2015年8月21日

No.408 誰も「そんなこと無理だろう」と言わなかった




2年前のことなので忘れておられる方も多いかもしれませんが、2013年8月にエジプト考古学者の河江肖剰さんがあさり保育園へ来てくださいました。その年は「世界を体験する」というテーマを掲げていて、エジプトの話をたくさん聞かせてもらったり、古代エジプトで使われていたパピルスという紙に絵を描いたりミイラ作りをしたりと、楽しい体験をさせてもらいました。

その河江さんが、この度ナショナルジオグラフィック日本版の「日本のエクスプローラー」の1人に選ばれたことを知りました。地理学、人類学、自然・環境学、ポピュラーサイエンス、歴史、文化などを扱っている世界中で読まれている雑誌で、そこで連載をスタートされることになったようです。早速第1回目を読ませてもらったのですが、そこにはどのような経緯でエジプト考古学に取り組むようになったかが書かれていて、エジプトについて学びたい、考古学をやっていきたいという強い思いをずっと持ち続けておられたことが今につながっているという印象を受けました。「やってみたい」という意欲は、そのことに対する好奇心から生まれてきます。あさり保育園では意欲的に活動する子どもたちに育ってくれることを目標としているので、「いかにして子どもの好奇心を高めていくか」については保育を行う上で常に考えていることです。河江さんが行動してこられたことはあさり保育園の保育の考えにも通じるところがあると思い、それを河江さんに伝えたところ、次の言葉が書かれたメッセージが返ってきました。

『記事の中でも述べたように、一番有り難かったのは、誰も「そんなことできない」とか「無理だろう」と言わなかったことでした。』




これはすごく大事なことですよね。何のツテもないけどエジプトに行きたいと言われるケースはまれでしょうが、例えば子どもが「○○をやってみたい」と言ったときに、それをそのまま受け入れることができているだろうかと、思わず考えさせられました。「えっ、ほんとにできるの?無理じゃないかなあ。」と思うことが悪いこととは思いません。ただ、子どもの思いを大人がどう受け止め、どう返すかは、子どものその後の行動や心情に大きな影響を与えることだけは自覚しておく必要はあります。子どもの何を伸ばしたいのか。どんな人になってほしいのか。そのためにはどう子どもと向き合えばいいのか。そんなことを時々自分自身に問いかけてみることも必要でしょうね。

2 件のコメント:

  1. 保育士をしている者です。
    大事なことですね。
    子どもと向き合う姿勢、改めて心にとめて 接していきたいです。

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    1. コメントありがとうございます。
      自分の姿勢を日々振り返ることはすごく大事なことで、すごく難しいことでもあると思っています。
      だからこそいろんな方から刺激を受け、それを振り返るきっかけにし、丁寧に日々を過ごしていきたいですね。

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