2007年7月から書き始めたこの「ひとりごと」ですが、今回で丸4年になります。保育とは?幼児教育とは?といったことや、あさり保育所ではどんなことを大切にしているかといったことを、保護者のみなさんにきちんと言葉にして伝えていきたい、そんな思いで毎週しつこく書き続けてきました。別に書くのを止めてもいいわけなんですが、ここまできたら何か意地みたいなものもあるのかもしれません。
子どもたちにはこんな社会を目指してほしい、そのために必要な力を確実につけてほしい、そんな思いは4年間全く変わらずにここまできました。楽しいことばかりではない、しんどいことも本当に多い子育てではありますが、一度しかない幼児期の育ちをこんな考え方で一緒に支えていきましょう、そんな思いを書き続けてきたつもりです。どんな風に受け止めてもらっているかは分かりませんが、まあ「ひとりごと」なので今回も淡々と書いていきます。
いつかどこかで書いたと思いますが、あらためて。冬の星空に小さく群れている6つほどの星の集まり「すばる」の話です。昔からきれいな星とされてきたこの「すばる」は1個の星ではなく、星の集まりにつけられた名前です。きれいに輝いている星はだいたい大きな星で、周りの小さな星を引きつけて吸収してしまうことで大きくなり強く輝きます。でもすばるは100個以上の若い小さな星が集まって、それぞれが輝くことで全体としての輝きがより増しているという不思議な星なんです。
以前だと、例えば大きな会社組織などに入ると、個性よりもみんなが同じように考え行動することが求められることが多かったわけです。でも今は、いかに個性を生かしながら豊かな集団を作るか、ということが大切になってきています。『自分の役割を自覚して協力し合い、社会のために貢献することの大切さ』を、星のすばるのようなあり方を、私たちは子どもたちに伝えたいと考えています。子どもたち一人ひとりがそれぞれの光を放つことで集団がより美しく輝く、そんな集団を作ることができるようになってほしいというのが私たちの大きな願いです。あさり保育所の全ての活動の根本の思いはここにあります。
年度初めでもないのに、急に原点のようなことを書きたくなりました。保護者のみなさんと共有したい、大事な大事な思いです。
2011年6月24日
2011年6月17日
No.198 Tくんの連絡帳の話
少し前の事ですが、連絡帳にこんな素敵なことが書かれていると職員から教えてもらい、読ませてもらいました。ぞう組のTくんの連絡帳の話です。
『いつも水筒のお茶は半分でいいと言っていますが、今日はお散歩に行くのでいっぱい入れといてとお願いされました。自分で調整しています。』
ここに書かれている内容は私たちが大事にしたいといつも思っていることなので、とてもうれしく読ませてもらいました。大人が活動に合わせてお茶の量を調整してあげることは簡単なことです。でもあえてそれをせず、Tくんが自分で考える場が用意されている、だからこそ散歩に行くときはどのくらい必要だろうか?と考えたんだろうと想像できます。お茶のことに限らず、子どもに降りかかりそうな問題を大人が代わりに解決してあげることはいくらでもできます。でも、問題を解決していく力をつけていくためには、まず子ども自身がその問題に向き合うことが必要です。そういう場を「困ったときにはいつでも助けてあげるからやってごらん」という見守りのもとで用意してあげることは、子どもたちの大きな力になると思います。
そしてTくんは考えた結果、「散歩に行くからお茶の量を増やしてほしい」ときちんと伝えています。このようなコミュニケーションの場が用意されていることも、いいなあと思います。自分の力でいろんなことができるようになるのも大事ではありますが、何でもかんでも一人でできるわけではありません。大人も同じで、誰かに頼まなければできないことはたくさんあります。人と協力し合って生きていくためには、「こんなことをして欲しい」とか「自分はこう考える」といったことを相手に伝えることはとても大事なことです。そのためにもそういう場面を多く経験し、そこでうまく伝わった、うまく伝わらなかったという体験を繰り返すことで学んで行く必要があります。このようなコミュニケーションの場を保障してあげることも大人の大事な役割だと思っています。
他者と力を合わせる社会の必要性を、震災後はより強く感じるようになりました。そのためにも関わりの中で生まれる問題を解決する力、お互いの思いを交わすコミュニケーションの力、他者の気持ちを共感する力など、ますます重要になってきます。そのための場を保護者のみなさんと一緒に丁寧につくっていきたい、そんなことを思わせてもらった連絡帳でした。
『いつも水筒のお茶は半分でいいと言っていますが、今日はお散歩に行くのでいっぱい入れといてとお願いされました。自分で調整しています。』
