2010年3月5日

No.133 季節感のある伝承文化を大切に

いきなりですが、保育所では、室内装飾は季節を伝える大切な保育環境と考えています。季節の活動を表現した子どもの作品や、壁面装飾、本物の草花など、保育所の中には四季を感じるものが多くあります。食事では、サンマの美味しい時期には焼いて食べたり、1月7日には七草粥を食べたりと、生活の中に季節感が途絶えることはありません。

また、保育所では季節感のある伝承文化も大切にしています。あさり保育所の行事は4種類あります。子どもの発達を保護者に伝える行事、普段できないことを体験するための行事(お泊り保育など)、親子の関わりを楽しむ行事(親子遠足、夏祭り、運動会の親子競技など)、そして伝承行事の体験です。子ども達の発達を伝えるために保護者のみなさんに来ていただく行事と言えば、きっと夏祭りや運動会、発表会あたりが印象深いものになっているはずです。運動会は健康や運動の面の育ちを、発表会は言葉や表現の面の育ちをお伝えできるように工夫しています。

そうしたものとは違って保護者の方が参加するものではないのですが、子どもたちに経験してほしいと思って力を入れていることに、季節ごとに巡ってくる日本ならではの伝承文化との出会いがあります。3日(水)に行ったひな祭り会もそれにあたります。家庭で本格的な雛段飾りをするところは減っていることから、毎年遊戯室のステージに大きな雛壇を飾るようにしているのです。ひな祭り会以外にも、七夕やもちつき会、節分など、一年を通じて伝統的な行事を欠かさないように心がけています。もし、地域や家庭で日本の伝承行事が受け継がれていて、その経験を子どもが十分にできるのなら、同じことを保育所でやる必要はあまりないでしょう。しかし、そうした経験をすることが難しくなっているからこそ、保育所での生活の中で経験させてあげたいのです。

ひな祭り会では、ぞう組さんが飾ってくれた雛段飾りの周りに自分たちで作った雛人形を飾って、みんなでその行事を楽しみました。その日の昼食はひな祭りの特別メニュー「ちらし寿司、すまし汁、菜の花和え」で、春を感じることのできる内容でした。こうした活動の「雰囲気、匂い、味わい」などの記憶が、子どもたちが日本の文化を受け継いでいくことにつながっていくと思っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