2008年11月14日

No.70 子どもが迫る究極の選択

子どもと付き合っていると、子どもというのは不思議な存在だと思うことがよくあります。大人の考える通りにいかないのは当然ですが、とにかく振り回されてしまうことがよくあります。しかも、そのほとんどは子ども自身が意識していない場合です。どこかに出かけるとき、朝あわただしく支度をしてさあ出かけようと思ったとたんにオムツにウンチをしてしまうとか、車に乗り込もうとすると「トイレ!」と言い出す始末です。また、長い間楽しみに計画していた旅行の前日や仕事が忙しいときに子どもが熱を出したり、感染症にかかったりしてしまいます。皆さんもこんなことを頻繁に経験しているのではないでしょうか。

子育て支援センターで貸し出しをしている本の中に「やってあげる育児から見守る育児へ」という本があります。その本の中にある子どもと関わる親の心得について、以前も紹介しました。今回はその中の2つを取り上げてみます。

「子どもは、何かものを与えれば喜ぶのではなく、気持ちをわかってもらうことを望んでいます。」

「子どもは、自分のために親が犠牲になることを望むのではなく、子どもから望んだときに、自分が優先順位の高いことを望みます。」


子どもたちの行動を見ていると、子どもはこのようなことを親に望み、定期的にそれを試そうとしているのではないかという気がしてきます。「自分の気持ちをわかってくれているだろうか、自分が親の意識の中で優先順位が高いだろうか」ということを、保護者の行動や選択から感じようとします。保護者に対して究極の選択を迫っているのかもしれません。

これからますます寒くなり、子どもは体調を崩すことが多くなります。年末にかけて忙しくなってきたときに、究極の選択を迫られることも出てくるかもしれません。そんなときにどんな選択をしたか、どのようにふるまったか、振り返ってみてほしいと思います。例え自分で合格点のつけられる行動でなかったとしても、「子どもの気持ちはわかってあげられたか」「優先順位はどうだったか」などを1つ1つ振り返って見直すことが、子育てで大切なことではないかと思っています。

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