2012年8月16日

No.257 スコップを捕まえたAちゃん

先週の土曜日のことです。草木の状況を確認するために園庭をうろうろしていると、うさぎ組のAちゃんが虫取りアミを持ってこちらへ向かってきます。何かを捕まえたらしく、ものすごく誇らしげな表情をしていたので何を捕まえたんだろうと見てみると、なんとアミに入っていたのはスコップでした。それを「見て見て!!」といった感じで嬉しそうにアピールしてくるので、思わずその獲物?の写真を撮らせてもらいました。

今ぞう・きりん・くま組の子どもたちの間で虫取りは盛んに行われています。虫取りアミを持って畑や果樹エリアで真剣な表情で虫を追いかけている姿を毎日の様に見かけます。スコップを捕まえたAちゃんは、おそらく虫を捕まえることに興味があったわけではなく、虫取りに夢中になっているお兄ちゃんお姉ちゃんの姿を真似したんだと思います。

虫取りに限らず、子ども同士で互いの行動を真似し合うという姿は、保育園の生活の中では日常的に見られます。この真似をするという行為は、その行為を習得するという意味ももちろんあるでしょうが、それ以上にミラーニューロンという脳の大事な部分に関する活動であることに大きな意味があると思っています。このミラーニューロンは相手が体験していることをあたかも自分自身が体験しているかのように感じることのできる部分で、人間らしさを特徴づけている大事な役割を持っています。他者を模倣することもミラーニューロンの働きが大きく関わっていて、ちょっと飛躍した言い方をすると、模倣をすることでミラーニューロンはさらに刺激され、人間らしい能力、例えば他者に共感したりする力もしっかりと育まれるとも言ってもいいと思います。

当然模倣をするためには相手が必要です。その相手は身近な大人であることもありますが、子どもたちにとっては発達の近い他の子どもであったり、発達差の大きい上の子どもであったりと、多様な子どもとの関係が大切なわけです。幸いにも保育園にはいろんな子どもがいて、いろんな関わりがあります。Aちゃんの様なかわいらしい姿を見ると、子ども集団があることの良さを感じます。「学ぶ」の語源とも言われる「真似る」の大切さを感じた出来事でした。



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