることが多いと思います。それ以外では大人に読んでもらっている「読み聞かせ」を思い浮かべる方もいるかもしれません。本の楽しみ方に決まりなんてなく、それぞれの好きなように楽しめばいいわけなので、1人静かに読むことも誰かに読んでもらうこともそれぞれに意味のあることです。ただ、写真のように「友達と一緒に読む」ことについては思い浮かべる人は少ない気がしますし、その大切さについてもあまり聞くことがないように思います。

友達と一緒に絵本を読むことは、絵本の楽しさを共有することでもあります。他者と気持ちを共有する体験は先週書いた「非認知能力」につながる体験であり、保育園では特に大切にしたいことです。また、自分1人のペースではなく他者のペースを感じながら読む体験でもあり、「早く次のページに進みたいのに…」と思い通りに読み進められず楽しくない思いをすることもあるかもしれません。でも興味を持つポイントや視点の違いを関わりの中から感じることは大事で、その違いによって生まれる葛藤にも意味があると思っています。これはたくさんの子どもがいる保育園だからこそできる体験です。そして、これも保育園の日常なんですが、1冊の本をみんなで読むだけでなくそれぞれが違う本を同じ場所で読むこともあります。その様子を見ていると、その場を共有すること自体に楽しさを感じているのが分かりますし、隣で読んでいる子の読み方をチラチラと見ては真似する姿も見られたりすることから、場を共有すること自体がたくさんの刺激を受ける学びの場にもなっていると思っています。

大きな子ども集団を持っている保育園では、絵本を読むことをとってみても他の子どもとのいろんな関わりがあります。ここが家庭とは一番違っているところで、そこに保育園の役割があると思っています。どんな関わりを生み出すか。それをどう生かしていくか。それも私たちの関わり方次第だと考えています。

さて、来年度のあさり保育園の職員体制について、ここ(配布するお手紙のみ)でお知らせをさせてもらいます。ご存じの方も多いかもしれませんが、来年度は職員体制において少し変化があります。変化の受け止め方にも積極的、消極的の2種類あると思っていて、あさり保育園としては前者の受け止め方をしていくつもりです。あさり保育園の保育の考え方は変えることなく、新しい体制の“味”を出していきたいと思っています。もちろん子どもたちと一緒に、保護者のみなさんと一緒に、です。よろしくお願いします。

2015年3月9日

オープン戦




マツダスタジアムでオープン戦を観戦。

黒田のピッチングを見ることができたのはラッキーでした。





今年もカープは楽しませてくれるはず!



2015年3月8日

成長展が終わりました




成長展が終わりました。

2011年から始めたこの成長展、今回で5回目となります。続けているうちにずいぶん変化してきたように思っていて、内容とか展示方法とかもそうですが、一番変わったと感じているのがスタッフの成長展に対する意識じゃないかと。 子ども理解を深めていく先にこの成長展がある、保育を常に点検し変化させていく先に成長展がある、そんな思いが年々強くなってきているように感じます。
この変化って凄いことだと思うんですよね。 行事はいろいろと大変です。でも、その大変さを受け止めつつ、より意味のあるものにしていこうとする思いが伝わってきます。 いやー、ほんとにすごいことです。

ということで今年も成長展を無事に終えることができました。ありがとうございました。
来年はどんな成長展になるのか、今から楽しみです。

























2015年3月6日

啓蟄

二十四節気

啓蟄…蟄虫が戸を啓く。
啓蟄(けいちつ)とは、土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃のこと。生き物たちは久しぶりに感じるさわやかな風と、麗らかな春の光の中で生き生きとしています。

七十二候

2015/03/06
初候 蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)
土中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃。虫とはいいますが、冬眠から目覚め始めるすべての生き物のことを表しています。

2015/03/11
次候 桃始笑(ももはじめてわらう)
桃のつぼみが開き、花が咲き始める頃。昔は“咲く”という言葉を“笑う”と表現したそうです。ゆっくりと開いていく桃の花は、ほほ笑んでいるようにも見えます。

2015/03/16
末候 菜虫化蝶(なむしちょうとかす)
厳しい冬を越したさなぎが羽化し、美しい蝶へと生まれ変わり、羽ばたく頃。菜虫とは、大根や蕪などの葉につく青虫のことをいいます。

「暦生活」より

2015年3月5日

No.385 IQよりEQ




いよいよ成長展の日がやってきました。子どもたちの成長を様々な角度からたっぷりと見ていただきたい!という思いを込めた行事です。この1年間でどんな力をどのようにつけてきたのかを見て感じてもらうためにはどうすればいいか、ギリギリまであーでもないこーでもないと悩みながら準備をすることになると思います。年度末の忙しい時期の開催ではありますが、そんな成長展をお子さんとゆっくり楽しんでいただきたいと思います。

“子どもたちの成長”と書きましたが、その成長もいろいろです。目に見える身長や体重の変化、できるようになったことなどは比較的わかりやすいのですが、目には見えず数値化するのも難しい成長は、なかなか掴むことができないものです。例えば人間関係の成長は交友関係などからある程度は推測できるかもしれませんが、でもそれが成長の全てではありません。あさり保育園で大事にしている子どもの「見る」という行為なんかは、直接的な関わりではないですが、子どもにとっての刺激はとても大きいと考えています。この「見る」が充実することなんかも、広い意味で人間関係の成長と言えますよね。目に見える成長はもちろん、目には見えにくい成長に対してももっといろんな角度から注目していく必要があるんじゃないかと思っています。



少し話は逸れますが、乳幼児期の教育の重要性がいろんなところで叫ばれるようになてきて、特に重視されるべきなのは「文字や数を教え込んで認知能力をつけること」ではなく、「高い関心や意欲、誘惑に勝つ自制心、困難にぶつかった時の粘り強さといった非認知能力をつけること」だと言われています。乳幼児期はIQ(知能指数)よりEQ(心の知性)の方が大事だという言い方もあったりします。ではその力をどうやって保育園の中でつけていくかという話になりますが、例えば「なかよしテーブル」で話し合う中で相手の気持ちに気づく(対人スキル)体験や、ぞう組が行っている「お手伝い保育」などで自分がどう思ったか、どんなことを考えたかを振り返る(内的スキル)体験などは、まさに非認知能力をつけるための大切な機会となります。この非認知能力は目には見えにくいため、「はい、これが非認知能力です!」と分かりやすい形で伝えることは難しいのですが、体験の意味についてはいろんな場で工夫しながら紹介していくつもりです。認知能力より非認知能力。IQよりEQ。こんなことを頭に思い浮かべながら成長展を楽しんでもらうものいいかもしれません。