2009年1月16日

No.78 『もったいないデー』の意味

来週の話ですが、ぞう・きりん・くま組を対象に、「もったいないデー」という日を設けて環境について考えることになりました。どのようなことをするかというと、生活の中で使える水の量を制限して水の大切さを考えようというものです。生活に使うすべての水というわけにはいかないので、ペットボトルに約300mlの水を一人ずつに用意し、その水でその日のうがいと歯磨きをしてもらいます。

今の生活の中では、水はあって当たり前のものとして存在しています。でも水も貴重な資源の1つで、いつでもどこでも好きなだけ使えるものではありません。そんな水の存在を考えるために、無限にある(と思われている)ものを一時的に有限にすることで、大切さを感じてもらおうというのがねらいです。これは、毎年1年間のテーマを決めて話し合いを行っているプロジェクト活動(社会福祉法人花の村全体の取り組みです)の1つ、「子どもと自然の関わり方プロジェクト」からの提案によるものです。

以前も書きましたが、環境を守るとか、ごみを捨てないといった道徳や倫理観は、決して言われたり罰せられたりするからやるものでもなく、覚えこまされるものでもなく、そのものへの愛着とか、そのものが自分にとってどういう意味があるかという認識とか、それらと楽しく過ごした経験などから生まれてくるものだと思います。知識としてではなく、『体験』することが必要です。たった一日の体験だとしても、日常のどこかでふと思い返すことがきっとあるでしょう。「水を大事に使わなければ」と、そのときの記憶が行動に変わっていくことを願います。

私たち大人も体験から多くのことを学んできました。手を切るような冬の水の冷たさの体験から、蛇口からお湯が出て来ることのありがたさを感じてきました。凍えるような寒さの体験から、暖房のある生活のありがたさを感じてきました。そうした体験が、環境を大切にしようという思いにもつながります。私たちはそんな大切な体験を、今度は子どもたちに受け継いでいかなければなりません。子どもの持つ「体験から学ぶ力」を信じ、様々な葛藤の体験を生活や遊びの中に用意することも、私たち大人の大切な役目です。

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