以前も紹介しましたが、あさり保育所では「子育て支援事業(わくわく広場)」と「一時保育事業」を行っています。今は県内でも全国でも非常に数多く行われているこの事業ですが、昔はほとんどなかったのではないかと思います。なぜこれらの事業が現在あちこちで行われているのか、その背景を考えてみたいと思います。
まず今の家族と昔の大家族を比べてみます。わかりやすいように大家族として「サザエさん」の一家を例にしてみます。ご存じのように、サザエさん(永遠の24歳)は専業主婦で働いていません。またサザエさんの子どものタラオちゃん(タラちゃん)は、いつまでたっても就園年齢にならないので幼稚園も登場しませんが、サザエさんは専業主婦なので保育園はこれからも登場しないでしょう。そのかわり、サザエさんが子育て不安に陥り、育児ノイローゼになったり子育てに自信をなくしたりするような場面は想像できません。
そうした話と無縁に思えるのは、タラちゃんの相手をする周りの子どもや大人がたくさんいるからです。父親のフグ田マスオさん(姓は磯野ではないので、養子ではなく二世帯同居家族)をはじめ、本当はおじさんとおばさんにあたるカツオとワカメ、それから祖父の波平と祖母のフネ、それにサザエさんのいとこにあたる波野ノリスケの子どもイクラちゃんなど、世話をする大人や遊び相手がたくさんいることが大きいと思います。公園で迷子になったら三河屋のサブちゃん(酒屋)が勝手口から連れてきてくれます。こんな大家族や地域社会が、サザエさんというアニメに「子育て支援」や「一時保育」などを必要としないのです。サザエさんの子育てを支えるもの、それは大家族です。タラちゃんという一人っ子を多様な社会関係(疑似兄弟関係や地域社会)が取りまき、間接的にサザエさんの子育てサポートをしていることがわかります。
これが全てではありませんが、昔はこのように「子育て支援事業」や「一時保育事業」がなくても家庭や地域社会が親の子育て(当然子どもの育ちも)を支えてくれていました。今はどうでしょうか。ずいぶんと社会は変わってしまいました。来週は家庭と保育所の違いにも触れながら、この続きを考えたいと思います。
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