先週のことですが、もちつき会が無事終わりました。祖父母のみなさんと一緒に取り組む形から、そこにお父さんお母さんにも参加してもらう形に変えたのが2年前。今の祖父母は餅つき経験が豊富だけど、次の祖父母(つまり今のお父さんお母さん)は経験する機会があまりなかったのではないか?だとすれば今の園児が親になったとき、餅つきの文化を伝えてくれる祖父母はかなり少なくなってしまうんじゃないか?そんなことを考え、子どもたちに餅つきの文化を伝えるだけではなく、お父さんお母さんも巻き込んでみんなで教わる場を作っていくことにしました。
嬉しいことに、技の伝承が行われている場面を今回も見ることができました。「こうやってやるんだ」と実際にやってくれるのを見て、そこで理解したことを今度は自分でやってみることで定着させようとしている様子を見ていると、子どもが上の子の姿を見て刺激を受け、実際に体験することでできることを増やしていく様子と似ていることに気づきました。子どもの成長も文化の継承も、どちらも短時間で効率的に行う方法はありません。手間もかかるし時間もかかるものです。それを個人の力だけでやっていくのはかなり大変なことなので、保育園がそこに深く関わり、多くの人を巻き込んで進めていかなければと、改めて思わされたもちつき会でした。
もちつき会とは関係ない話を少しだけ。ついたお餅は餡子、きな粉、醬油の3つの味でいただきました。餡子は前日に保育園で作ったもので、とても美味しい粒あんでした。その粒あんを食べながら、やなせたかしさんが粒あんについて話されていたことを思い出しました。アンパンマンの頭の中身が何故こしあんではなく粒あんなのか、という話です。やなせさんご自身がこしあんより粒あんが好きだったこと、粒あんの形状を脳みそに見立てていたことなども理由のようですが、別の理由もあるそうです。それは「社会にはたくさんの粒がないといけない。たくさんの人がいて、ひとつのことができる。こしあんにしてしまうと一粒一粒が残らないから。」というものです。これ、いい話ですよね。粒(個性)をすりつぶして均一にしてしまうのではなく、たくさんの粒を残した社会を目指さなければいけないと、子どもたちに伝わるかどうかは分からないけど、やなせさんはアンパンマンという漫画で表現してこられたわけです。そんな話を思い出しながら、「やっぱりいろんな粒がたくさんある方がいいよなあ」と、大好きな粒あんとお餅をいただきました。
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