2011年4月22日

No.190 コミュニケーション=対話

新年度がスタートして3週間経ちました。いろんな活動を行っていくたびに、子どもたちの個性や今年度の集団の特徴が見えてきます。今私が感じているのは、誰かが前に出て話をするときに集中して聞くことができている、ということです。これは前で話す人の問題でもあるのですが、こちらに気持ちを向けてくれているというのが伝わってくるだけで話す方は安心できます。朝夕のお集まりや集会などでの子どもたちの今後の様子も楽しみです。

「聞く」に関連することで、今子どもたちに必要とされている力「コミュニケーション能力」について書いてみます。この力の注目度は高く、あちこちでその重要性について耳にする機会が増えてきました。この「コミュニケーション能力」は私たちも大事にしているのですが、例えば上に書いたような“大人が前で話しているのをしっかりと聞く”ということとは少し違います。今の社会で必要とされているのは、コミュニケーション=対話です。ただ話をするとか語学が得意というのではなく、単に「話をする」「話を聞く」ということではなく、「話を交わす」ということです。

最近の子どもたちは、情報を収集する能力やプレゼンテーションの力は増したと言われていますが、それに対して聞き手に合わせて説明する能力に欠けてきていると言われています。その状態は話し手が言葉を発しているだけで、対話になっていないというわけです。対話には当然相手が必要です。しかも、その相手が聞こうとしなければコミュニケーションは成り立ちません。そんな状態を指して、最近の子どもたちには「コミュニケーション能力」が足りないと言われているわけです。

コミュニケーション能力をつけていくためには、子ども同士の関わりがとても重要になってきます。大人との会話の場合、子どもは特に工夫をしなくても大人は話を理解してあげることができます。でも子ども同士だと、なかなか理解してもらえないので工夫が必要ですし、何を伝えようとしているかを一生懸命聞かなければなりません。また、遊びをもっとおもしろくしようとする場合は議論も必要になります。このような経験のできる子どもと子どもの関係をいかに生み出すかを私たちは大事にしている訳ですが、他にもポイントはたくさんあります。そんな場面を見つけたら、また書いてみようと思います。

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