2012年8月9日

No.256 木とのつながりを考える

以前「森の力」の著者である浜田久美子さんについて書いたことがあります。森林と関わりながら森の持っている力について広く発信しておられ、『森の幼稚園のような森での活動を多く持っている子どもはコミュニケーション能力が高くなる』ということも本の中で紹介されている、そんな方です。その浜田さんからメールをいただいたのですが、その中に「木育」という言葉が出てきました。久しぶりに聞く言葉だったのですが、今この言葉に出会ったのは何か縁があるんだろうと思い、木育について整理してみることにしました。

「木育」という言葉は、北海道が平成16年に設置した民間協働プロジェクトで提案したもので、「子どもをはじめとするすべての人びとが、木とふれあい、木に学び、木と生きる」という活動です。またこのようにも説明されています。『子どものみならず、すべての人びとにとって、木と五感でふれあうことが、自然や人とのつながりの回復に結びつくこと。手でつくり、手で使う経験を通して養われる感性や想像力が、人や自然に対する「思いやり」や「やさしさ」を持つことにつながること。こうした経験を蓄積し、知恵と技術を培うことが、自然と人が共存して生きる「持続可能な社会」を生み出す力となること。私たちは、木を子どもの頃から身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育てたいという想いを「木育(もくいく)」という言葉にこめました。』

うん、やっぱり大事なことが書かれています。木と触れ合うだけでなく、木を身近に使っていくだけでもなく、そのことを通して木や森とのつながりを考えることまでつなげていけるかが大切だということです。あさり保育園には木でできたおもちゃや遊具がそれなりにはあります。でも、使っている子どもたちが、木でできたおもちゃと森にある木とをつなげて考えることができているかどうかというと、まだ十分ではない気がします。このことはじっくりと考えていきたいことです。他者に対する思いやりは自分以外のものや人に対する想像力から生まれてきます。自分がどのように他者とつながっているのか、自分の言葉や行動がどんな風に他者とつながっていくのか、子どもたちにはそんなことをたくさん考えてもらいたいですね(もちろん大人も)。身の周りの「木」を通してどこまで想像力を働かせ、つながりを感じられるか。乳幼児期に木と触れ合う体験を大事にしたいですね。

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