2012年1月29日

出来上がりまで1か月

突然思い立って
温泉津町のやきものの里へ行ってきました。



















ここでは陶芸体験をさせてもらえるということで
早速子どもたちが挑戦することに。
最初にとても丁寧な指導があり
そして最中も困った時にはアドバイスをくれるので
無理なく作りあげることができました。

この体験のいいところは
もちろん自分で陶芸ができることもありますが、
「出来上がりまでに1か月かかる」ところなんか特に気に入りました。
作った本人としてはすぐに欲しいところです。
でも、1か月待たないと手に入らないわけです。
この時間がいいんですよね。

どんな風に焼き上がるのかな?
ヒビが入ったりしないかな?
今どの行程をやっているんだろう?
ちゃんと進めてくれてるのかな?
確認することができないからあれこれ想像するわけです。
この待ってる間の楽しみな気持ちとか
ちょっと不安な気持ちを体験することって、
今はずいぶん少なくなっています。

便利な世の中になり
「すぐ」できます!とか「その日のうちに」届けます!とか
待ち時間はどんどん少なくなってきています。
でも待ち時間の間に感じる不安とかが
その後のうれしさをぐーんと大きくしてくれるんですよね。
「待ち遠しい」という言葉なんかは
不安よりもうれしさや楽しさを強く感じさせてくれる
ほんとにいい言葉だと思います。

完成までの約1ヶ月間、
「待ち遠しさ」を十分に味わってくれるといいなあ。



2012年1月28日

あと2週間!!

くにびきマラソンが2週間後に迫ってきました。
出場する園長、Bさん、さくら保育所のMさんの3人は
全員が大会未経験、もちろんマラソンも未経験です。
いろいろ不安もあったりするので合同練習会を開くことに。

今回走ったのは、
市民センター前から産業道路を西に向かい、
さらに敬川に沿って有福温泉を目指す約15kmのコース。
邑南町役場のHさんも来てくださり、
4人でこのコースを走りました。

結果は

Bさんはヒザに爆弾を抱えながらも驚異の底力を発揮し、1時間17分

園長は後半になってBさんのスピードについて行けず、1時間22分

Hさんは粘り強く最後までペースを落とすことなく、1時間30分

Mさんは前日のコンサート観戦と午前中の薪割りの疲れをものともせず
すばらしい走りを見せてくれたが、計器の故障によりタイムは測定できず

と、こんな結果になりました。

今年のくにびきマラソン、エントリー総数は約3,100人らしいです。
初心者の3人は大勢のランナーの中でどんな走りを見せるんでしょうか?

テンションが上がりすぎてムチャクチャなペースで走ってしまい自滅…
なんてこともあるかもしれません。
逆に上がったテンションがいい方に働いて
ビックリするようなタイムが出るかもしれません。

くにびきマラソンは2月11日。
あと2週間です。


「縁側cafe」の前に「模擬cafe」を

役員さんにcafeの話をさせてもらいました。
来年度からこんな風に取り組んでみたいと。
そうしたら「こんな風にしたら?」とか
「あんな風にすれば楽しいのでは?」と、
ほんとにたくさんのアイデアを出してくれました。
全然まとめられなかったのですが、
おもしろいアイデアばかりでした。

で、来年度から少しでもいい形でスタートできるように、
今年度中に何度かやってみようということになりました。
名前は「模擬cafe」です。

重視するのは人の集まりやすさ。
目的はcafeをきっかけにいろんな人と園を結び付けることです。
そしてcafeという場に積極的に関わることを楽しんでもらうことです。
なのでcafeの形にはこだわりません。
形を先に作ってしまうと、
そこに関わることのできる人は限定されるでしょうし、
関わり方も限定されてしまいます。
あくまでも「場」を作ることが優先です。
その場は集まる人に応じて形を変え、
またそこで作られる場の雰囲気が人の関わり方を変えてくれる。
そんなわかったようなわからないようなcafeを生み出すための「模擬cafe」です。

