2013年2月15日

No.282 学ぶ姿勢のはなし

1月末に引っ越しが終わり、今は来年度に向けての移行期という段階に入っています。ぞう組さんはなんとなく年長児の風格が増してきた気がしますし、きりん組やくま組さんがぱんだ組さんを導いている姿もよく見られます。ぱんだ組さんは多少戸惑う姿も見られますが、それでも新しい生活の場に馴染んできたように感じます。うさぎ組さんとりす組さんは3月後半に移行が行われる予定ですが、個々の成長はちょっとした表情などからも感じられます。

もちろん個々によって程度の違いはありますが、みんな確実に変化してきています。その変化の中身は、周りの子の姿を見て真似をしてできるようになったこととか、他の子との関わりが複雑になったというか豊かになってきたこととか、そんな変化が特に目立つように思います。例えばぱんだ組さんは新しい生活の場のルールを覚えるところから始まりました。言葉で説明したり実際にその場で仮の体験をしてみたりと、いろんな方法でわかりやすく伝える工夫をしてきました。でもそのルールを自分に染み込ませていくためには、ルールの中に身を置いて実際に行動することが必要だと思っています。そのためにも見本となる上の子の存在は重要です。聞けばいろいろ教えてくれる子はいますが、聞いていないのに事細かに教えてくれる子はいません。だから自分が参考にすべき上の子を見つけ、自分で見て学ばなければいけないわけです。

この「見て学ぶ」行為を別の角度から考えてみると、これはすごく自発的な行為です。自分のために教えてくれているわけではない他の子どもの行動を見て、そこから自分に必要なことをつかみ取っていくわけですから。大人の学びにも同じようなことがあると思います。例えばラジオを聞いていて、決して自分だけに向けて言っているわけではない言葉が、何故か悩みや課題を抱えている今の自分に向けて言ってくれているように聞こえてきて、その言葉を深く受け止めて自分の行動を見直すことにつながったりとか。そんなことってありませんか?これは「自分に向けて言ってくれている」と勘違いしているわけですが、でもこんな積極的な勘違いができる姿勢って、すごく大事なんじゃないかと思っています。学ぶ姿勢ってこういうことじゃないかなあと。周りの人の様々な行動や言葉を積極的に、そして丁寧に受け止める姿勢を大人が子どもに行動で示すことができれば、子どもの「見て学ぶ」行為はもっともっと促されるんじゃないかと。わかりにくい話ですね。でも学ぶ姿勢は大事にしたいです。

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