以前からぞう・きりん・くま組のお昼寝の準備は、主にぞう組さんがおこなっています。ごはんを食べて着替えなどが終わると、自分たちで何分までに布団敷きを終わらせるか"宣言"した時間までに終わるように、協力して布団を敷いていきます。時間までに仕事が完了すると、楽しい遊びができる「特別な時間」が待っています。子どもによってごはんを食べるペースは様々なので、時間の設定もなかなか難しいと思うのですが、ぞう組さんたちはあれこれ考えながらやっています。
そんな布団敷きですが、昨日はこんなことがあったと報告を受けました。ぞう組さんはいつも通り時間を決めてやっていたのですが、時間内に終わらせることができなかったようです。しかも、中にはその時間ぎりぎりまで他のところでサボっていて、時間になる頃に布団敷きにやってくるという子がいたとのこと。そこに関わっていたM副所長はこのことを「いい機会」と捉え、時間までに終えることができなかったことを理由に、楽しい「特別な時間」をやめて「話し合いの時間」を設けたようです。
この話にはいろんな意味があると思います。サボっていたのは確かに良くないことではあるけど、この布団敷きのルールにはこのような"抜け道"が存在します。それを見つけて実行するには、時間を意識して行動することが必要です。そう考えると今回のサボりの実行は、ある意味では子どもの成長とも言えると思います。そして一番大きい意味は、自分が楽をしようとしたことで、より大きなみんなとの楽しみを得られなかったことを体験した点だと思っています。自分さえ良ければという考えの先に、集団の充実は待っていません。個が十分に発揮され、さらに個人個人が協力することで、より大きな楽しさにつながっていきます。このような体験の繰り返しによって、子どもたちは協力することの意味やルールの意味を学んでいくと思っています。
例えばこの件は叱責で収めることもできます。しかしそれでは見かけ上は収まっても、決して『育ち』には至らないと思っています。解決のために、子どもたち同士の話し合いに持ち込んだことは、まさに今私たちが取り組んでいる保育のエキスが詰まっていると考えます。
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