2011年4月15日

No.189 社会の一員として

来月の話になりますが、保護者のOさん夫婦が保育所にピザを作りにきてくれることになっています。4月19日にオープンするお店のシェフをされるOさんから「子どもたちにピザ作りを体験させてあげたい」というお話があり、面白い体験になりそうだったのでその提案をありがたく受けることにしました。アレルギーのある子も食べることができるように使う食材もあれこれと検討してくれていますし、焼くための釜は園庭に手作りのものを用意する計画も立ててくれています。子どもたちにいろんな体験をさせてあげたいという思いもすごく伝わってきて、ほんとうにありがたく思っています。

少し大きな話になりますが、保育を考える上で押さえておく必要があることとしてこんなことを考えています。人類は社会を形成して、その中で社会の一員として役割を分担して生きてきたという歴史があります。人は赤ちゃんの時から少しずつ社会の一員としていろいろなことを学んでいきます。それは、人との関わりの中で生まれてきます。そして、その関わりが薄くなるのが少子社会だと思います。少子社会では子ども同士の関わりだけでなく、地域との関わり、社会との関わりも希薄になり、逆に、親子の関わりが必要以上に強くなることも意味します。今は間違いなく少子社会です。そんな時だからこそ、子どもたちに社会の一員となる意識をつけ、その中で自分の役割を見つけ、自己の主体性を発揮しながらともに生きる社会をつくる基礎を培っていく必要があると考えています。

来月のピザ作りには“作る過程”を楽しむという目的もありますが、こうした料理を得意とした人がいて、そんな仕事もあることを感じてもらいたいという目的もあります。いろんな人や役割、職業に触れることは社会を知るためにとても大事なことです。こうした活動を通して、社会には様々な役割を持った様々な人がいるということを感じてもらえたらと思っています。そして、その体験を少しでも楽しくできるようにあれこれと工夫をすることが、子どもたちに関わる私たちの役割でもあるのでしょう。職員が自分の興味のあることや得意なことを子どもたちに披露しているのには、そうした理由もあります。ということで、保護者のみなさんの中で「こんな特技を子どもたちに見せてあげたい」とか「こんな仕事の様子を見せてあげたい」といったことがあれば、ぜひ教えてください。“社会のいろいろ”を体験させてあげたいですね。

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