突然ですが、世界では今、保育・教育界は揺れ動いています。以前触れたことのある、OECD(経済協力開発機構)が行ったPISAの学力調査の結果についての対策のためです。幼児教育には2つの捉え方、学校準備型としての「就学前教育」、社会教育の出発点としての「社会教育前教育」があり、OECDは両者を検討した結果、「社会教育前教育」がこれからの子どもたちには必要だと言っています。あさり保育所でも同じ考えで保育を行っています。
あさり保育所には「人生の基礎づくりのおてつだい」という保育理念があります。そして、その理念をどのように保育の中で具体的に実践していくか、その指針となるべきものとして「保育課程」というものがあります。今後社会に出て行く子どもたちに、どんな力をつけてあげるよう保育を行えばいいか。どんな力をつけることが、生き生きと生きていくことの基礎となるのか。そんなことを書いている「保育課程」の一部をここにも書いてみます。一部ではありますが、あさり保育所の保育の方向を知ってもらうことができると思うので、ぜひ読んでみてください。
最近の大きな変化に、子どもに求められる力が変わってきたことがあります。いわゆる「学力観」の変化です。かつて、物を覚えることが学習の優先課題であり、どれだけものを覚えているかがその子の頭のよしあしを測る基準であり、覚えていることを試すのが試験でした。学力が高いということは、多くのものを覚えさせ、多くのことができるようになるということでした。しかし、機械が発達しコンピューターが出現してからは、ただ多くの知識を覚えることだけでは意味がなくなってきました。そのように、ある知識を子どもに覚えこませることから、きちんとした発達を保障することに変わってきたとき、新しい教育の創造・これから目指す保育のキーワードは、「一斉で画一的な保育・教育からの脱却」です。知識を伝達する上で、より効果的な集団、統制のとりやすい集団を、保育士が主導的に引っ張っていくというような保育から変わらなければなりません。そして今後は、子どもの主体的な活動を促す環境、子どもの自発的な活動としての遊びを保障する環境、子ども一人ひとりの特性に応じた環境をどのように創造していくのか、人との関わりをどのように作っていくのか、子ども集団で行われる「協同的な学び」をどのように意図していくかが、保育の目標になります。
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