他人を理解しようとする力を子どもは持っているのか?このことを検証するためのおもしろい実験を教えてもらったので早速試してみました。「大人がケガをしている手でタッチを求めたら、子どもはどんな反応を示すのか?」という実験です。この実験には手順があって、いきなりケガをして登場するのではなく、ケガをする過程を子どもに見せるところから始めます。今回はハサミを使った作業をしている時に左手を切ってしまい、「痛っ!」と声を上げる演技から。そして痛そうな顔をしながら手のひらに絆創膏を貼るところも見せます。その後「みんなが手にタッチしてくれたら早く治るかもしれない。」と言いながら、子どもたちの前に両手を差し出します。その手に対してどのような反応を示すかを見るわけです。思いつきで急に行った実験だったため、0歳児2人、1歳児5人、2歳児2人、3歳児2人、5歳児3人の計14人でした。
結果はだいたいみなさんの予想通りだと思います。「優しくタッチしてくれた」が9人(1歳児5人、2歳児2人、3歳児1人、5歳児1人)。「ケガをしていない手のみにタッチ」が1人(0歳児)。「じっと手を見てタッチしなかった」が1人(0歳児)。「普通に両手にタッチ」が3人(3歳児1人、5歳児2人)。優しくタッチしてくれた子は痛そうな表情をし、タッチしかけた手を一度止め、その後優しくタッチというのがほとんどでした。全て演技だったため、みんなが心配してくれるのを見ていてちょっと申し訳ない気持ちになりましたが、気遣ってくれた姿にうれしくなりました。「普通にタッチした」3人に対しては私なりの解釈があります。5歳児の1人は私の下手な演技を最初からずっと見ていました。そして手のひらの絆創膏がキレイなのも見て感覚的に演技だと見抜き、これは大したケガではないと判断したのではないかと考えています。残りの2人もそれに近い判断をしたのかもしれません。
今回試した子の数は少ないですが、子どもは他人の気持ちを理解しようとする力を持っていると思います。しかも0歳児も同じような反応を見せたことから、かなり小さいうちから(生まれた時から?)とも想像できます。でもわざわざ実験しなくても、こうした姿は家庭でも見ることはできますよね。ですが一般的な認識は少し違います。小さいうちは他者と関わるための高度な力を持っておらず、3歳くらいからついてくるという認識が多いのが現状だと思います。そうした認識に対してこのような子どもの姿を示すことで、「こんな力を持っていますよ」と声を届けていきたいんですよね。今後もこうした実験をいろいろ試していきたいと思います。
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