2009年10月9日

No.114 みんな違ってみんないい

台風18号の被害がこのあたりはそれほど大きくなく、昨日の親子遠足は予定通り行うことができました。他県ではかなりの被害が出ているところがあるようで、自然の怖さをあらためて思い知らされました。保育所の行事もこうした自然の力に逆らうことはできないので難しさはありますが、基本的には中止したくないというスタンスで、それでも決して無理をすることのない判断を今後もしていきたいと考えています。

自然の話でスタートしたので、自然から考えさせられた話を紹介します。保育所にもメダカが住んでいる小さな「ビオトープ」が園庭の隅にありますが、このビオトープは別名「トンボ池(トンボが卵を産むための池)」とも呼ばれます。トンボは飛行距離があまり長くないので、ある限られた区域の中だけで生活することになります。その中で遺伝子を残すために繁殖を繰り返すわけですが、そうすると持っている遺伝子の種類が限られてきて、同じ種類の遺伝子になっていきます。そこに何か病気がパッと入ってくると、その集団は一斉に病気にかかり全滅してしまうそうです。同一の遺伝子のみの集団は病気や環境の変化に弱いため、いろんな遺伝子があることも必要だということです。

私たち人間も生き物である以上、遺伝子を残していくという本能の働きがあります。もし人間が1つの遺伝子、1つの役割や価値観しか持たなかったとしたら、どこかで人類は滅びていたであろうとも言われています。だからいろんな遺伝子や役割、価値観を持った人が存在していると考えられています。男と女で役割が違っているのもそうでしょうし、様々な性格や能力を持った人がいるからこそ、人類が繁栄してきたとも言えると思います。そして、誰かが「○○じゃないかな」という意見に対し「いや、私は△△だと思うよ」と言うように、様々な考え方があることもとても大切なことです。そうした個々の違いを認められること、全ての人がそれぞれ違う役割や価値観を持ち、それを生かしながら集団を作っていくことは、人が生きていく上で重要なことだと思っています。

金子みすずさんの「みんな違ってみんないい」ではありませんが、違いがあることには大事な意味があり、その違いを互いに尊重しあうことに生きる意味感じることのできる、そんな人になってもらいたいなぁと、子どもたちを見ながら思います。

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