2009年6月5日

No.97 あさり保育所のヒミツ②

今回は乳児室の障子と飾りについて書きます。乳児室の窓は夕方になるとどうしても西日がきつくなり、それを防ぐためにカーテンを使っていたのですが、昨年度その窓に障子を設置しました。障子を使うことが日本では少なくなってきているようですが、外国では逆にそれがブームになっているようです。和紙も同じです。特に障子や和紙を通した光が注目されています。蛍光灯や電球のあかりや太陽の光も、障子や和紙を通すことで柔らかくなり、癒しを感じる効果があります。









また、日本の文化を見直すという意味もあります。どの国でもそうですが、長い年月をかけて、その土地の風土に合わせてつくられてきた文化があります。その文化を大切にするということは、自分がその国の、その土地の一員であることを意識することができます。その意識を所属感とも言いますが、自分は日本人で島根県に住んでいてあさり保育所の一員といったように所属感を感じることは、子どもたちの情緒の安定には欠かせないことです。自分の足元をきちんと固めることは、自発的な活動の支えになります。手ぬぐい・すだれ・反物などを環境に取り入れているのも同じ理由です。

次は飾りです。乳児室には天井からの装飾がいくつもあります。赤ちゃんが目で追えるのは風で動くくらいの速度だと言われているので、人の動きや風によってかすかに動くような装飾はこの部屋にぴったりです。そよ風、小川のせせらぎ、ろうそくの炎などの様々な自然現象の中でみられる、ランダムでも単調でもない動きのパターンは、人に快適感や癒しを与えると考えられています。人の心拍の間隔なども同じパターンだということが発見されています。このように人の気持ちに沿う速さで動く装飾は園舎全体に取り入れるようにしています。ゆったりと時が流れていくような、見ていて心が癒されるような、そんな要素を持った環境も大切にしたいと考えています。


0 件のコメント:

コメントを投稿