先週の土日に、ぞう組さんがさくら保育所のひまわり組さん(年長児)と一緒にお泊り保育を行ないました。いろいろ感じることはあったのですが、その中から1つだけ取り上げてみます。お泊まり保育は決まった流れがある中でいつも生活している友達と過ごすものではありますが、とはいっても初体験のため、日常の保育とは違って、実際にはどうなるんだろうといった不安が当然あったはずです。その中で、「どうなるか分からないこと」に向き合いながら丸1日過ごしたことは、子どもたちとって得るものの大きい体験だったと思います。
子どもは「どうなるか分からない」新しい体験に次々挑戦することで成長し、世界を広げ、自分を作り上げていきます。でも、そのためには「どうなるか分からない(不確実である)」ことだけではダメで、「分かっていること」「安心感があること」が同時になければいけません。その状態でこそ、自発的に新しいことに挑戦しようという意欲が湧いてくるからです。
これは親子の愛着関係でもよく言われることですが、例えばイギリスの心理学者ジョン・ボウルビィという人が「安全基地」という言葉で説明しています。『人間は生まれたときから新しいことに挑戦することで成長を遂げるわけだが、新しいことにチャレンジするには意欲が必要になる。その意欲を支えるのが「安全基地」。赤ちゃんが次々と探索活動をすることができるのは、自分のことを見てくれていて、必要なときにはいつでも助けてくれる、そんな親の存在=安全基地があるから。』といった内容です。これが愛着関係だと言っています。いつも見てくれているという安心感を子どもが感じていることが、不確実な未知の世界へ挑戦していく意欲を支えているわけです。
日曜日の朝、お迎えに来られた保護者の皆さんの表情から、我が子に対する思いが伝わってきました。皆さんが子どもの安全基地になっているからこそ、子どもたちはお泊り保育をやり切ることができたんだと、あらためて感じました。またぞう組以外の子も、安全基地があるからこそ普段の生活の中で次々と新しいことに挑戦できているんだということを、再確認することができました。見守られている安心感が子どもの自発的な活動を生み、その体験の積み重ねが世の中の不確実なことに対応していく力につながっていくことを、強く実感できた活動でした。
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