2009年12月25日

No.124 役割を見つけるということ

今年最後の「ひとりごと」です。突然ですが、俳優のトム・クルーズはLD(学習障害)で読字障害をもっているそうです。台本が手渡されるとスタッフにそれを読んでもらい、自分のセリフだけではなく、全部のセリフを暗記して撮影にのぞんでいるようです。字は読めないけれど、彼には豊かな演技力があり、それを活かすことで多くの人に感動を与えています。また発明家のエジソンは非常に好奇心が旺盛で、「なぜ物は燃えるのか」を知りたくてワラを燃やしていたら納屋に延焼してしまったという逸話もあります。これは彼がLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)であったからではないかといわれています。でもそんな彼をよく理解し徹底的に好奇心を満たしてくれた母親がいたからこそ、自分の好奇心が科学の根本であることに気づくことができ、人類にとって貴重な発明(電球など)につながっていきます。

エジソンのことをもう少し書くと、彼の伝記の中で有名なのが小学校を退学させられたことです。入学してからわずか3カ月で放校処分になるほど先生の手を煩わせたようです。たとえば、「1+1=2」を教師が粘土を例にして教えていた時、エジソンが「1個の粘土と1個の粘土を合わせても、大きな1個の粘土になるだけなのになぜ2個になるのか」と聞いて、教師がエジソンを「腐れ脳ミソ」と罵倒したというエピソードが残っています。母親がエジソンの得意なところを伸ばそうとしていなかったらどうなっていただろうと思います。

私たちは普段子どもたちと接していて、子どもたちは様々だということをいつも感じます。子どもだけでなく大人も含めて、人はそれぞれ違っていて、社会に対してそれぞれの役割を持っています。一人ひとりの良いところや得意なところを見つけ、それを伸ばしていくことが、その子自身が自分の役割を見つけていくことにつながると思うからです。私たちは保育の中でそんな考え方を大切にしています。人はそれぞれ違っていて様々だということを認め、その上で社会を作っていくために自分の役割を見つけ、それをどう発揮していくかを考えることの大切さに気づける人になってもらいたい、そんな願いを子どもたちに対して持っています。そのためには、まず私たちもそんな思いを強くもたなければいけません。大きなテーマですが、「共生」と「貢献」ということについて、まだまだ深めていきたいと思います。

今年も1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

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