8月に入ってからのこと。中学3年生のN君が夏休みを利用して保育体験に来てくれていました。N君はあさり保育園の卒園児で、「B先生みたいな保育士になりたい」という夢を持っています。火曜日と木曜日が来てくれる日で、昨日が最終日でした。今回の保育体験は「園長先生、話があります。」と来てくれたことから始まりました。部活も終わって時間があり、保育士になりたいから保育園に行ってみたいけど…と悩んでいたところ、お願いしに行ってみたらと両親から勧められたそうです。お願いに来てくれたときの堂々とした態度にまず感心し、そして保育士になるという夢を持ち、そこに向かって進もうとしている姿にすごく嬉しくなりました。
保育士という職業がニュースでも頻繁に取り上げられていますが、その代表的なのは「保育士が不足しているのは処遇がよくないからだ」という内容で、それだけを聞かされるとこの仕事に対して良いイメージを持ちにくいのが実際のところだと思います。その内容が全くの間違いだとは言いません。国には保育士という職業の大切さをもっと理解してもらい、処遇についてもっと考えてもらいたいと常々思っています。でも、保育士を増やしたいのであれば、「保育園は将来の社会を担っていく子どもが多くのことを学ぶ大切な場で、社会にとって非常に大きな役割を持っている」「だからこそ保育士はやりがいがあって、しかも楽しい仕事なんだ」というアピールを積極的にすべきだと思っています。そんな思いがあるので、保育体験に来てくれた子たちに対しては、まず保育の楽しさを感じてもらうことを大事にしています。そして相手に応じてではありますが、保育園の大事な役割についても説明する機会をできるだけ設けるようにしています。
あさり保育園にはN君以外にもたくさんの子が来てくれます。年齢も様々です。高校を卒業した後、「4月から保育の学校に行きます!」と報告に来てくれた子もいました。保育園に来てくれる全ての子が保育士を目指しているわけではないでしょうが、どんな理由であれ来てくれるのは嬉しいことです。保育園の主な利用者はもちろん園児とその保護者ですが、地域の施設として多くの人に関心を持ってもらい、その子なりの意味を持って来てくれるのであれば、こちらは保育体験を喜んで受け入れます。興味のある子がいれば、ぜひ勧めてあげてください。
実は今回は「子どもの自立と親子の距離感」について、最近考えていたことを書くつもりだったんですが、保育体験最終日のN君の様子を見ていたら、そのことについて書きたくなってしまいました。
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