2008年10月24日

No.67 子どもの欲求とおもちゃ作りの話

今回は「子どもの欲求」に関して少しだけ書いてみます。子どもは常に何らかの欲求をもちます。そして結果は、単純に考えるとそれが満たされるか、満たされないかという2つに分かれます。たとえば不快を取り除き、欲求が満たされれば情緒や気持ちも満たされて安定し、さらに次の欲求へとつながります。反対に欲求が満たされないときは、不満が募り情緒は不安定になります。

赤ちゃんを世話する場面を思い起こしてもらえばわかりやすいでしょう。お腹がすいた、眠いのに眠れないときなど、赤ちゃんは泣いてその欲求を訴えます。すると大人が授乳したり、抱っこしたりして、欲求を満たしてあげます。そうすれば子どもは満足して泣きやみ、ごくごくとお乳をのんだり、すやすやと眠りについたりします。そして情緒は安定します。乳児にとって、親は不快を快適な状態にしてくれる、ありがたい存在です。

それが次第に自発的な行動が増えていき、周りに影響を及ぼすほど大きくなってくると、いつも満たしてくれていた自分の欲求が禁止されることがでてきます。子どもにとっては新しい経験です。それまで認めてもらっていた欲求が、望みとは反対に否定される経験に直面します。行ってはダメ、つかんではダメ、動かしてはダメ、ひっぱってはダメ、口に入れてはダメなど、なぜそうしてはいけないのかが分からないけど、禁止されます。「あれ、どうして?」と、欲求が一時的に制限されることに戸惑いを覚えます。

このように子ども自身に理由がまだ分からないほど小さいうちは、子どもにとって禁止ばかりにならないように、大人が「やってもよい」環境を用意しないといけません。行ってもいい場所をつくる、つかんでもいい物やおもちゃを置く、動かしたりひっぱったりできるものを用意する、のどを詰まらせてしまうような小さいものは置かず、なめても安全なものにかえておく・・などの配慮が欠かせません。欲求を禁止だけして満たさないのではなくて、適切な行動ができるような環境に代えてあげることも必要です。

ということを踏まえて、K保育士とA保育士が中心になり、うさぎ組とりす組で使うおもちゃを作る計画を立てています。出来上がるのはもう少し先ですが、今から楽しみにしています。

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