2011年2月4日

No.179 比べるということ

全く個人的な思いですが、「比較する」ということについて今まで慎重(臆病?)に考え過ぎていたところがあります。例えば大流行した歌「世界に一つだけの花」なんかもオンリーワンを目指すべきで比べちゃいけないという内容です。○○さんはこうだけど△△さんはこうだ、といった会話を耳にすると「比べるのはよくないんじゃない?」なんて言ってきたように思います。そんなことをしているうちに、「比較すること=悪いこと」というイメージを自分の中で作り上げてきてしまっていました。なぜこんなことを書いているかというと、比較=悪という自分の考えに対して、ほんとにそうかなあ?と思うようになっってきたからです。自分の個性とか考え方って、同じような人と話したりすることでも「ああ、一緒だ」って感じることができるけど、より際立つのは正反対の考えの人と向き合ったときのように思います。「なんでこんなに違うんだろう?」と考えることで「自分の考え方はこうなんだ」とはっきりと認識できた経験は、おそらく多くの人がされているんじゃないでしょうか。

「人は一人ひとり違う」 という当たり前の事実も比べないとわかりません。で、比べた上で違いを知り、違うからおもしろいし、違うからこそ相手を認めるということになるのが自然なんじゃないかなあというのが、今の素直な気持ちです。要はどう比べて、それをどう評価するか、ここが一番大事なんだろうと思っています。そして、比較して明らかになった自分の姿を受け止めるためには「自己肯定感」とかが関わってきますが、今この話はやめておきます。

3月5日の「成長展」 はよくある作品展とは大きく違うところがあります。作品展はたくさんの子どもの作品を並べるので、我が子の作品を見る保護者はどうしても他の子と比べてしまい、誰かより上手とか下手とかという見方になってしまいやすいものです。仕方のないことかもしれませんが、その比べかたってどうなんだろう?と、やはり思ってしまいます。その子が一生懸命に自分の気持ちを表して描いた絵をそのままに受け入れること、私たちはこれを大事にしたいんです。こんなに成長した、こんなことができるようになったという子どもの成長を喜んでもらいたいというのが、私たちの願いです。だから「成長展」では、子どもの今の姿を他の子と比較して見せるのではなく、少し前の自分の姿と今の自分の姿を比較して見せるという形の作品展になっています。こんな風に比べて、こんな風に評価してほしい。その思いを書いてみました。

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