ここに書かれている内容は私たちが大事にしたいといつも思っていることなので、とてもうれしく読ませてもらいました。大人が活動に合わせてお茶の量を調整してあげることは簡単なことです。でもあえてそれをせず、Tくんが自分で考える場が用意されている、だからこそ散歩に行くときはどのくらい必要だろうか?と考えたんだろうと想像できます。お茶のことに限らず、子どもに降りかかりそうな問題を大人が代わりに解決してあげることはいくらでもできます。でも、問題を解決していく力をつけていくためには、まず子ども自身がその問題に向き合うことが必要です。そういう場を「困ったときにはいつでも助けてあげるからやってごらん」という見守りのもとで用意してあげることは、子どもたちの大きな力になると思います。
そしてTくんは考えた結果、「散歩に行くからお茶の量を増やしてほしい」ときちんと伝えています。このようなコミュニケーションの場が用意されていることも、いいなあと思います。自分の力でいろんなことができるようになるのも大事ではありますが、何でもかんでも一人でできるわけではありません。大人も同じで、誰かに頼まなければできないことはたくさんあります。人と協力し合って生きていくためには、「こんなことをして欲しい」とか「自分はこう考える」といったことを相手に伝えることはとても大事なことです。そのためにもそういう場面を多く経験し、そこでうまく伝わった、うまく伝わらなかったという体験を繰り返すことで学んで行く必要があります。このようなコミュニケーションの場を保障してあげることも大人の大事な役割だと思っています。
他者と力を合わせる社会の必要性を、震災後はより強く感じるようになりました。そのためにも関わりの中で生まれる問題を解決する力、お互いの思いを交わすコミュニケーションの力、他者の気持ちを共感する力など、ますます重要になってきます。そのための場を保護者のみなさんと一緒に丁寧につくっていきたい、そんなことを思わせてもらった連絡帳でした。
2011年6月10日
No.197 もう1つのテーマは『つながり』
今週の水曜日に役員会が行われ、7月23日の夏祭りについていろいろ話し合ってもらいました。今年度の夏祭りも「自分たちの住んでいるところを知る ~地域に関わろう~」という1年間のテーマに沿って内容を計画しています。それともう1つ、今回は「つながり」というテーマも掲げたいと思います。
千年に一度といわれる大震災から3ヶ月が過ぎようとしています。今回のこの出来事に対して、あさり保育所では「東北へ心を向ける」ことに取り組むことにしました。決して専門的・具体的支援ではありませんが、東北地方の方々の思いに共感する、目には見えないけれど“つながり”を感じる、そんなことの大切さを大人の行動を通して子どもたちに伝えてきたい、そんなことを考えました。他者の気持ちに共感することの大切さを伝えたいと思っています。
今回の夏祭りに来てくれる「よしととひうた」に、そんな思いを込めた絵を描いてもらえないかと依頼したところ、次のような思いを絵と一緒に届けてくれました。
『つながりと笑顔をイメージし「太陽」を描いてみました。太陽はみんなを明るく照らします。どこから見ても太陽は見えます。実は太陽は日本人みんなであり、遠くにいてもその思いはつながっています。どんな困難があってもみんなで太陽を(上)を向いて生きよう、そんな願いが込められています。』
今年の夏祭りでは募金のコーナーを設置します。募金をしてくださった方には、このたび描いてもらった太陽の絵の缶バッジをお渡しします。その太陽の缶バッジを見るたびに、「東北へ心を向ける」ことを思い出してほしいのです。東北地方で起きたことを忘れないようにすること、大変な思いをしている人の気持ちに共感すること、そのことを大人が子どもへ本気で語ってあげること。その思いは必ず子どもたちに伝わると信じています。そんな風に思いがつながる社会が強い社会だということ、互いに共感し合える社会こそが豊かな社会だということを、なんとか子どもたちに伝えたいと思っています。役員会では、みなさんがあたたかくその思いを受け止めてくれました。そんなことも全部“つながり”だと思っています。様々な“つながり”をまずは大人が感じ、それを子どもたちにもつないでいきたい、そんな思いを持っています。
千年に一度といわれる大震災から3ヶ月が過ぎようとしています。今回のこの出来事に対して、あさり保育所では「東北へ心を向ける」ことに取り組むことにしました。決して専門的・具体的支援ではありませんが、東北地方の方々の思いに共感する、目には見えないけれど“つながり”を感じる、そんなことの大切さを大人の行動を通して子どもたちに伝えてきたい、そんなことを考えました。他者の気持ちに共感することの大切さを伝えたいと思っています。
今回の夏祭りに来てくれる「よしととひうた」に、そんな思いを込めた絵を描いてもらえないかと依頼したところ、次のような思いを絵と一緒に届けてくれました。
『つながりと笑顔をイメージし「太陽」を描いてみました。太陽はみんなを明るく照らします。どこから見ても太陽は見えます。実は太陽は日本人みんなであり、遠くにいてもその思いはつながっています。どんな困難があってもみんなで太陽を(上)を向いて生きよう、そんな願いが込められています。』
