2008年3月28日

No.38 19年度の終わりに

あと数日で今年度が終わります。先週無事卒園式を終えたぞう組さんも、本当に"卒園"になります。卒園式後のぞう組さん(31日までは在籍しています)は、卒園式の意味を深めるためにも、次の日からは夢いっぱいの「ゆめ組さん」という新しいクラスとして生活してもらうのもいいかもしれない、などと考えたりしています。そして、もうすっかり「移行」になれた進級の子どもたちは、晴れて1つ上のクラスに属します。そんな変化も移行期保育のおかげで、子どもたちにとってワクワク感はあっても、穏やかな変化くらいにしか感じないかもしれません。4月1日からも、今までと変わらずしっかり遊びこんでほしいと思います。

今日配布したおたよりで、皆さんが楽しみに(緊張?)していた4月からの職員体制の発表をしています。重複してしまいますが、ここでも紹介します。

20年度はこの体制で、あさり保育所が「チームとしていかに資質をあげていくか」ということに挑みます。もうすでに、保育者1人ひとりの気質の中に、自分の担当の枠を越えて全体を見渡しながら、お互いアドバイスを受けたり与えたりする風土が醸成されていると実感しています。昨年までの保育の再点検をしながら、この課題に取り組んでいきます。

そして子どもたちに対しては、今までと変わらず一人ひとりの発達段階をしっかり捉え必要な援助をする「見て、守ること」を、丁寧に行っていきます。一人ひとりの個性を認め、一人ひとりの存在があるからこその協働のうれしさを感じられる、そんな保育所生活にしていきたいと思います。来年度もよろしくお願いします。

2008年3月14日

No.36 自分の力でしっかりと歩いていけるように

先日ある方から子どもの成長に関する本を貸していただきました。そこに「子どもが育つということはこういうことだ」という、単純で当たり前だけど、とても大切なことが書かれているように感じたので、書いてみようと思います。

「人間は2足歩行の動物ですが、立って歩くようになるためには、その前にいろいろな準備が必要です。まず、首がしっかりすわらなければなりません。首がすわるということは、頭がぐらぐらゆれたりしないで、背骨の上にしっかりのることです。すると寝がえりができるようになり、おすわりができるようになります。お母さんにうつぶせにしてもらったり、自分の力で寝がえりをして、やがてはいはいをして、ほしいものを取りにいったりします。それからやっとささえてもらって立ったり、つかまり立ちをするようになります。」

「立って歩く」ということに向かって、子どもはこんなに多くの「準備」を積み重ねていきます。子どもが育つ、何かができるようになるのは、どこまでいっても「段階を踏んでひとつひとつ」です。全てのことが次に進むための「準備」であり、無意味なことは何ひとつありません。全ての瞬間が、子どもにとって大切な意味を持っています。

私たちは子どもたちの"今"に向き合いながら、同時に子どもたちが社会に出たときのことを考えます。子どもたちが社会に出たときに「自分の力で立ってしっかりと歩いていける」ように、ひとつひとつ確実に段階を踏んで育っていけるようにと常に考えています。今だけを見て無理をさせたりあれもこれも早期に成果を求めたりせず、将来の見通しをもって、発達に応じたふさわしいタイミングで、真剣に子どもたちと向き合っていきたいと思っています。

卒園式や修了式を控え、今年度を振り返ってみることが多くなりました。この1年、子どもたちの姿をどれだけまっすぐに見ることができたか、子どもたちの存在をどれだけ信じることができたか。このひとりごとを書きながら、そんなことばかり考えてしまいます。

2008年3月7日

No.35 3月になりました

3月になりました。早いもので、もう年度末です。今年になってから始まった新しいクラスに向けた生活(本当にゆるやかな移行)も終盤に差しかかり、子どもたちもずいぶん今の生活に慣れてきたように感じます。職員も、試行錯誤の連続ではありますが、少しずつこの移行の保育の手順を進化させてきています。残り1ヶ月、検証を重ねながら丁寧に移行を進めていこうと思っています。

2月の終わりに園舎内の模様替えを行いました。子育て支援の部屋を遊戯室に移動し、空いた部屋を3,4,5歳児(今は2歳児も一緒に生活しています)の保育室に変えました。それに伴い「積み木コーナー」「不思議コーナー」「ゲームコーナー」を移動し、「製作コーナー」「絵本コーナー」を広げました。今までは年度が変わる3月末頃に一斉に模様替えを行っていましたが、今年度はその時期にはほとんど変えない予定でいます。新年度になって集団が変わり生活環境まで変わることは子どもの不安が大きくなると考えるからです。4月になって新しい集団での生活が落ち着いてきた頃、その集団の形が見えてきた頃から、子どもたちに合わせて変化を検討していこうと考えています。

また、0,1歳児の保育室も模様替えの計画が出来上がり、少しずつ部屋の様子が変わってきています。3,4,5歳児の保育室に比べるとそんなに大きな変化ではありませんが、子どもたちにとっては意味のある変化になっているという実感があります。変わることで落ち着きがなくなるのではなく、逆に遊びなどに集中できている姿を見ることができるからです。子どもたちの成長があるのはもちろんですが、ここにたどり着くまでの職員の丁寧な観察・検証はしっかりと生かされています。

家具類や生活環境だけでなく、遊び・食事・生活の中でのルール・子ども同士の関わり方・保育者と子どもの関わり方などについても、連日のように振り返りが行われ課題があがってきています。まだまだ課題が多いのが現状ですが、頭を悩ませながらも課題解決には前向きに、意欲的に取り組んでいこうと思います。