無理をすることはやめようと思います。
なので飲み物も用意できるものだけ。
食べ物も用意できるものだけ。
キウイがたくさんあるから砂糖で煮てみんなで食べようとか、
畑で芋がたくさん収穫できたから何か作ってみようとか。
ハーブを何種類か植える計画があって、
そのハーブをとってきてハー ブティーを作るとか。
そんないい具合に力の抜けたcafeを作っていくための「模擬cafe」です。

もちろんここに集まってくれた人が
子どもたちと触れ合ってくることを期待しています。
直接の触れあいがなくてもいろんな人が集まる空間があるというだけで、
間接的ではあるけど、それも大事な触れあいになります。
「場」を作ることの意識を大事にしながら、
まずは「模擬cafe」です。

2012年1月27日

No.229 おいしさの自立

おむすび通信という冊子にこんな文章を書かせてもらったことがあります。

『食事の本質を考えてみると、本来は生きていくための活動をするためにあるものだと思います。子どもたちにとっての主な活動は“遊び”ですが、全身を十分に使って夢中になって遊び、その結果「おなかすいたー!」と感じる感覚こそ食事には欠かせない要素だと思うのです。』

『子どもが空腹を感じているときに求めるものが子どもにとって必要なものと捉えること、つまり、子どもは自分に必要な食べ物を選ぶ力を持っていると大人が信じることが、子どもの食事をシンプルに考えるための入り口なのではないかと思っています。』

子どもの食事を考えたとき、どの栄養素をどれだけ摂取するかを考えることが無意味だとは思いません。身体の成長のためには様々な栄養を摂取することは大事だと思っています。でも優先順位を考えると、子どもの食事を長い目で見たときには、まずは「食べたい」という食欲を感じることが大事であるはずです。何を食べるかだけが語られることがよくありますが、私は満足がいくまで遊ぶことでしっかりとおなかを空かせることがセットで語られるべきだと思います。特に子どもの場合、「おなかがすいたー!」という感覚が「美味しい!!」「もっと食べたい!!」と感じるためには欠かせないことだと考えています。

そしてそれと同じくらい大事なのが、食事の楽しさを感じることです。気の合う友だちと会話をしながら食べる楽しさとか、自分が収穫したり調理したりしたものを食べる楽しさとか、様々な楽しさを感じることが食事を更に美味しく感じさせてくれることを、私たちは体験してきていますよね。

先日「おいしさの自立」という言葉を聞きました。保護者講演会にも来ていただいた藤森平司氏が言われていた言葉です。子どもたちは様々な面で自立をしていくことが大事で、その自立の中には自分で食べ物をおいしいと感じられるようになる「おいしさの自立」もあるということです。身の周りのいろんな食べ物の中で自分は何を美味しいと感じるのかを知ることや、自分の身体が今何を欲しているのかを知ることは、子どもが育つ上でとても大事な力だと言われました。「おいしさの自立」については私自身もう少し理解を深める必要がありますが、空腹感から食べたいという意欲をもつことや、食事を楽しいと感じることは「おいしさの自立」には欠かせないと考えています。またいつかまとめたいテーマです。

2012年1月19日

No.228 感情を表現すること

今週の出来事です。夕方数人の子どもたちが玄関の壁にかけてある「感情表現パネル」前で話をしていました。盛り上がっていたのでちょっと近付いて聞いてみると、「今日私は(イライラのパネルを指さして)これ!」「ん〜とねぇ、(ちょうしがわるいのパネルを指さして)私はこれかな」と話していました。“イライラしている子”と“調子の悪い子”がとても楽しそうに話をして盛り上がっている風景は不思議で、でもとても素直な子どもの気持ちが伝わってきました。

その子たちは決してその指さした感情に振り回されているというわけではなく、自分の体験した出来事に対して感じた感情を客観的にみつめて話をしている、といった感じでした。そして自分の感情だけでなく、相手の感情に対しても心を向けている様子でもありました。この「感情表現パネル」の目的は『まず自分の感情に気づくこと。そして自分の感情と考えを受け入れること。』ということですが、自分の感情だけでなく、他者の感情にも向き合うきっかけになっている様子を見ることができ、今後このパネルがどのような子どもたちの姿を生み出すか、楽しみになりました。

