前回「雨の日の散歩」について少し触れました。子どもたちにぜひ体験させたいこととして、私たちが積極的に保育に取り入れていきたいと考えていることです。と思って雨の日の計画を立てていたら、梅雨にも関わらず何故か雨が降ってくれなくなりました。自然から何かを学ぶというのは、思い通りにはいくことばかりではないことを学ぶことでもあるのかもしれません。そんな現状ではありますが、先週S保育士が全国私立保育園連盟という団体の研修に参加し、そこで聞いた“雨の話”にとても興味をもったとの報告を受けました。その話はとても参考になることが多かったので、ここで紹介します。
その話は、フィンランドで教育に携わっている藤井ニエメラみどり氏が、フィンランドの乳幼児教育を紹介してくれたものです。フィンランドといえば、OECD(経済協力開発機構)の2003年の生徒の学習到達度調査(PISA)で、読解力と科学的リテラシーで1位、総合成績でも1位という結果となり、世界的に注目を浴びるようになったことでも有名です。そんなことから、そこにつながる保育のあり方についても、当然注目を浴びています。
そんなフィンランドですが、幼児施設ではほとんど毎日森へ遊びに行くようです。それは雨の日も同じで、室内で遊ぶのではなくレインコートを着て出かけるそうです。子どもにとっては雨も教材であり、遊び道具となります。雨には雨の良さがあると考えているようです。そして、こんな言葉が紹介されました。『天気に良いも悪いもない。悪いものがあるとしたら、その天気にそぐわない服装をすることである。』というものです。晴れでも雨でも、その天気を生かせるかどうかは私たち次第ということを教えてくれている、とても力のある言葉だと思います。
少し前まで私たちは「雨が降ったら園舎内でいかに遊ぶか」を考えていましたが、子どもたちにとっての大事な教材である雨をもっと活用しようという発想に切り替えることにしました。雨の日の独特の匂い、雨の冷たさや心地よさ、普段は何も無いところに小川ができ、次々に水たまりできていくのを見た時のワクワク感など。皆さんも経験があると思います。今子どもたちに必要なのは、そうした様々な体験です。その体験が探究心を高め、後の知識の獲得へつながっていきます。雨の体験ができる日が来るのを楽しみに待つことにします。
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