先週の話ですが、ぞう・きりん・くま組である取り組みをしました。その内容は「今日はいろんな模様を絵の具で描きます。絵を描いてから外に遊びに行くか、それとも先に外で遊んで10時30分になったら絵を描くか。どちらかを選んでください。」(順序性の選択)というものです。子どもたちはそれぞれに考えどちらにするかを選び、12人が先に絵を描くということで活動がスタートしました。
先に絵を描くことを選んだ子は順調に絵を描きあげ、満足して外に遊びに行きました。担当保育士は「後で絵を描くことを選んだ25人は10時30分に集まってくれるだろうか」と不安もありましたが、辛抱強く待つことにしました。結果は、10時30分に10人は外での遊びを終えて絵を描き始め、その後もぽつぽつと子どもたちが絵を描きに集まってきました。
しかし、絵を描きに来ることなく片付けの時間を迎える子が8人いました。その8人の子どもたちからは絵を描きに来なかった理由を聞く時間を設けました。理由は様々ありましたが、多くは「忘れていた」というものでした。その子たちとは話し合いをした結果、後日その絵を描くということでまとまり、今週の月曜日に全ての子どもが絵を描きあげました。
この活動には、絵を描くことを一斉に強制するのではなく、先か後かを選んで自主的に取り組むということと、自分で決めたことに責任を持って取り組むという意味があります。自分で考え行動することは、それ自体がとても大きな意味のあることですが、同じくらい「忘れていてできなかった」という体験も意味があると思っています。「ああしとけばよかった」「こうしとけばうまくいった」と感じることから次の活動の工夫が生まれ、そして行動が変わっていく、できるようになっていく。このような落差というか凹(へこみ)というか、そういったものを感じる体験を重ねることは、将来困難なことがあったときに乗り越える力につながっていくはずです。子どもの成長は一直線に右肩上がりというものではありません。成長とか発達の過程で沈むところも必要なはずです。凹を次の成長の大切なステップにつなげていくことができるよう、フォローもしながら、こうした活動(形は変わっていきますが)を大切にしていきます。
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