自分の感情に向き合い、その様々な感情を知ることは、他者の気持ちを理解することにもつながっていきます。他者と関わる、他者の気持ちを理解するためには相手への想像力が大事で、自分の様々な感情がそのベースとなります。例えばミカンを食べたことがない人は、ミカンを食べている他者がどんな味を感じているのかわからないはずです。それと同じように、自分が感じたことのない感情を他者が感じていたとしたら、それを想像することが難しいのは当然のことです。他者を理解するということは、実際に他者の気持ちがわかるのではなく、自分の感情に置き換えて考えることができるということです。だから様々な感情を体験し、それと丁寧に向き合う経験を、様々な人と関わることを楽しいと感じられるようになるためにも大事にしてほしいと思っています。 豊かな社会をつくっていくためには共感する力とかも、様々な感情の体験とも深く関係してきます。考えれば考える程、感情って大事なんですよね。ということで感情表現についての取り組み、第2弾も密かに計画中です。



2012年1月17日

世界一素敵な学校

サドベリー・バリー校という学校、ご存じですか?
私は作家の高橋源一郎さんの「午前0時の小説ラジオ」を読んでいて
今日初めて知りました。

その内容はこちら⇒午前0時の小説ラジオ・世界一素敵な学校

その小説ラジオに対しての内田樹さんのコメント?がこちら

このことについては今は頭の中であれこれ考えるだけにしておいて、
まずは早速注文した
サドベリー・バリー校の本を読んでみようと思います。
何か伝えるべきことが見つかったらここにでも書いてみますね。

2012年1月13日

No.227 子育て支援センターの話を少し

今回は子育て支援センターの話を少し書いてみます。今月から子育て支援センターでは新しい取り組みとして、「わくわくクラブ」という場を用意することにしました。ここでは何が行われるかというと、子育て中の保護者に集まってもらい、子育てに関する情報をまとめてみようというものです。例えば、○○にある公園は△△があって楽しいとか、□□は雨の日でも子どもと一緒に楽しめるとか、そんな情報です。そして今回特に期待しているのは、「こうだったらいいのにな」という情報です。

例えば、自分がトイレへ行くときに子どもも連れていった方がいい場合ってあると思います。そんなとき、子どもが勝手にカギを開けて出ていってしまったこととか、経験のある方もおられるんじゃないでしょうか。例えばそんなときに、子どもには届かない高さに簡単なカギでもついていたら…と考えたりしますよね。そうした声を集めて実際にカギをつけてもらえないかとお願いをしてみる、そんなことに取り組んでみようと思っています。何でもかんでも思いをぶつけて実現してもらおうというわけではありません。ただ、子どもと共に行動するときに感じる不便さとかを、少しでも多くの人に理解してもらえればという思いです。

「子どもは社会にとって大事な存在」ということに対して異論のある人はいないと思います。では、具体的に社会がどう支えていけばいいかという点では、いろんな面で課題は多いというのが私の実感です。だからまずは子どもと生活し行動することについて少しでも理解をしてもらい、できるところは社会としてサポートしてもらえないものかと提案したいのです。サポートの方法は様々だと思います。例えば、もっと親子が使いやすいトイレを考えてもらうとか、もっと楽しめる公園整備をしてもらうとか。あくまでもできるところから、その人の、その事業所の特徴を生かして、です。

昨日の新年お楽しみ会では、地域の人にきてもらい伝承遊びを教えてもらいました。ゲストとしてというよりスタッフとして、です。地域をはじめ周りの人たちが、持っている力を生かして子どもたちに関わってくれたら、それは子どもたちにとっても地域の人たちにとってもプラスの効果は大きいと思っています。子どもを真ん中において物事を見たときに、まだまだできることはあるというのが私の思いです。

そんなわけなので、ぜひみなさんの声も聞かせてください。よろしくお願いします。

こうしておけば大丈夫?

