2008年8月29日

No.60 一人ひとりの違いを認め合うこと

今年の運動会も子どもたちが「選ぶ」ことを取り入れた種目を計画しています。得意なことやできるようになったことを子どもたちが選び、自分で選ぶことによって主体的に取り組む姿を保護者の皆さんに見てもらいたいと思っています。子どもは一人ひとり違います。それは大人も同じです。一人ひとりの成長に違いはありますし、当然得意なことやできることも違っていて、私たちは普段からその違いを大切にするように保育をしています。

このことを考えるとき、『チームワーク』という言葉が頭に浮かびます。複数の人と共に活動するときチームワークが必要になりますが、"いいチームワーク"というのは、「あなたがAをするなら私もAをする」というのではなく(もちろんそれも大切なときはありますが)「あなたがAをするなら私はBをする」といった、個々の特性を生かしながら全体として1つの目的に向かって進んでいけることだと考えています。

子どもが得意なことに主体的に挑戦している姿に刺激を受けて、別の子も自分の得意なことに積極的に挑戦することがあります。「個」を出すということは一人ひとりが違ってくるということですが決してバラバラになることではなく、それが集団や活動を豊かにすることにもつながります。一人ひとり違っていて、それを認め合うことは当たり前のことだと考えられる風土を作っていきたいと思っています。このことは子ども社会だけでなく、社会全体にも今特に求められていることのような気がしています。

互いに支えあう社会をつくろうということで、他と同じようにすることを目指した「共同体」という言葉がありますが、今は異なったものが共に認め合う集まりという意味で『共異体』の社会が必要だと思います(共異体とは「共に生きる(共)、違いを認め合う(異)、社会を形成する(体)」という意味の造語です)。生き生きと個を発揮し、そのことを誰もが認め合う関係を、保育所時代に実体験として感じてもらいたいと思っています。運動会の話から飛躍しすぎた感じはありますが、保育所の日々の活動や行事を通して子どもたちに伝えていきたい大切なことと捉えていますので、ここで書かせてもらいました。

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