全国各地で大雨、地震、そして台風と、自然の力をまざまざと見せつけられることが続いています。被害にあわれた方は大変な思いをしておられると思います。こうした知らせを聞くたびに、自然の力の前では人間はなんて無力なんだろうと、当たり前のことをあらためて気づかされます。
8月6日は広島、9日は長崎、それぞれの原爆の日が終わりました。15日は終戦記念日です。世界に目を向けると今でも戦争は行われていますが、現在の日本で戦争を自分のこととして考えることができるのは、もしかすると8月のこうした日だけになってしまっているのかもしれません。言うまでもなく、戦争は人が起こすものです。自然の力には抗えないけれど、人の力に対しては人の力で向き合い、動かし、変えていくことができるはずです。6日、9日、15日のそれぞれの日にどんな姿勢で向き合うのか。それを考えることが、私たち大人の大切な役割ではないかと思っています。
今年も保育所では広島の原爆の日に合わせて“ひろしまのピカ”という絵本を読みました。内容は皆さんもよく知っていると思いますが、7歳になるみいちゃんとその家族が広島で原爆の被害にあった話です。一瞬にして街を壊し、大勢の人の命を奪う破壊力、何気ない幸せを奪い、その後何十年も後遺症に苦しめられる恐怖…。原爆の作り出す罪深さを切々と描いている絵本です。「戦争」や「原爆」の意味を理解することは、子どもたちにはまだまだ難しいかもしれません。それでも子どもたちと一緒に戦争というテーマに触れ、戦争に対する考えや、そこで生じる感情を伝えていかなければいけないと思っています。
テレビでは戦争の悲惨さを伝えるドキュメント番組などがあります。そうしたもので事実をきちんと伝えることも大切です。それだけでなく“ひろしまのピカ”や“はだしのゲン”などのように、物語として伝えることも大切です。平和をテーマにした歌を聞くこともいいでしょうし、広島の原爆ドームを訪れるのもいいかもしれません。それぞれが訴えるものを持っていますし、響き方も違います。私自身戦争体験はありませんが、それでも、戦争のもたらす大きな悲しみを次の世代に途切れることなく伝えていかなければいけないと、強く思っています。
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