2010年4月9日

No.138 役割の交代

新年度になって1週間が過ぎました。毎年この時期楽しみにしているのが、年長児の「役割の交代」による活躍です。昨年度の年長の子どもたちの卒園を待ちわびていたように、今年の年長児がリーダーシップを発揮し始めます。布団敷きや小さい子のお世話など、一見「大変な役割」に思えることを、保育所ではお兄ちゃんやお姉ちゃん達がまず進んでその役割を引き受けてくれます。「憧れの年長クラス」になれたことを誇りに思っているのを感じます。

子どもの様々な遊びには「役割の交代」があります。例えば鬼ごっこでも鬼につかまれば鬼を交代しなければならないし、長縄跳びなんかでも縄を回す係を時々交代しなければ面白くありません。更にその「役割の交代」は自発的なもので、「さっきから◯◯ちゃんが縄を回しているから今度は私が回すね」と自発的に役割を交代し合うことが出来る関係が、子どもの集団を支えていくことになります。時には「◯◯ちゃんはまだ小さいから、飛ぶだけでいいよ」と、思いやりで役割を免除してあげることも大事な点です。そしてその「小さい子」も大きくなれば役割を引き受け、小さい子に対しては「飛ぶだけでいいよ」とその子の分まで役割を引き受けることにつながっていきます。そうした役割を保育士が引き受けることは簡単ですし、それで遊びも成立するでしょうが、本当の意味での子ども集団の遊びとは言えません。やはり子ども集団の遊びは、子どもたち自身がそれぞれの役割を引き受けて・・・でなければいけません。

子どもの世界に限らず、大人の世界にも当然あるこうした「役割の交代」は、集団や社会を形成する上でとても重要なことですが、この「役割」の重要性の認識が薄くなり、役割を引き受けると「損をする」という考えが多くなってきているような気がします。子ども時代から集団での経験をする機会が減ってきていることも、関係していると思っています。「役割」の重要性を感じ、「役割の交代」が自発的に起きる場を用意することは、今の時代の保育所の大切な役目です。集団あそびや、役割のあるごっこ遊びなどが、これからどのように行われていくか、注目して見ていくことにします。

先週の保護者会総会では、一部のクラスで役員の定員数を超える立候補がありました。保護者会役員という「役割」を、「今度は自分たちが!」と積極的に捉えてもらっていることを嬉しく思います。そんな「役割の交代」が行われる保護者会に頼もしさを感じました。ありがとうございます。

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