今週火曜日はみんなでお鍋を囲んでの食事でした。みんないつも以上に楽しそうな表情で食べていて、他の子に取り分けてあげる子もいたりと、とてもいい雰囲気の食事の時間でした。その光景を見ていて、「人間は共食する動物である」という言葉を思い出しました。
国立民族学博物館の館長をされていた石毛さんはこのように話しています。
『人類の祖先が狩猟をするようになったことに、食物分配と、それにともなう共食がはじまったのだと思われます。狩猟が男性の仕事とされることは世界の民族に共通します。初期の人類が狩人になったとき、男性がとった獲物を独り占めにせず、肉を持続的な性関係を結んだ特定の女性と、そのあいだに生まれた子供に分配するようになった、それが家族の起源と考えられるのです。共食のさい、限りある食べ物を共食するとき、強い者が独り占めにしないように、食物を分配するルールができます。この食物分配のルールがもとになって、食事における「ふるまいかた」の規範が成立します。それが発展して食事作法となります。食物分配が食事作法の起源であると、わたしは考えています。』
食事におけるしつけと言われるルールは本当に数多くありますが、 全てはみんなで楽しく食べるところから始まります。そして、人にふるまったり、いただいたりすることも重要なことです。鍋を囲んでおこなわれたようなやりとりや、みんなで一緒に食べることは、食事の基本のようですね。
また、水曜日にはカレークッキングがあり、その活動を見ながら「 人間は火を使う動物である」「人間は料理をする動物である」という言葉も思い出しました。
人間の脳は非常に大きいのが特徴ですが、これはあごの筋肉が小さくなったために脳を納めるスペースが広くなったという説があります。それは人類が加熱を伴う調理を習得したために、咀嚼力は以前に比べて弱くてすむようになったからと考えられています。ここから考えても、人間が人間らしくあるためには、料理(特に火を使う料理)が欠かせないようです。
人間らしさが「共食」「火を使う」「料理」を促すのか、「共食」「火を使う」「料理」をすることによって人間らしさが高まるのかは分かりませんが、人間の営みに欠かせないことであるのは間違いないと思います。「共食」「火を使う」「料理」については、今年度だけでなく来年度以降も大事にしていきたい活動です。
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