教師や親たちは、自分たちの古い経験に基づく、
「こうしておけば大丈夫なはずだ」という考えに、
あなたを合わせようとするでしょう。
あなたのためだからと思わされて、
疑問を持つことも許されず、
言うとおりにしてきた結果、
いざ学校を離れる段階になったとき、
突然「お前は何がやりたいのだ」という問いが、
ぎりぎりと投げかけられるでしょう。
それまでの「言うことに従え」というメッセージが、
一転して「自分で決めろ」に変わるのです。
そしてあなたが戸惑ってしまったら、
「お前には人間力が欠けている」という非難が浴びせられます。
失敗は、あなたの「意欲」や「コミュニケーション能力」が
足りなかったせいにされるのです。

(本田由紀・東京大学教授)

これ、考えさせられますね。

走ることについて語ること

村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」という本があります。
マラソンに挑戦しようとしているから、ということもありますが、
それを抜きにしてもとても好きな本です。

たまたまこんなCMを見つけました。
「走ることについて語ること」

このCMでは「走ることについて…」の中の言葉が使われています。
こんな言葉がありました。

僕やあなたのような普通のランナーにとって、
レースで勝ったか負けたか、
そんなのは大した問題じゃない。
自分の掲げた基準をクリアできたかどうか、
それが何よりも重要になる。
判断はあなた自信に委ねられている。
自分の中でしか納得できないものごとのために、
他人にはうまく説明できないものごとのために、
長い時間性をとってしか表せないものごとのために、
僕らはひたすら走り、またこうして小説を書く。


自分の中でしか納得のできないものがあります。
いくら他人に評価されても、自分が納得できていなければ意味がない、
頑固なまでにそう考える自分がいます。
多分みんなそうなんじゃないかなあ、とも思ったりします。

今自分がやっていること、今からやろうとしていること、
そのほとんどは他人にはきちんと理解されないことかもしれません。
でもやる。だからこそやる。
そうやって自分を作りあげていくんじゃないかなあ。

こうやって自分の思いを言葉で表現できる村上春樹さん、
やっぱりすごい人です。

2012年1月6日

No.226 2012年がスタートしました

2012年がスタートしました。いろいろと大きな動きのあった2011年、それを受け継いでの2012年なので、今年も変化の大きい年になると思います。私たちは子どもを相手にする仕事、人を相手にする仕事をしています。この仕事は特に時代によっての情報をきちんと得ていかなければいけません。子どもの育つ環境や文化をきちんと理解しておかないと、適切な援助が行えないからです。世の中がどう変化し、それによって子どもたちがつけなければいけない力はどう変化しているか、そのことをきちんと踏まえずに行う保育ほど怖いものはないと思っています。

なぜそのように考えるかというと、私たちの行う保育は“公的なもの”であるからです。どのような保育を行うかということについては、決して私的な思いつきや利益を追求するために考えることではありません。保育所は明らかに児童に関する措置をとる施設です。なので「児童の最善の利益が主として考慮されるもの」であるべきで、保育所の法律である「保育所保育指針」にもそう書かれています。日本という国が今後どのような社会になっていくのか、どのような社会を目指すべきなのか、そのためにどのような乳幼児教育を行っていかなければいけないのか、そんなことを丁寧に考えながら今後も保育を進めていきます。

ややこしいことはこのくらいにしておいて、今後の話を少し。これからあさり保育所ではどんどん移行が進んでいきます。ぞう組さん(5歳児)は単独の部屋に移っての活動が増えていきます。ぱんだ組さん(2歳児)は来年度の3,4,5歳児での生活に向けて大きい集団での活動が増えます。そのため、きりん組(4歳児)・くま組さん(3歳児)がぱんだ組さんを引っ張っていかなければいけないシーンは当然多くなります。うさぎ組(1歳児)・りす組さん(0歳児)も、ここは特に緩やかですが、少しずつ来年度に向けて移行が始まります。あくまでも個々の発達に合わせて、今すべきことを確実に、ではありますが、全体的に変化していきます。その過程で子どもたちがどう変化し、どんな力をつけていくのか、その点にも注目していてもらいたいと思います。また、3月3日(土)には第2回成長展が開催されます。1年間でどんな力をつけてきたのか、丁寧に取り上げて保護者のみなさんに見ていただきます。こちらの準備も着実に進んでいるので、どうぞお楽しみに。

ということで、今年もよろしくお願いします。