2008年9月5日

No.61 子どもに伝えたい『自由』の考え方について

前回は、運動会で選ぶことを取り入れていることに少し触れました。保育所では普段の生活の中でも自分の行動を選ぶことを、日に何度も経験するようにしています。これは、自分の意思で決め、自分の意思で行動することができる力を子どもたちにつけてもらいたいという考えです。そしてこの「選ぶ」活動を繰り返す中で、「自由」ということの考え方の基礎を伝えていきたいとも思っています。

「自由」をどう解釈するか、これはとても難しいことだと思っています。「自由」という意味を辞書で調べると「勝手気ままであること」と出てきます。確かにこれも「自由」の一面かもしれませんが、子どもたちに伝えたい「自由」の考え方は少し違います。そのことについて少し書いてみようと思います。

例えばバスに乗ることを考えてみてください。バスは「どこでも自由に乗り降りができる」ことになっていますが、停留所ではないところでも乗れるのか、お金を払わなくても乗れるのかというと、そうではありません。乗るときも降りるときも停留所でなければいけないし、きちんとお金も払わなければいけません。でもそれをきちんと守ることができれば、自分の行きたいところに行くことができます。「あなたはここで乗ってあそこで降りなさい」と決められて行動するのではなく、「ここで乗ろう。ここで降りよう。」と自分の意思で決めて行動することが『自由』だと考えています。自分で行きたい場所を考え自分で降りる場所を決められるように、自分の好き勝手にするのではなく、当然他の人に迷惑をかけないように、守るべきルールを守った上での「自由な選択」ができるようになってもらいたいと思っています。

最初にも書きましたが、私たちは子どもたちに自分の意思で行動する力をつけてもらいたいと思っています。「いいこと」「悪いこと」を自分で考えられるようになったり、やりたいことを自分で選択できたり、そんな力をつけてもらいたいという考えで、保育の内容を計画しています。ただし、そういう保育を行うためには、子どもたちにどこまで選択する力が備わっているかを把握していなければいけません。そのことについては機会をみて、そして自由について違う面からも書いてみたいと思います。

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