2010年2月5日

No.129 なかよしテーブルについて

ランチルームの側にあるオルガンの後ろに、小さな丸いテーブルが1つ、イスが2つ置いてあります。このテーブルは『なかよしテーブル』といって、昨年11月に設置されました。他の子どもともめごとが起きたとき、そこへ行って話し合いをするための場所です。このテーブルには4つのルールがあります。そのルールとは、「しっかりお話をする」「自分の気持ちを言う」「相手の話を聞く」「最後には仲直りをする」です。これは子どもたちと話しあって決め、大事な約束としてテーブルに貼ってあります。

以前は、喧嘩が起きると話し合いをするように促したり、時には職員が仲裁役のような形で関わったりしていましたが、子どもたちに関わる力がついてきたこともあり、そのための場所を用意すれば子どもたちだけ何とかするのではないかと考え設置することにしたわけです。うまく使ってくれるだろうかという心配が少しはありましたが、子どもたちは本当に上手に?なかよしテーブルを使ってくれています。

子どもがそのテーブルに向かうと、職員はよほどのことがない限り関わることはありません。子どもたちは、最初は何も言わずに長い間じーっと向き合っていることが多いのですが、そのうちに涙を流しながらでも自分の思いを言葉で主張し始めます。そしてその思いを相手の子はちゃんと聞いています。そんなお互いのやりとりが続いたと思うと、ほとんどの子がすっきりとした表情でその場を離れていきます。大人からしてみれば、今の話し合いで納得できたの?と思うこともありますが、本人同士が納得しあっているのであれこれいう必要はないのかもしれません。

人格形成ということを考えたとき、心豊かにするといった抽象的なことがすぐに浮かんできますが、「人間が社会の中で人間として生活できるように」することが人格形成の目的でもあると捉えると、物事を論理的に見つめ、それを論理的に人に伝える説明能力を養うことも、実は大事な部分ではないかと思います。これからますます求められるようになる問題解決能力やコミュニケーション能力にもつながっていきます。月曜日から保育参観が始まります。もしも「なかよしテーブル」でのやりとりに出くわすことがあれば、その様子をそっと見守ってあげてほしいと思います。

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