2008年10月10日

No.65 養育力の低下?

10月16日(木)は「ととろの日」です。さくら保育所の裏山に「ととろのもり」と名づけた遊びのスペースを作り、そこで子どもたちに夢を与えることができないかと職員が考えて生まれた行事です。平成15年にスタートして今回が6回目になります。この行事の鍵はもちろんトトロの着ぐるみです。この行事で大活躍するトトロの着ぐるみは浅利のボランティアの方々が作ってくださいました。トトロがどんなものかを全く知らなかったボランティアの方たちが絵本を買って話を知るところから始め、確か3ヶ月くらいかけて完成したと思います。それぞれお仕事でお忙しい中、保育所の子どもたちのためにと時間を割いてくださり、でもとても楽しそうに作っておられたのが印象的でした。

話は変わりますが、保育所で行う保育内容について定めた「保育所保育指針」というものが厚生労働省より出されています。それが今年の3月に改定されました。子どもたちが育つ環境が変化し、それに伴って課題や問題点が生じているからです。その課題や問題点の1つに「保護者の養育力の低下」ということが挙げられています。昔に比べて今の保護者の養育力は低下しているからそれを踏まえた上で保育を行うこと、というわけです。このことに関して、私は少し違うと思っています。昔の人は養育力が満点に近くて今の保護者は60点くらいとか、そんなことはないはずです。昔の人も決して満点だったわけではなく、足りないところをおじいちゃんやおばあちゃんといった家族や地域、そして社会が支えてくれていたと思います。保護者の養育力が低下したのではなく、地域や社会のそれが低下し、つながりも薄くなってしまったことに、もっと注目しなければいけないのではないかと思っています。

今月末には「いも煮会」があり、一緒に調理をして食事をします。その他にも地域の人に支えられている行事はいろいろあります。「ととろの日」の行事もそうですが、地域の方の「子どもたちに対する思い」に支えられた行事の大切さを強く感じます。親だけに子育ての負担がかかるのではなく、子育ての知恵を伝えてくれる人、親とは違う距離で子どもと関わってくれる人、そしてぶつかり合いから関わる力を学べる子ども同士など、子どもが育つために様々な関わりが当たり前に行われる社会でなければいけないんだろうと思います。保育所や子どもたちを中心とした地域のつながりをもっと深いものにしていきたい、そんなことを考えています。

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