2010年8月6日

No.155 両立ではなく調和を

次世代育成行動計画というものがあるのを知っていますか。これは「次代を担う子どもたちを育てるための教育と子どもを生み育てやすい保育環境」を充実させるための計画で、江津市の計画を審議する会に私も参加させてもらっています。この会に参加するたびにいつも気になっていることに、「仕事と子育ての両立」という言葉があります。目的については十分に理解できるのですが、目指す形が“両立”でいいんだろうか?と疑問を感じ、その思いをその会でも投げかけています。

「両立」という言葉はいろんなところで使われていますが、とても難しいことではないかと思っています。「あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たず。」という言葉がありますが、果たして「あちらもこちらも立つ(=両立)」というケースが世の中にどれだけあるでしょうか。そんなものはほとんどなく、「あちらを立てればこちらが立たず」のケースがほとんどだということを、私たちは経験を通して知っていますよね。

話を仕事と子育てに戻すと、例えば仕事がたくさんあって忙しいときに子どもが熱を出したらどうするか。まだまだ仕事が残っているときに、子どもが本を読んでとねだってきたらどうするか。こんなときに両立なんて恐らく無理だろうと思います。残念ながら、どんな時でも1日は24時間しかありません。これはどんな立場にあっても、どんな人でも平等です。こんなときこそ両立させようと考えるのではなく、調和とかバランスという考え方にならなければいけないのではないかと思います。

何でもかんでも欲しがるとか、すべてをパーフェクトにしようとか、すべてを欲しがっても、どこかで無理がきてしまいます。そうではなく、限られた24時間をどう使うか、どう子育てと仕事のバランスをとるかが大事なのではないでしょうか。その時々に子育てと仕事をてんびんにかけて、どちらをどのくらい選択するか。その優先順位のつけ方のセンスを磨きたいと、私はいつも思っています。子育ては決して楽なことではありません。でもその時期はあっという間に過ぎてしまい、二度と戻っては来ません。だからこそ「今」を大切にしたい、みなさんと一緒に楽しみたいと思っています。

「両立」ではなく「調和、バランス」を、私は大事にします。

0 件のコメント:

コメントを投稿