2009年11月6日

No.118 あさり保育所のヒミツ③

しばらくお休みしていた「あさり保育所のヒミツ(環境設定や活動の意味・目的)」を再開します。今回は、ぱんだ組の部屋にある「円形で、周りにアルファベットや絵がかかれたカーペット」についてです。4月の保護者会総会の際にぱんだ組の保護者に配ったプリントには、こんなことを書いています。『平行遊びから一緒に遊ぶことを楽しめるようになって来るように、集団を意識し始め、集団から学び始めます。そのことを踏まえ、お集まりを丸い形のカーペットの上で行ったりします。』この丸いカーペットの上で子どもたちは円形になってお集まりを行っているのですが、この円形になって集まるということがポイントです。

まず、学校の教室のスタイルをイメージしてください。子どもが25人、先生は1人いるとします。学校のようなスクール形式で集まったとすると、1人の子どもに注がれる視線は先生からの1/25の視線ということになります。それに対して円形で集まれば、注がれる視線は先生を含めて自分を除いた25/26ということになります。2つを比べると、全く質の違う集まり方だということが分かると思います。円形だと全員の顔をお互いに見ることができます。一斉に何かを伝えようとするときスクール形式は有効でしょうが、自分の思いを言ったり人の意見を聞いたりといった関わりが目的であれば、円形の方が効果的です。これも大事な子ども同士の関わりの形です。

また、アルファベットや絵がかいてあることで、子どもたちは自然と文字や絵の上に座ります。どこに座ればいいか、特にあれこれ言わなくてもわかりやすい作りになっています。何故アルファベットかというと、これは欧米の学校などは1クラス25人(+先生1人)であることが多く、アルファベット26文字の上に座るとぴったりになるからです。その人数に合わせたサイズで作られているため、ぱんだ組さんには少し大きいですが、円のサイズを調整しながら上手に集まっています。円形以外の集まり方では、3,4,5歳児のお集まりなどは1日の流れを全員に伝えるなどの目的があるため、スクール形式に近い形をとっています。どんな集団の大きさ、どんな形で集まるかも大事ですが、何を目的とするかが集まりの形を考える際には重要になります。「集まり」にもいろいろと工夫が必要です。

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