2009年5月1日

No.93 4月が終わりました

4月が終わりました。4月1ヶ月間の子どもたちの平日の出席率は95%でした。保育所でいろんな体験をするためには、まず元気に登所してこなければいけません。ですから保育所では子どもの健康のために食事や体力づくりも課題の1つです。様々な体験を支える子どもたちの体づくりを、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思っています。

ちょっと話は変わりますが、子どもの体について、滝井宏新著「教育七五三の現場から」の本の中にこんなことが紹介されています。日本の小児医療の司令塔ともいえる国立成育医療センターが2000年に医学部の学生を対象に実施したアトピー素因の調査結果です。その結果、95人の学生中85人、90%がアレルギー体質を持っているという結果が出ました。1960年代の調査ではわずか数%だったのが、70年代で25%、90年代で40%、そして、2000年にはこの結果です。この本の中では、このような状況を「最近の乳幼児でアレルギー体質でない子どもを見つけるほうが難しい。」とまで言っています。

なぜこんなにもアレルギー体質が増えたかということを成育医療センター部長はこんなことを言っています。「清潔すぎる環境や抗生物質の過剰投与によって、乳幼児期に細菌やウイルスに感染することが少なくなってしまった。その結果、アレルゲンに反応するアレルギー抗体(IgE抗体)の生産を抑えるⅠ型の発達を妨げ、アレルギー抗体の生産を促進するⅡ型が優位になってしまったというのです。抗生物質の投与などによって日本の乳幼児死亡率は世界一低くなりましたが、その代償として、子どもたちの9割がアレルギー体質になった。」

これはあくまでもまだ仮説の段階ではありますが、要するに、菌対策というあまりに清潔主義に陥り、また熱などが出た時に自らそれを下げる努力をする前に薬で下げてしまう事、ただ子どもに感染症をうつさないように神経質になることなどが、子どもの体に変調をきたしているようです。

また2月のニュースでは、「花粉症にならないための9か条」がアレルギー科学総合研究センターから発表され、その中には「小児期にはなるべく抗生物質を使わない」「適度に不衛生な環境を維持する」という項目がありました。体によくない病原菌との共生は避けたいですが、『菌との共生』は子どもにとっても大人にとっても今後大きな課題になってくると思っています。

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