今年の夏祭りでは募金のコーナーを設置します。募金をしてくださった方には、このたび描いてもらった太陽の絵の缶バッジをお渡しします。その太陽の缶バッジを見るたびに、「東北へ心を向ける」ことを思い出してほしいのです。東北地方で起きたことを忘れないようにすること、大変な思いをしている人の気持ちに共感すること、そのことを大人が子どもへ本気で語ってあげること。その思いは必ず子どもたちに伝わると信じています。そんな風に思いがつながる社会が強い社会だということ、互いに共感し合える社会こそが豊かな社会だということを、なんとか子どもたちに伝えたいと思っています。役員会では、みなさんがあたたかくその思いを受け止めてくれました。そんなことも全部“つながり”だと思っています。様々な“つながり”をまずは大人が感じ、それを子どもたちにもつないでいきたい、そんな思いを持っています。
2011年6月3日
No.196 ぱんだ組の朝の会を見て
昨日のことですが、ぱんだ組の朝の会を見ていました。みんなで円形のカーペット上に集まって1日の流れを確認した後、今日したい遊びを一人ずつが発表していきます。どんな風に自分の思いを表現するだろうか、最初に「○○がしたい!」と言った子の意見に引きずられることはないだろうかとちょっとドキドキしながら見ていたのですが、「ままごと!」「かぐら!」「ねんど!」などと、全員自分のやりたいことをしっかりと発表していました。
自分は○○がしたい、自分は△△が好き!と自分の思いを表明している姿は園内のあちらこちらで見られるので珍しいことではないのですが、それでも見るたびに「すごいなぁ」と感心させられます。自分らしさを保ち、自分の意見を人前で堂々と表明できること。そのためにも自分自身を肯定的に捉え、なおかつ周りの人を信頼すること。子どもたちにはそんなことを大事にできる人になってもらいたいと常々思っているのですが、お集まりの様子を見ていてますますその思いは強くなりました。
自分を肯定的に捉えるというのは、自分の強みを知り、その強みに自信を持ち、そしてそんな自分を好きになること。このことを基盤として、自分と他人があらゆる点で違っていることも受け入れられるようになってほしい、社会の一員として様々な人の違いを認め、様々な人がいることを当たり前と思えるようになってほしい、そんな風に思っています。「自分の思いを表明する」という話からずいぶんそれてしまいましたが、「自分の思いを堂々と表明する」「自分を好きになる」「他人との違いを受け入れられる」「いろんな人がいる社会を豊かだと思う」といったことは、ふかーいところで繋がっていると思うんです。なんだかいつも以上にまとまりがないですね。
さて、この「ひとりごと」がみなさんのもとに届く頃には、ぞう組さんたちはお泊まり保育で大いに盛り上がっていると思います。みんなで作った晩ごはんを食べて、みんなでキャンプファイヤーをして、そしてみんなで寝るわけです。ただそれだけのことですが、明らかにいつもの日常とは違います。いつもは家族で過ごしている時間を友だちと共有する、一種の家族体験、家族で行う役割をみんなで体験する場です。ホームページなどで様子を紹介していく予定なので、ぜひそちらも見てください。
自分は○○がしたい、自分は△△が好き!と自分の思いを表明している姿は園内のあちらこちらで見られるので珍しいことではないのですが、それでも見るたびに「すごいなぁ」と感心させられます。自分らしさを保ち、自分の意見を人前で堂々と表明できること。そのためにも自分自身を肯定的に捉え、なおかつ周りの人を信頼すること。子どもたちにはそんなことを大事にできる人になってもらいたいと常々思っているのですが、お集まりの様子を見ていてますますその思いは強くなりました。
自分を肯定的に捉えるというのは、自分の強みを知り、その強みに自信を持ち、そしてそんな自分を好きになること。このことを基盤として、自分と他人があらゆる点で違っていることも受け入れられるようになってほしい、社会の一員として様々な人の違いを認め、様々な人がいることを当たり前と思えるようになってほしい、そんな風に思っています。「自分の思いを表明する」という話からずいぶんそれてしまいましたが、「自分の思いを堂々と表明する」「自分を好きになる」「他人との違いを受け入れられる」「いろんな人がいる社会を豊かだと思う」といったことは、ふかーいところで繋がっていると思うんです。なんだかいつも以上にまとまりがないですね。
さて、この「ひとりごと」がみなさんのもとに届く頃には、ぞう組さんたちはお泊まり保育で大いに盛り上がっていると思います。みんなで作った晩ごはんを食べて、みんなでキャンプファイヤーをして、そしてみんなで寝るわけです。ただそれだけのことですが、明らかにいつもの日常とは違います。いつもは家族で過ごしている時間を友だちと共有する、一種の家族体験、家族で行う役割をみんなで体験する場です。ホームページなどで様子を紹介していく予定なので、ぜひそちらも見てください。
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