2010年3月12日

No.134 人との出会いを大切に

来週は卒園式です。今週初めて卒園式の練習に参加し、あらためて12名のぞう組一人ひとりの顔を見ていると、ずいぶんたくましくなったと感じます。おそらく来週は、この子たちにはこんな大人になってもらいたいとか、こんな力をつけてもらいたいといった願いばかり考えているんだろうと思います。今もこの文章を書きながら、そんな事ばかり考えてしまいます。

子どもたちにつけてもらいたいと思っている力の1つに「コミュニケーション能力」があります。ひとりごとでも何度も書いていることです。コミュニケーション能力は伝える力というよりも、伝えることによって自分の考えが深まるということが大事です。共同的な学びということが盛んに言われていますが、これは共同作品を作るとか共同して何かをするということではなく、人の考えを聞いたり自分の考えを言ったりして、それらの考え方を共有して学びを深めていくこととが、もっと大切にされなければいけない点だと考えています。

子どもたちは今まさに「自分」を作り上げている段階です。その段階で大事なことは、やはり私はいろんな人との関わりだと思っています。本当の個(アイデンティティー)は集団を基盤にしないと育ちません。例えば、みんながいることで自分が何者かがわかります。自分と同じ考えの人に共感することや、自分とは違う考えを持った人と出会うことで、自分はこんな考え方を持っているんだと確認できます。自分の特徴がよくわかります。また、多くの人と関わる中で生まれる様々な感情は、他人に対しての想像力の基礎になっていきます。自分を高めてくれる周りの人を大切にすることが自分を大切にすることにつながり、そして自分を大切にすることが更にみんなを大切にすることにつながります。多くの人との出会いを大切にしてもらいたいと思っています。

話は大きく変わって、最後に1つ報告です。昨年の7月のこと(お知らせが遅くなりました)ですが、あさり保育所の活動を日本教育新聞で取り上げてもらいました。テーマは『情緒の安定』で、内容はみなさんも良くご存知の、あさり保育所の日常です。保育所の法律ともいうべき保育指針が新しくなり、それをどう保育の中で実践していくかが全国の保育園の大きなテーマなのですが、その実践例としてあさり保育所の実践を書かせてもらいました。「情緒の安定」という視点からも、子どもたちの生活を眺めてみてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