子どもは保育所の生活の中でも社会のルールを学んでいきます。個人差はあるにしても、1歳後半から2歳前後になってくると自分でやりたがる自発性が顕著にみられるようになり、やっていいこととやってはいけないことを繰り返しの中で生活習慣として覚えていくようになります。3歳近くになってくると何がよくて何がよくないのか、善悪の判断をその都度覚えなくてはならない場面がたくさんでてきます。
しかし皆さんもよくご存知のように、そう簡単に社会のルールを守ることが身につくわけではありません。保育所でも「どうして友達同士でうまく譲り合いができないんだろう?」「この前まではこのルールを守れていたのに何故?」という場面にたびたび出くわします。その都度職員は頭を抱えながら対応を検討しあうのですが、あっさりと答えの出る課題ではないので、悩みはどんどん深くなります。このことは子どもが育っていく過程で必ず直面する課題であるため、毎年のように、そして毎日のように、私たちは向き合っていかなければいけません。だからこそこの大事な課題に対しては、常に議論しあって丁寧にぶつかっていきたいと考えています。
心がけることは「繰り返し繰り返し」です。一度や二度子どもに話したからといって、すぐにできるようにはなりません。根気よく繰り返し、適切な行動や方法を、こうすればいいんだよ、ということを伝えていくことです。やりたいという欲求と守らなければならないルールのバランスをとれるような体験の積み重ねが大切だと思っています。
そしてもう1つ、やはり大切なのは「子どもを信じること」だと思います。今は見えない子どもの力や可能性を信じて結果を焦らずに待つことが、子どもの内面で大きな意志が膨らむことにつながっていくと思います。子どもは大人ではありません。社会のルールについてまだ考えられないからこそ、子どもです。言われたことをすぐに理解して行動に表せないからこそ、子どもです。自分のことがやっとできるようになったばかりで他人の気持ちを思ってうまく関われないからこそ、子どもです。そんな子どもたちを焦らずに待つことができているか。自分自身に問いかけながら、こんなことを書いてみました。
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